【詳報】町長交際費で身内の町職員らの親族に弔慰金 屋久島町長交際費問題
8年間の全弔慰金133万円の5割強、73万円が職員や町議の親族に
町長交際費は「外部との交際に要する経費」と規定

屋久島町役場
円滑な町政運営のための対外的な交際に使う町長交際費が、身内の職員や町議の親族に対する弔慰金に使われていた――。
屋久島町の荒木耕治町長が自身の裁量で使える町長交際費から、職員や町議の親族が亡くなった際の供花代や香典の弔慰金として、今年度も含めた8年間に計約73万円を支出していたことが、屋久島ポストの取材でわかった。町長交際費を支出できる対象者は、交際費の支出基準を定めた町の要綱で決められているが、職員や町議の親族は対象になっていない。
職員や町議に加え「区長」らの親族にも
町が開示した町長交際費の支出記録によると、2017~2024年度の8年間に町長交際費から支出された弔慰金は118件で計132万9510円。そのうち職員や町議の親族に対する支出は59件で、金額は全体の5割強にあたる72万5540円だった。
親族に対する1件あたりの支出額は、1万800円~1万6740円の供花代が58件で、1万円の香典を出したのが1件。職員や町議のほか、「区長」「公民館長」の親族に支出したケースもあった。
今年度、全弔慰金の9割強を職員親族に支出
8年間で最も支出額が多かったのは2024年度で、昨年4月~今年1月までに支出した計16万6210円のうち、その9割強となる15万5000円が職員ら(公民館長1人を含む)の親族に対する供花代だった。次に多かったのは2018年度の13万5000円で、2019年度の9万8000円、2017年度の8万1540円と続いている。
町、親族には「葬祭供花規程に従って支出していた」が・・・
町長交際費の支出基準などを定めた「屋久島町長の交際費の支出基準及び情報の公表に関する要綱」によると、町長交際費は「町長が、町を代表して行う外部の個人又は団体との交際に要する経費」とされている。具体的な支出先としては、「町の事務事業と直接かつ密接な関係にあるもの」「町政の伸展に功績があったもの」「災害、事故等にあったもの」などが挙げられているが、職員や町議の親族は含まれていない。
町総務課は取材に対し、「職員らの親族に対する弔慰金は、町の葬祭供花規程に従って支出していたが、町長交際費の支出先として問題がないかどうか、今後検討する」としている。