屋久島町長交際費問題

屋久島町、町長交際費で職員らの親族への弔慰金 支出を継続へ/屋久島ポスト

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町議「職員が互助会をつくって私費で支出すべき」→ 荒木町長「今後も社会通念上の額の範囲で供花をしていく」

屋久島町役場

 円滑な町政運営のための対外的な交際に使う町長交際費が、身内の職員や町議の親族に対する弔慰金に使われていた問題――。

 屋久島町の荒木耕治町長は3月に開かれた町議会一般質問で、町長交際費から「社会通念上の額の範囲内で弔慰金を(職員らの親族に)支出することは差し支えない」との認識を明らかにした。一般質問をした町議からは、公費からではなく、町職員が互助会をつくって私費から出すべきではないかと指摘されたが、荒木町長は「今後も社会通念上の額の範囲で(町長交際費から)供花をしていく」と述べた。

8年間で73万円 2024年度は15万5000円
 職員らの親族に町長交際費から弔慰金が支出されている問題は、今年2月に屋久島ポストの報道で明らかになった。2017~2024年度の8年間に計約73万円を支出。2024年度については、町長交際費から支出した弔慰金16万6210円のうち、その9割強となる15万5000円が職員(公民館長1人を含む)の親族に対する供花代だった。

真辺町議、町長交際費は外部との交際に支出すべき
 一般質問に立った真辺真紀町議は、町長交際費の支出基準などを定めた町の要綱で、町長交際費は「町長が、町を代表して行う外部の個人又は団体との交際に要する経費」と規定されていることを踏まえ、「職員や親族への弔慰金を町長交際費から支出することは不適切ではないか」と問いただした。

 答弁に立った荒木町長は、「町が代表して社会通念上の額の範囲内で弔慰金を支出することは差し支えない」としたうえで、「(職員らの親族に)町長交際費で(弔慰金を)支出することは適切であると認識している」と述べた。

町職員らの親族への弔慰金を町長交際費から支出することについて、「適切であると認識している」と答弁した屋久島町の荒木耕治町長=2025年3月11日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより

総務課長「葬祭供花規程に基づいて支出している」
 それに対し真辺町議は、町の要綱で町長交際費は対外的に支出することが規定されていることから、「職員や親族は内部(の関係者)であり、対外的ではないと思うが、その点はいかがか」と質問。町総務課の三角謙二課長は、町の葬祭供花規程によって職員らの親族に供花代が支出できることが定められていることを踏まえ、「(葬祭)供花規程に基づいて支出するという判断のもとで、事務を執行している」と答弁した。

職員の互助会なく「今後も町長交際費で供花をする」
 さらに真辺町議は、職員らの親族は町にとっては「身内」であると指摘し、「公費からではなく、(町職員が)互助会をつくって、そこから(私費で)支出した方が、住民から見た目もいいし、公費の負担も少なくなる」と主張。それに対し荒木町長は、町役場内に職員でつくる互助会がないことなどを理由に、「今後も社会通念上の額の範囲で(町長交際費から)供花をしていく」と述べた。

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