屋久島町長交際費問題

2024年度 町長交際費、全支出の半分強が町役場の「身内」に対する弔慰金/屋久島ポスト

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町長交際費、昨年度は29万5000円を支出 → このうち町職員らの親族への供花代に15万5000円

国会議員や鹿児島県知事らへの贈答はゼロ

【上】屋久島町がウェブサイトで公開している町長交際費の支出記録【下】屋久島町役場

 屋久島町の荒木耕治町長が2024年度に使った町長交際費は計約29万5000円で、その半分強にあたる15万5000円が町職員らの親族への弔慰金だったことがわかった。国会議員らへの贈答が中止されたことで大幅に減額された一方、外部との交際に使う町長交際費が町役場の「身内」のために支出された格好となった。

姉妹都市への贈答などに約12万8000円
 町がウェブサイトで公表している町長交際費の支出記録によると、2024年4月~2025年3月に荒木町長が使った町長交際費は計29万5090円。このうち弔慰金を除いた贈答費には、12万8880円が支出された。2022年度まで恒例で続けられてきた国会議員や鹿児島県知事らに対する高級焼酎などの贈答は1件もなく、姉妹都市へのパッションフルーツやタンカンなど季節の贈り物が大半を占めた。

 その一方、葬儀の供花代として使った弔慰金は計16万6210円だった。このうち町職員らの親族13人への支出は15万5000円で、町役場の「身内」に対する支出が全体の半分強を占めた。

町長、職員らの親族に対する支出「適切であると認識」
 町職員らの親族への弔慰金をめぐっては、今年3月の町議会一般質問で町議から、町長交際費は外部との交際に使う予算であり、「職員や親族への弔慰金を町長交際費から支出することは不適切ではないか」と指摘された。それに対し荒木町長は、「町が代表して社会通念上の額の範囲内で弔慰金を支出することは差し支えない」としたうえで、「(職員らの親族に)町長交際費で(弔慰金を)支出することは適切であると認識している」と答弁した。

住民訴訟後、最多126万円から16万円に激減
 荒木町長が町長交際費で国会議員や鹿児島県知事らに高額な贈答を続けていた問題は、屋久島ポストが2022年8月に報道して明らかになった。2017~2021年度の5年間に贈答費として支出したのは約370万円。そのなかには、特定の国会議員や知人社長に高級焼酎を贈り、1回の贈答で約10万円を支出した例もあった。

 その後、この高額贈答の問題は町議会でも取り上げられたが、荒木町長は「社会通念上妥当と認められる贈答だと思う」などと主張した。だが、この答弁を受けて住民訴訟が提起されたことで、町は国会議員らへの贈答を中止。その結果、2023年度の交際費は約16万円となり、2017年度以降で最も多かった2019年度の約126万円から大幅に激減した。

■2024年度 町長交際費支出記録

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