未回収の補助金1330万円、屋久島町が業者に損害賠償請求訴訟を提起へ
町、12月議会に訴訟提起の議案を提出予定 → 来年1月にも提訴
国庫補助金不正請求事件

屋久島町が水道工事の国庫補助金を請求する際に虚偽の工事完成日を報告し、国から約1668万円の返還命令を受けた事件で、町が「補助金返還の責任は工事遅延を招いた工事業者にある」として、業者側に損害賠償請求した金額のうち、約1330万円が未回収となっている問題――。
この損害を回復するため、来年1月にも町が業者に損害賠償請求訴訟を提起することが、町総務課への取材でわかった。12月に開かれる町議会定例会に訴訟提起の議案を提出する予定で、承認されれば鹿児島地裁に提訴する。
町の賠償請求、6業者のうち1業者が応じず
未回収となっているのは、国に返還した約1668万円(補助金と加算金)のうち、5業者が賠償した約203万円と、住民訴訟の判決に従って荒木耕治町長が賠償した約135万円(加算金)を差し引いた約1330万円(補助金)。
町は、補助金返還の法的責任は「工事遅延を招いた工事業者にある」として、6業者に賠償請求をしたが、1業者だけが応じなかったため、約1465万円が未回収となった。その後、荒木町長らの管理責任を問う住民訴訟が提起され、国に納付した加算金の約135万円については、荒木町長に賠償責任があることが判決で認められたため、現時点では約1330万円が未回収となっている。

町の代理人、またしても和田久法律事務所の弁護士か?
町総務課によると、代理人の契約先は未定だが、訴訟提起の相談は、鹿児島県市町村会の法律顧問を務める鹿児島市の和田久法律事務所にしているという。
同事務所の新倉哲朗弁護士は、荒木耕治町長の出張旅費不正精算事件の際に代理人を務めたほか、町が被告となった町営牧場過重労働死訴訟と海底清掃事業をめぐる住民訴訟でも訴訟代理人をしている。
