鹿児島県、屋久島町の「弁明」にNO! 補助金書類うそ記載問題

yakushima-post

「すべての工事が終わってから事業実績報告をするべき」

県、町の記載を「事実と違う」 厚労省に報告へ

専門家「町長の責任は極めて重い」「町政監視の町議会が機能せず」

 

この記事のポイント

・屋久島町が鹿児島県に事情を説明

・県が、町提出の書類記載が「事実と違う」ことを確認

・鹿児島県が厚生労働省に報告へ
WIKI)鹿児島県庁
鹿児島県庁(via WikiMedia Commons, Creative Commons Attribution-Share Alike 4.0)

 鹿児島県屋久島町が、同町の水道整備工事で国に補助金の申請をする際に、うその「工事完成日」を文書に記載して補助金11000万円を受け取った問題をめぐり、鹿児島県は1111日、県庁を訪れた同町幹部の説明に対して、「すべての工事が終わってから事業実績報告をするべきだ」との認識を示した。県によると、町は「国の補助事業部分の工事は終わっていた」と弁明したが、県はその町の主張を受け入れなかった形だ。県は、町が書類に記載した「工事完成日」は「事実と違う」との認識を示し、近く厚生労働省に報告する。

 調査報道メディア「屋久島ポスト」(編集・発行:地域メディア・屋久島)の取材に対し、県が答えた。

補助金を申請する文書にうその「工事完成日」を記載してもいいのか、否か──。厚労省の判断が注目される。
kousei_img01
厚生労働省が入った合同庁舎(厚労省ホームページより)

副町長「詳細は臨時議会で」

 この日、県庁を訪ねたのは同町の日高豊副町長と生活環境課の矢野和好課長。県側は生活衛生課と市町村課の職員が応対した。この日の訪問は町が県に申し出て実現した。

 県によると、今回の問題について、日高副町長らは今年326日に工事完成検査をした段階では、すべての工事が終わっていなかったことを認めたという。その上で、「国の補助事業部分の工事は終わっていたが、町が単独で実施する事業部分の工事が終わっていなかった」と説明したという。

 これに対して、県側は屋久島ポストの取材に「本来はすべての工事が終わってから事業実績報告をするべきだ」との認識を示した。

 一方、屋久島町の日高副町長は取材に「詳細は1126日にある町議会の臨時会で説明する」としている。

03新庁舎全景
屋久島町役場


地方自治に詳しい鳥取大学名誉教授の藤田安一氏(公共政策学)

藤田氏2 国の補助金を受給するには、工事が完成したことを文書で示す必要があるが、今回はそのルールに反していただけでなく、工事が終わっていない事実を把握した後も、国や県に報告しなかったことが問題だ。地方自治体の首長として、屋久島町長の責任は極めて重い。

 屋久島町では様々な不祥事が続いているが、これは行政による責任感の欠如が招いた結果だといえる。住民から委託を受けて、住民のために行う仕事なのに、自分たちの内輪だけで解決すればいいという体質が町にあるのではないか。また、町政を監視するはずの町議会もまったく機能していない。

 それゆえに、ずっと以前から続く「負の遺産」があって、それを反省する機会を持たなかったために、今の状態になっているのだろう。こんなことを続けていれば、世界自然遺産としての屋久島の名を汚してしまうのではないか。それを許している住民にも責任があるといえる。


姉妹メディア「ほっとやくしま」

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事
これらの記事も読まれています
記事URLをコピーしました