町の責任は不問、工事代金の前払いは検証せず 鹿児島県屋久島町・補助金不正請求事件

yakushima-post

日高副町長「法的な判断を含め、頭の中で整理ができていない」

再発防止策の再検討は必至

日高副町長20220615
補助金不正請求事件について説明する日高豊副町長(中央)。前列右は荒木耕治町長(2022年6月15日、屋久島町議会、役場内の議会中継モニター画面を撮影)

 鹿児島県屋久島町が同町の水道工事で国から補助金を受ける際に、虚偽の工事完成日などを報告した補助金不正請求事件をめぐり、工事を終えていない業者に工事代金を前払いした問題について、
再発防止策を協議する「屋久島町水道工事管理検討委員会」が調査や検証をしていなかったことがわかった。町が615日に告示した再発防止策には、前払い防止などの具体策は盛り込まれておらず、町役場内の事務手続きの問題を不問にしたことになる。工事代金の前払いについて、荒木耕治町長は地方自治法に違反する支出だったと町議会で認めており、再発防止策の再検討は避けられない状況だ。

 同検討委員会の委員長を務める日高豊副町長が615日、屋久島ポストの取材に対し、工事の遅延を防ぐ具体策は検討したが、工事代金の前払いについては調査や検証をしていなかったことを認めた。

日高副町長、前払い問題の検証「今後、検討したい」

 屋久島ポストが「前払いについて、その経緯を調べて検証し、具体策を検討したのか」と尋ねると、日高副町長は検討していないことを認めたうえで、「法的な判断を含めて、私の頭の中で整理できていないところがあるが、委員長としての責務は果たせたと思う」と答えた。それに対し、屋久島ポストが「地方自治法に違反して支出した問題を放置していいのか」と確認すると、日高副町長は「これでけじめを付けたと思っているが、今後、検討したい」と述べるに留まった。

再発防止策
屋久島町が告示した再発防止策の一部。町役場内の事務手続きの問題については、「法令遵守徹底を指導」といった抽象的な内容ばかりだった

具体策なく「全職員に対し法令遵守徹底を指導」

 町が告示した再発防止策によると、同工事の決算が不認定になった理由として、「一部工事が未竣工であったにも関わらず、工事請負代金を支出していたこと」などと説明。工事代金の前払いについては、早期に工事を終わらせるとの報告を業者から受け、前年度の会計を閉める「出納閉鎖」直前の2021528日に支払日を設定したが、業務多忙や新型コロナウイルスの影響で現地確認ができない状況で支出したことが原因だとしている。

 一方、工事代金を前払いした町役場内の事務手続きの問題については、詳細な経緯や検証結果は示されておらず、対策として「全職員に対し法令遵守徹底を指導するとともに、職員の資質を向上させ、再発防止に取り組む」といった抽象的な内容のみを記載。工事完成を現地で確認しないまま、なぜ担当職員が工事代金を支払う判断をして、荒木町長ら幹部が支出命令書に押印して決裁したのかなど、その詳細な経緯や検証結果は一つも示されなかった。

荒木町長、前払いの法令違反を認め「調査する」

 工事代金を前払いした問題をめぐっては、荒木町長は地方自治法232条に違反する支出だったと町議会で認めたうえで、報道陣に対して「今後、(調査を)やらなければいけないと思っている」と述べている(*1)。今回、検討委員会が前払い問題を検証しなかったことで、再発防止策の再検討は避けられないことになった。

*1) 取材日は2022323

■屋久島町が告示した再発防止策

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事
これらの記事も読まれています
記事URLをコピーしました