取材後記

【取材後記2022】悪政を正す「一筋の光明」住民訴訟/編集委員会

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住民有志が監視 不正調査しない町役場と町議会

取材後記2022


 2022年も最後の日となりました。この一年を振り返ると、屋久島町政の不正をめぐる記事を配信し続ける日々でしたが、そのなかで一筋の光明となったのは、住民が主体となって町の悪政を監視し始めたことです。

 特に一般町民が自分の力で提起した住民訴訟は大きな光となりつつあります。

 国民の税金から約12000万円もの補助金を受け取るのに、屋久島町は水道工事の事業実績報告書に虚偽の内容を記載していました。工事が未完成なのに、すべての工事が完成したと嘘をついていたのですが、その報告書を出す際に、担当職員たちは町長の公印を勝手に押して、幹部の決裁を受けることなく「独断」で提出。さらに虚偽報告の事実を把握したあとも、町幹部は国に伝えることなく、この不正を約7カ月間にわたって放置していました。

 こんなデタラメな手続きで国から億単位の大金をもらっていたのですから、町は幹部や担当職員を処分しなくてはなりません。でも、その不正を屋久島ポストが報道して町議会が追及しても、町幹部は身内だけの「お手盛り調査」をしただけで、幹部や職員たちの責任を不問にしようとしました。

住民訴訟で判明する不正の数々

 そこで、国に虚偽報告をした責任の所在を明らかにするため、有志の町民が今年8月に住民訴訟を提起。裁判はまだ途中ですが、職員が勝手に公印を押したり、幹部の決裁を受けずに虚偽報告をしたりするなど、町が町議会で報告しなかった事実が次々と明らかになっています。

 つまり、もし住民訴訟になっていなければ、違法の疑いがある一連の不正行為が明らかになることはなかったということです。意図的とまでは言いませんが、訴訟になるまで町幹部は適切な調査をしなかったのですから、結果として不正の事実を隠蔽していたに等しいと言わざるを得ません。

必要不可欠 不断の町政監視

 一般町民に住民訴訟まで提起させないと、自分たちで不正調査ができない地方自治体というのは、何とも情けないばかりですが、これが我が町の事実です。荒木町長をはじめとした現執行部には、町民を含めた国民の血税を預かる資質はなく、町長支持の議員が多数派を占める屋久島町議会も、監視役としてはまったく機能していません。

 それゆえ、住民有志による不断の町政監視は必要不可欠であり、そのなかで住民訴訟は大きな力になり得ると感じています。

 私たち町民のお金は正しく使われているのだろうか――。その視点を中心に据えて、これからも屋久島ポストは取材を続けていく所存です。

 読者の皆さまにおかれましては、今年一年もご愛読いただき誠にありがとうございました。そして、来年2023年もよろしくお願い申し上げます。

2022年12月31日

屋久島ポスト編集委員会

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 世界自然遺産の屋久島で暮らす住民有志が協力して、屋久島町の行政や社会の問題を中心に記事をネット配信。情報公開制度で開示された町の行政文書を基にして、不正のない町政を実現するため、市民による市民のための調査報道を続けています。

共同代表・鹿島幹男 武田 剛

yakushima.post@protonmail.com

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  1. 屋久島町民

    議員、町長は選挙で選ばれています。
    それが民意だと思います。
    不正追求、行政監視は町民の意識として、
    持たなければならないものですが、
    選挙以上の民意は今の民主主義制度ではあり得ません。

  2. 私も町民の一人

    【屋久島町民さんのコメントについて一言】
    議員、町長を選挙で選んで、それを「民意」とし、次期改選まで「民意」は固定しておかなければならないのでしょうか。
    選挙以上の民意は今の民主主義制度ではあり得ない、これ、意味不明です。実際に、有権者は選挙で選んだ議員や首長のリコールもできますし、監査請求、住民訴訟の提起もできます。議会や行政に対し、請願や陳情をすることもできます。議会や行政が機能不全に陥りそうになっていたら、あるいは腐敗していたら、それを放置せず有権者が声をあげる必要があると思います。殊に屋久島町はその良い例でしょう。
    日々の暮らしの中で個人個人が感じること、それも立派な「民意」です。選挙も民意を反映させるひとつの手段ではありますが、その結果だけを「民意」とするのは乱暴な考え方なのではないか、と思います。

  3. 屋久島町民さんへ

    屋久島町民さんへ
    住民の民意を表す手段の一つに選挙があります。
    その選挙について、これ以上のものはありません、と言うのには異論があります。
    組織は常に変化します。なので常に住民の監視は必要です。
    そのために、住民監査請求があり、さらに住民訴訟があるのではありませんか?
    いずれも地方自治法で定められた住民の権利です。
    選挙が終わったあとでも、住民の監視の目は必要です。
    それが平等に許されるのが民主主義です。

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