領収書の発行日に疑惑【旅費不正の構図】(7) 屋久島町出張旅費不正問題

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出張後に発行された領収書で精算

発行日の記載がない領収書も

町議に目立っても調査なく うやむやに

 (この連載は随時掲載します)

 鹿児島県屋久島町の幹部らによる一連の出張旅費不正問題をめぐり、今月から始まった監査に合わせて、その実態を解明する連載「旅費不正の構図」。7回目は、航空運賃の領収書に記載された発行日に問題があるケースを紹介します。

まとめ)日付なし③
日高好作議長(当時)が旅費精算書に添付した領収書。3枚とも発行日が記載されていない


構図:領収書に出張後の日付、または発行日の記載なし

 出張旅費の精算書に添付される航空運賃の領収書には、通常は出張に出発する前の日付が記載される。出張者が目的地に向かうための航空券を事前に購入し、それを使って航空機に搭乗するからだ。

 ところが、今回の記事で紹介するのは、出張から帰った後の日付が領収書に記載されているケースだ。さらには、発行日の記載がない領収書もある。1件か2件なら、記入ミスの可能性もあるが、2014年度~2019年度の間に少なくとも27枚あることが、これまでの「屋久島ポスト」の取材でわかっている。ここまで多いと、単なるミスとはいえないだろう。

 日付に問題のある領収書が多いのは、町議会議員の出張だ。特に目立つ日高好作議長(当時、現在も町議)と寺田猛副議長(当時、現在は引退)の事例をみてみよう。

事例:出張後の日付が記載された領収書で旅費精算

 町が開示した出張記録によると、2014年度~2019年度の間に、日高町議が出張後の日付が記載された領収書で旅費精算したのは計3件。日高町議は2013年~2017年まで議長を務めており、東京などに出張する機会が多かった。

日高町議①

日高好作議長(当時)が町に提出した領収書(上)と旅費精算書。2014年5月28日に出張から帰ったが、領収書の発行日が「5月29日」となっていた

 日高議長は2014526日~28日にかけて、全国町村議会議長会の研修会に出席するため、東京に出張した。その後、航空運賃として「45,260円」の領収書を添付して精算。だが、領収書の発行日が出張後の2014年「529日」となっていた。

 また、領収書の但し書きに「航空券代」ではなく、「チケット代として」と記載されている点も調査が必要だ。岩川浩一副町長(当時)201511月の出張で宿泊費を二重取りした際に、同じく「チケット代として」と但し書きされた領収書を添付して、航空運賃を請求した。しかし、実際には航空券代とホテル代がセットになったホテルパックを利用していた。


日高町議②

日高好作議長(当時)が町に提出した領収書(上)と旅費精算書。2015年11月13日に出張から帰ったが、領収書の発行日が「11月19日」となっていた

 2015119日~13日には、全国町村議会議長会の全国大会などに出席するため、東京へ出張した。その後、航空運賃として「29,300円」の領収書を添付して精算。だが、領収書の発行日が出張後の2015年「1119日」となっていた。

日高町議③
日高好作議長(当時)が町に提出した領収書(上)と旅費精算書。2016年11月17日に出張から帰ったが、領収書の発行日が「11月25日」となっていた

 20161115日~17日には、離島議長行政調査に行くため、沖縄県へ出張した。その後、ホテルパック代として「49,500円」の領収書を添付して精算。だが、領収書の発行日が出張後の2016年「1125日」となっていた。

 副議長を務めていた寺田氏については、同様の領収書で精算した出張は計2件あった。

寺田町議①
寺田猛副議長(当時)が町に提出した領収書(上)と旅費精算書。2014年5月28日に出張から帰ったが、領収書の発行日が「5月29日」となっていた

 20145月~28日に日高町議と一緒に東京へ出張した後、日高町議と同じく、航空運賃として「45,260円」の領収書を添付して精算。だが、領収書の発行日が出張後の2014年「529日」となっていた。また、日高町議と同様に、領収書の但し書きに「航空券代」ではなく、「チケット代として」と記載されている点も調査が必要となる。

寺田町議②
寺田猛副議長(当時)が町に提出した領収書(上)と旅費精算書。2015年10月28日に出張から帰ったが、領収書の発行日が「10月30日」となっていた

 20151026日~28日には、離島議長行政調査に行くため、長崎県へ出張した。その後、航空運賃として「18,500円」の領収証を添付して精算。だが、領収書の発行日が出張後の2015年「1030日」となっていた。

事例:発行日が記載されていない領収書で旅費精算

 発行日が記載されていない領収書での旅費精算でも、日高町議の出張が計3件あった。

日高町議)日付なし③
日高好作議長(当時)が旅費精算書に添付した領収書。2014年10月29日~31日に出張したが、発行日が記載されていない

   日高町議は20141029日~31日に離島行政調査に行くため、長崎県へ出張した。その後、航空運賃として「36,700円」の領収書を添付して精算。だが、領収書には発行日が記載されていなかった。

日高町議)日付なし②
日高好作議長(当時)が旅費精算書に添付した領収書。2014年11月10日~14日に出張したが、発行日が記載されていない

 20141110日~14日には、全国町村議会議長会の全国大会などに出席するため、東京へ出張した。その後、航空運賃として「31,800円」の領収書を添付して精算。だが、領収書には発行日が記載されていなかった。

日高町議)日付なし①
日高好作議長(当時)が旅費精算書に添付した領収書。2014年11月29日~12月1日に出張したが、発行日が記載されていない

 続いて、20141129日~121日には、関東屋久島会の総会に出席するため、東京へ出張した。その後、航空運賃として「46,700円」の領収書を添付して精算。だが、領収書には発行日が記載されていなかった。

 また、町議会議員の出張で、発行日のない領収書が一度に8枚も添付された事例もあった。

議会8枚
町議8人の旅費精算書に添付された領収書。2014年11月19日~21日に出張したが、発行日が記載されていない

 総務文教常任委員会に所属する町議8人が20141119日~21日、所管事務調査に行くため、山口県と兵庫県に出張した。その後、それぞれが航空運賃として「15,400円」の領収書を添付して精算。だが、すべての領収書に発行日が記載されていなかった。

対応と現状:住民監査請求で指摘されても調査せず

 日高町議や寺田氏のケースをはじめ、発行日に問題がある領収書が多数ある点については、20213月に住民監査請求が申し立てられた際に指摘された。監査委員の2人には領収書や精算書のコピーも渡され、具体的な事例を示して問題提起されたが、調査が行われることはなかった。

 その当時、寺田氏は町議会選出の監査委員を務めていたが、住民監査請求を却下した。さらに自ら進んで監査をせず、同年9月の町議選に出馬することなく、町議を引退した。

 一方、日高町議は202179日にあった町議会の全員協議会で、一連の疑惑について同僚議員から指摘を受け、「もしあれば、確認をして是正する」と述べた。そして、発行日に問題がある領収書のコピーなどを手渡されたが、その後は何も回答がないという。

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