石田尾議長、また掲載動画の削除を屋久島ポストに要求 屋久島町議会取材拒否問題
不法投棄した岩山町議の議会動画
屋久島ポストは拒否 「情報公開制度の趣旨をねじ曲げる、考えられない主張」
調査報道メディア「屋久島ポスト」の議会取材を拒否している鹿児島県屋久島町議会の石田尾茂樹議長が、同メディアが掲載した動画の削除を求めた。不法投棄で刑事告発されている岩山鶴美町議が投棄の1年前に、ごみのポイ捨てなどに罰金を科す条例の制定を提案した時の議会動画で、町が情報公開制度で開示したものだ。石田尾議長は「著作権法に違反している」と主張。それに対し、屋久島ポストは「条例に基づき開示された行政文書を報道した。石田尾議長の主張は情報公開という制度の趣旨をねじ曲げるもので、議会人として考えられない主張だ」と反論、削除には応じないと回答した。別の動画を含め、石田尾議長による削除要請は2回目で、屋久島ポストは「報道機関に対する圧力で、プレスの自由を侵している」と抗議を続けている。
【動画】石田尾茂樹議長が削除を要求している議会動画。2019年9月の屋久島町議会の一般質問で、岩山鶴美町議がごみのポイ捨てや不法投棄に罰金を科す町独自の条例の制定を提案している(屋久島町が情報公開制度で開示)
石田尾議長、一方的に抗議の電話を切る
石田尾議長が削除を要求しているのは、屋久島ポストが2022年3月10日に掲載した「【動画】で検証 岩山鶴美町議の議会発言 犯罪性を認識 鹿児島・屋久島町議アパート廃材焼却問題」の記事に付く動画。自身で経営する賃貸アパートの廃材を不法投棄して焼却した岩山町議が、その1年前の2019年9月の町議会一般質問で、ごみのポイ捨てなどに罰金を科す町独自の条例の制定を提案した時の記録だ。町議本人が「不法投棄は犯罪に当たり、決して許されない行為」などと述べる様子が録画されている。
屋久島ポストは、町議会の議事録でこの発言を把握したうえで、岩山町議が不法投棄をした1年前の時点で、産業廃棄物の投棄や焼却が犯罪に当たることを明確に認識していたことを示す記録だと判断。ごみのポイ捨てにまで罰金を科す条例を提案した町議の発言であり、その事実を報道することは公益に資すると考え、2022年2月に情報公開請求して動画の開示を町に求めた。
その後、町は条例に基づき3月4日に動画ファイルをコピーしたDVDを公文書として開示。屋久島ポストは問題の発言があった議事録を補う情報として、動画ファイルを編集し、3月10日に記事として配信した。
この記事を受けて、石田尾議長は3月11日に屋久島ポストに電話を入れ、「著作権法に違反している」として動画の削除を要求した。
それに対し、屋久島ポスト側の見解を伝えようとしたが、石田尾議長は「伝えましたよ」と言い、一方的に電話を切った。
そのため、屋久島ポストはすぐに議会事務局の日高孝之事務局長に電話で連絡。今回の動画の配信は「公文書として開示された議会動画の一部を編集したものであり、公益性のある報道だと考えている」と反論した。
石田尾議長、事実を確かめずに不法投棄調査の陳情を却下
岩山町議の不法投棄をめぐっては、2021年8月にあった町議会の議会運営委員会で、この問題の調査を求める町民の陳情に対して、当時の委員だった石田尾町議らが議会で審議せずに却下し、門前払いする判断をしている。
その際、石田尾議長は却下の理由として、岩山町議が「町から許可を得ていた」と説明していることなどを挙げていた。だが、その後の取材で、実際には町は許可を出していなかったことが判明。事実に基づかない理由で却下したことが明らかになっても、石田尾議長はこの問題を放置し続けている。
石田尾議長は「プレスの自由を侵害」
石田尾議長による写真や動画の削除の要求は、今回で2回目。前回は、屋久島ポストが2021年12月7日に町議会で撮影した写真と動画に対するもので、石田尾議長が議長席で屋久島ポストに取材禁止を通告する様子を記録した映像だ。撮影後、屋久島ポストは議会の取材拒否問題を伝える記事を写真と動画つきで複数回にわたって掲載。石田尾議長が「議長権限」だけを主張して、恣意的な理由で取材拒否を続けている状況を伝えていた。
屋久島ポスト編集員会は「条例に基づき開示された行政文書を報道した。石田尾議長の主張は情報公開という制度の趣旨をねじ曲げるもので、議会人として考えられない主張だ。報道機関に対する圧力で、プレスの自由を侵している」と主張している。
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動画の削除を要求するということは、議会でのご自分の発言が恥ずかしい内容だと認めてのことなのでしょうか?
公開が原則の議会について、その事実を報道しており、何にも恐れることははありません。
貫いてください。
情報公開請求して開示された町議会の一般質問の様子を撮影した動画を公開したことが、どうして著作権法違反になるのでしょうか?
一体「著作権法」の第何条に違反しているのでしょうか?根拠をお示しください。
参考までに、「著作権法」のコピーです。第一条には法の目的が規定されています。
第一条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
私が言うまでもなく、議会は「屋久島町議会会議規則」第96条及び第97条に規定されている「秘密会」以外は公開が原則のはずです。
さらに言うと、地方議会議員は特別職の地方公務員ですので、いわゆる公人に該当します。
公人は、私人と違ってプライバシーや肖像権、その他に制約を受けていることも事実ですので、くれぐれも肝に銘じて忘れることのないようお願いします。
最後に、石田尾議長は議長就任時のあいさつで、開かれた議会を目指すと言っていたと思うのですが、「屋久島ポスト」に対する言動を見ていると、それとは正反対のことをしているように思えてなりません。
議長権限を振りかざすだけでなく、法令に則った町民のための議会運営を行うよう要望します。