意図的な無効入札 事情聴かずに建設費予算案 採決へ 新ごみ処理施設建設
町「川崎技研への質問内容が決まっていない」
価格競争なく決まった建設費 常任委員会での予算審議を省略
屋久島町が公開した新ごみ処理施設の完成イメージ図(町報やくしま 2023年2月号より)
屋久島町の新ごみ処理施設の建設業者を決める一般競争入札で、落札する意思がない川崎技研(本社・福岡市)が入札への参加を辞退せず、事前公表された予定価格を約15億円上回る無効な入札をした問題――。
複数の町議からこの問題の調査を求められている町が3月6日までに、川崎技研への聴き取りを実施していないことがわかった。翌7日に開会する町議会3月定例会で同施設の建設費を盛り込んだ補正予算案が提案され、常任委員会での審議を省略して即日採決されるが、無効入札の理由を聴かないまま予算が成立する可能性が出てきた。
町に調査の実施を求めている真辺真紀町議よると、同施設を所管する生活環境課は3月6日時点で川崎技研に聴き取りを実施していない。荒木耕治町長ら幹部は聴き取り調査をする意向だが、川崎技研への質問内容が決まっていないため、3月定例会の開会には間に合わないと、同課から説明を受けたという。
価格競争なく 予定価格とほぼ同額で落札
問題の入札は昨年11月に実施され、川崎技研とテスコ(本社・東京都)の2社が参加した。
事前公表された予定価格(税抜き)の24億6100万円に対し、川崎技研はそれを約15億円上回る39億5000万円で入札。予定価格を超えた入札は無効になることを知ったうえで、意図的に高額の入札をして、自ら競争することを放棄した。一方、テスコは予定価格とほぼ同額の24億4870万円(落札率99.5%)を提示し、価格競争を一切することなく建設業者に選ばれた。
公取委「入札業者に事情を聴く必要がある」
この入札を受けて、公共事業の談合などを調査する公正取引委員会に真辺町議が経緯を説明したところ、官房総務課の担当者が「競争が働いたと言い切れない」と指摘。さらに「町は入札業者に事情を聴く必要がある」との見解を示したため、真辺町議らが町に川崎技研への聴き取り調査の実施を求めていた。
町は3月7日の同定例会で、新ごみ処理施設の建設費の一部となる5億5000万円を盛り込んだ2022年度一般会計補正予算案を提出。町議会は常任委員会での予算審議を省略して、即日で同予算案を採決する。
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