「言いたい放題」認めた形ばかりの議長注意【検証・岩山討論】(9) 屋久島町新ごみ処理施設

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石田尾議長「岩山議員、個人的なことは攻撃してはダメです」と注意 ➡ それでも個人攻撃の発言は議事録に記録
検証)石田尾議長①
屋久島町議会の石田尾茂樹議長


 屋久島町の新ごみ処理施設の建設費をめぐる3月議会の予算審議で、同町議会の岩山鶴美町議は、自分とは異なる意見や行動を名指しで否定、批判する「個人攻撃」をしたとして、石田尾茂樹議長から厳重注意を受けた。

 町議会の存在意義は、町民からの多種多様な意見を集めて議論することだが、今回の岩山町議の討論は、言論の府である屋久島町議会を否定するものといえる。

   この問題を検証する連載の9回目は、討論の冒頭から個人攻撃を続けた岩山町議の発言を許して、最後の最後になって形だけ注意した石田尾議長の議会運営について考えたい。

    

 あらためてだが、自分とは異なる意見の議員を非難し続けた「岩山討論」の核心部分を振り返ってみたい。

 まずは、12月議会で同施設の工事請負契約を承認した一方で、3月議会で予算案に反対する複数の議員に対して、「辻褄が合わないですよね」「議員としておかしな発言ではないですか?」「今さら意味がわかりません」と、執拗に批判ばかりを連発。

 続いて、同施設の入札について、公共事業の談合などを調査する国の調査機関である公正取引委員会に見解を求めた真辺真紀議員らに対して、「あなた方が電話をして、さらに動いているということですけれども」「おかしいことがあれば、公正取引委員会がやるべきではないですか」と、見当違いも甚だしい主張を展開。

 そして極めつけは、反対する予算案のなかに別の事業費も含まれていることを踏まえ、反対する真辺町議に対し、「それもすべて否決するわけですから、その覚悟はお持ちでしょうか」と、一人の議員を槍玉に上げた。

学級会でもあり得ない「岩山討論」

 こんな個人攻撃に終始した討論は、小中学校の学級会でもあり得ないだろう。もし、こんな批判ばかりをする児童や生徒がいれば、先生がすぐに発言を止めて、大目玉を食らわすに違いない。

 ところが、今回の屋久島町議会では、議会運営に責任をもつ石田尾議長は、岩山町議の発言を制止することはなかった。そして、石田尾議長は討論の内容を事前に知っていたのか、岩山町議の「言いたい放題」をほぼすべて聞き終える絶妙なタイミングで、こう言って注意をした。

「岩山議員、個人的なことは攻撃してはダメです。議会のなかで。注意いたします」

 だが、岩山町議の発言は訂正も取り消しもされることなく、町議会の議事録にはしっかりと記録される。つまり、この小中学校の学級会でもあり得ないような「岩山討論」を、石田尾町議は議会内の発言として認めたということである。

言論の府にふさわしくない議長

 議長席からの注意も形だけだった。批判の集中攻撃を浴びている真辺町議が発言の最後の部分を聞いて、「これは討論ではない」と抗議したこともあり、石田尾議長はやっと制止した。さすがに言わせ過ぎてしまったから、最後に注意した方が無難だと判断したのだろう。

 今回の岩山町議の発言は、言論の府である町議会にふさわしくない討論だった。そして、この岩山町議の言いたい放題を認めた石田尾議長は、それに輪をかけて、言論の府にふさわしくない議長であろう。

【動画】屋久島町議会の予算審議で、特定の個人を攻撃する討論をしたとして、議長から厳重注意を受けた岩山鶴美町議(2023年3月24日、屋久島町議会、同町議会YouTubeチャンネルより)


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  1. 救いようが有りません

    呆れた議員の発言で、開いた口が塞がらないとは此の事でしょう。
    議長も同じ仲間ですから、デキレースです。
    執行部も執行部、議会も議会と言ったところです。
    何とかしなければ、我が町は消えます。

  2. 有権者1

    しかしまぁ…屋久島町議会は『猿芝居より無様な【臭い芝居】』ですねぇ。
    上から下まで三文役者揃いだから筋書きもこんなもんでしょう(笑)
    小学校の学級会の方がどれだけ『まとも』だか。
    『同じ穴の狢が連ねる町議会』です、汚いことも平気の平左。
    真面目にやらんで不正は率先してやる、必死に庇う…。
    まともじゃないですよ、屋久島町は。
    こんな無様な自治体など他にあるんですかね?

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