川崎技研、予定価格 引き上げを目的の一つに無効入札 屋久島町新ごみ処理施設建設

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入札不成立で予定価格の再考、入札やり直し「可能性もありうる」と意図的に15億円超で入札

社長が町議の質問状に回答

回答)川崎技研②

屋久島町が公開した新ごみ処理施設の完成イメージ図(町報やくしま 2023年2月号より)

 屋久島町の新ごみ処理施設の建設業者を決める総合評価方式の一般競争入札で、落札する意思がない川崎技研(本社・福岡市)が入札への参加を辞退せず、事前公表された予定価格を約15億円上回る無効な入札をした問題――。

 川崎技研は322日、意図的に無効な入札をした理由について、参加した全社が予定価格を超える金額を提示し、入札が不成立になった場合は、町が予定価格を再考したうえで、入札をやり直す可能性に期待していたことを明らかにした。資材や燃料などの価格高騰で、予定価格内の金額では「原価超過となる状況」だったが、入札のルール上は参加できると判断。川崎技研は町に予定価格の再考を促し、実質的に予定価格を引き上げることを目的の一つにして、入札に参加したことになる。

 この問題を調査している真辺真紀、渡辺千護、小脇淳智郎の各町議3人が連名で出した質問状に対し、川崎技研の田中秀任社長が内容証明郵便を送付して回答した。

赤字で辞退を検討  社員の「後学」のためにも参加

 その回答書によると、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻の影響で、エネルギー価格や各種メーカーなどとの取引価格が高騰し、「当初の想定原価はもとより令和4(2022)9月時点では予定価格での応札でも原価超過となる状況」だったと説明。それを受けて「辞退も検討していた中」で、入札のルール上は予定価格超の金額でも技術審査までは受けられることから、入札参加は「(技術提案書の)作成に携わった者たちへの後学」になると判断した。さらに「万が一入札不落(不成立)となっても、仕様、予定価格等ご再考の上、再公告するといった可能性もありうるのではとの思い」で、辞退をせずに入札に参加したという。

全社が予定価格超なら入札は不成立

 この回答書を踏まえると、入札に参加する前から川崎技研に落札する意思はなく、参加した全社が予定価格超の金額を提示し、入札が不成立になった場合は、町が予定価格を再考したうえで、入札をやり直す可能性に期待していたことになる。つまり、町が公表した予定価格では赤字になるため、実質的に予定価格を引き上げることを目的の一つにして、意図的に無効な入札をしたということだ。

川崎技研、予定価格1.6倍の395000万円で入札

 問題となった入札は昨年11月に実施され、川崎技研とテスコ(本社・東京都)2社が参加した。

   事前公表された予定価格(税抜き)246100万円に対し、川崎技研はその1.6倍となる約15億円超の395000万円で入札。予定価格を超えた入札は無効になることを知ったうえで、意図的に高額の入札をして、自ら競争することを放棄した。一方、テスコは予定価格とほぼ同額の244870万円(落札率99.5%)を提示し、価格競争を一切することなく建設業者に選ばれた。

町長答弁20230307
川崎技研への聴き取り調査について、3月議会の最終日までに実施できるか否か「約束できない」と答弁した荒木耕治町長=手前右(2023年3月7日、屋久島町議会、議会中継モニター画面を撮影)

公取委「競争が働いたと言い切れない」と疑問視

   その入札に公正取引委員会が「競争が働いたと言い切れない」と疑問を呈したことを受けて、真辺町議らは町に対し、町議会3月定例会が開会する37日までに川崎技研への聴き取りを要請。だが、同日までに調査はされず、荒木町長は議会最終日となる324日までの聴き取り実施について、「できるかどうか約束できない」と答弁していた。

川崎技研が辞退すれば入札は中止だった

 屋久島町では、予定価格を事前公表した際のルールとして「建設工事の予定価格の事前公表に関する要領」を定めており、「入札者が2人に達しないときは、入札を中止する」と規定。今回の入札では、落札する意思がない川崎技研が加わったことで、参加が2社となって入札が成立した。

 その一方、もし川崎技研が辞退していれば入札は中止となり、同社が期待していたとおり、町は予定価格の再考を迫られ、入札を再度やり直すことになっていた。

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