厚労省「事実であれば、しかるべき対応」 補助金書類うそ記載問題

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担当課長、荒木町長に「今夏に報告」

荒木町長「早く終わらせろ」 4カ月間、「うそ」を放置 

厚労省は「虚偽の記載なら補助金適正化法上の話になる」、調査へ

この記事のポイント

・荒木町長は問題を把握後も何も対応しなかった

・厚労省は事実を確認する調査に乗り出す

 鹿児島県屋久島町が、同町の水道整備工事で国に補助金の申請をする際に、うその「工事完成日」を文書に記載して
11000万円を受け取った問題をめぐり、同町の荒木耕治町長が問題の工事が実際には終わっていないとの報告を受けたあとも、厚生労働省に報告していなかったことがわかった。工事を担当した町生活環境課の矢野和好課長は、調査報道メディア「屋久島ポスト」(編集・発行:地域メディア・屋久島)の取材(*1)に、荒木町長に対して工事が終わっていないことを「今年の夏ごろ」に報告した、と答えた。町のトップが約4カ月間にわたって問題を放置していたことなる。厚労省は事実の確認を始める。
荒木町長取材2
屋久島町の荒木耕治町長

問題把握後も国に報告せず

 今年3月までに終わっているはずの口永良部島の水道工事が、新年度になっても終わっていない――。

矢野課長によると、その問題を抱えていた生活環境課の矢野課長は今年夏ごろ、その事実について荒木町長に報告したという。すると、荒木町長は「えらぶ(口永良部島)の人に迷惑をかけられない」として、「とにかく早く終わらせろ」と指示を出したという。

 その結果、うそを記載した文書の問題は、約4カ月間にわたって放置されることになった。関係者によると、厚労省にもうその「工事完成日」を記載していた事実を報告していない。

屋久島ポストは、20211110日午前6時現在、町が具体的な対応に乗り出した事実は把握していない。
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長口永良部島の全景。写真中央右の入江に面した本村地区で水道工事が行われた(via WikiMedia Commons, Creative Commons Attribution-Share Alike 4.0)

町長は回答を拒否 「いま協議をしている」
 私たちは118日午後、町役場の2階にある町長室を訪ねた。ところが、応接室には通されず、廊下脇にあるテーブル席で待たされること10分。ようやく荒木町長が現れた。

イスにゆっくり腰かけた荒木町長に「この問題をいつ知ったのですか」と尋ねると、荒木町長は「いま、その日にちを何月何日と、高らかに言うことはできない。そういうことも含めて、いま担当課、あと総務課長も入れて、いま協議をしている。きちんと経緯と経過を、いつ、どうなって、どうなったのか、という協議をいましているところだ。それをきちっとした段階で報告したい」と回答を拒否した。
検査調書2

屋久島町が国に提出した水道工事の検査調書。工事はすべて終わっていなかったが、「契約図書に基づき良好に施工されている。(合格)」と手書きで記載されている

厚労省「確認をさせていただきたい」

 厚労省医薬・生活衛生局水道課の担当者は屋久島ポストの取材(*2)に、「補助事業が終了したことをもって、(自治体からは)実績報告書を上げてもらうことになっている。もし仮に、その内容に虚偽の記載があったとなると、補助金適正化法上の話になる可能性はある。可能性はゼロではない。事実確認をすることが先決だ。頂いた内容が事実であれば、しかるべき対応を取らなくてはいけない。確認をさせていただきたい」と話した。

*1) 取材日は2021115

*2) 取材日は2021119

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