厚労省が補助金1億1000万円を「前払い」 補助金書類うそ記載問題
屋久島町は受給後 4カ月も工事継続
終わらないともらえない補助金なのに……
受給は今年4月
▶この記事のポイント
・厚労省が鹿児島県を通して4月に補助金を町に送金
・工事未完成で補助金受給
・口を閉ざす屋久島町
鹿児島県屋久島町が、同町の水道整備工事で国に補助金の申請をする際に、うその「工事完成日」を文書に記載して補助金1億1000万円を受け取った問題をめぐり、同町がその補助金を受け取った時期が2021年4月だったことが、調査報道メディア「屋久島ポスト」(編集・発行:地域メディア・屋久島)の取材でわかった。関係者によると、実際に工事が終わったのは同年8月下旬で、町は補助金の受給後も4カ月にわたって工事を続けていたことになる。本来なら、工事がすべて終わらないと受け取れない補助金を「前払い」で受け取っていた形だ。
口永良部島の本村港(中央)に面した本村地区で水道工事が行われた(via WikiMedia Commons, Creative Commons Attribution-Share Alike
4.0)
鹿児島県は「2021年4月19日」に町に送金
厚生労働省医薬・生活衛生局水道課によると、厚労省は昨年2020年の9月28日に、鹿児島県を通じて屋久島町に補助金を支払える手続きを完了したという(*1)。その後は、屋久島町からの工事完成の報告を受けて、鹿児島県が補助金を支払うことができる状態になった。
今回の場合、屋久島町は2021年3月19日に工事を終え、その1週間後の26日に工事検査を終えたという、うその「工事完成日」を記載して、鹿児島県に報告した。
書類上は不備がないため、厚労省と鹿児島県は、工事が終わったものだと判断し、その結果、屋久島町に補助金1億1000万円が送金された。
鹿児島県生活衛生課によると、2021年4月19日に屋久島町に送金したという(*2)。
しかし、実際は1億1000万円を受け取った以降も、工事は8月下旬までの約4カ月間続いた。
屋久島町が国に提出した工事の検査調書。工事完成日が「令和3年3月19日」などと記載されているが、実際に工事が終わったのは8月下旬だった
屋久島町「開示請求を」
私たちは町役場にも、いつ補助金1億1000万円を受け取ったのかを尋ねた(*3)。取材に応じた生活環境課の統括係長は、それについて「確認をしてみないとわからない」と言ったが、その場で調べる対応はしなかった。
そして、統括係長は「(公文書)開示請求をしてほしい」と、私たちに言った。私たちの税金の支出が執行された日は秘密でも何でもない。厚労省や鹿児島県が答える程度のことに、屋久島町は口を閉ざした。
*1) 取材日は2021年11月9日
*2) 取材日は2021年11月9日
*3) 取材日は2021年11月8日、10日