町議の3分の2は「発言なし」 補助金申請うそ記載問題
町議10人は50分間、沈黙
議会は「言論の府」と言われているが・・・・・・
補助金申請うそ記載問題について報告があった屋久島町議会の全員協議会(2021年11月26日、屋久島町役場議会棟)
うその「工事完成日」を記載して補助金1億1800万円を国から受け取った鹿児島県屋久島町。同町の荒木耕治町長がうそを記載した事実を認めたのは町議会の全員協議会の場だった。だが、石田尾茂樹議長を除く15人の町議のうち10人はまったく発言せず、約50分を沈黙で通した。「言論の府」と言われる議会の役割は機能しているのか。全員協議会での町議の発言状況をまとめた。
この日の全員協議会では、荒木町長が出席し、初めて自らの口から問題について説明した。
その場で、荒木町長がうその工事報告について知った後も、約7カ月にわたって国に報告しなかったことや、工事が未完成のまま工事請負代金を業者に支払った事実などが、次々と明らかになった。
町議からは「工事が終わっていないのに、工事代を全額支払っているが、これは問題だ」「現場の写真を送ってもらって確認ができたはずで、その辺りに怠慢があったと言われても仕方がない」などの発言があり、町政の責任を指摘した。第三者による調査の必要性を迫る発言もあった。
しかし、こうした質疑や意見を述べたのは、議長を除く町議15人中5人にとどまった。発言をしなかったことについて、この工事の決算を不認定にした決算審査特別委員会に所属する町議は「この件は特別委員会で聞いているので・・・」と話した。だが、荒木町長や担当課長が詳細な経緯を説明するのは、この日が初めてだった。
【発言しなかった町議】(議席番号順、敬称略)=議長を除く
岩川卓誉/内田正喜/小脇淳智郎/中馬慎一郎/相良健一郎/岩山鶴美/榎光徳/緒方健太/高橋義友/岩川俊広
【発言した町議】(議席番号順、敬称略)=議長を除く
真辺真紀/渡辺千護/日高好作/渡辺博之/大角利成
各町議の主な発言要旨(議席番号順、敬称略)
①岩川卓誉
発言なし
②内田正喜
発言なし
発言なし
発言なし
⑤真辺真紀
質問:補助金を受けた全事業で、国や県への報告、業者への支払いで、今回のようなことが慣例化しているのではないか。
日高副町長:他の国庫補助事業等では確認できないので、基本的には、なかったと理解している。
質問:虚偽の調書を出して補助金を得て、業者に終わってもいない工事の代金を払っているのは大罪だ。再発防止策を講じるには、第三者による調査が必要だ。
荒木町長:これを機に職員の襟を正して、きちんとやっていきたい。
質問:町が第三者による調査をしなければ、議会で百条委員会の発議をして、それが否決されれば、司法に頼るという恥ずかしい結果になる。町のなかに自浄作用があるということを町民に示したいと考えている。
荒木町長:先に口永良部島の問題を調査して、その後に町内で何かあれば考えたい。
⑥相良健一郎
発言なし
発言なし
⑧渡辺千護
質問:工事が終わっていないのに、工事代金を全額支払っている。もし、業者が仕事をしなかったり、いなくなったりした場合、責任はどうするのか。すごく大きな問題だ。
矢野課長:不適切な支出であることは事実であり、責任は重く感じている。
質問:町長は工事が遅れたことを知った時に、国と県にはすぐに報告するべきだった。なぜ、すぐに報告しなかったのか。
荒木町長:詳細な状況が分からず、報告できなかった。いろいろと事実を確認して、時間が過ぎたということだ。
発言なし
発言なし
発言なし
⑫日高好作
意見:工事の進捗状況の確認は、担当者が最大にやるべきことで、当たり前のことだ。口永良部島には、町職員も駐在している。せめて現場の写真を送ってもらって確認ができたはずで、その辺りに怠慢があったと言われても仕方がない。
発言なし
⑭渡辺博之
意見:業者が一番悪いと感じるが、やはり行政も含めて同じような責任を持つべきだ。問題だということを自覚するべきだと思う。予算の繰り越しをせず、町は原理原則を忘れて、この問題を起こしたといえる。
⑮大角利成(副議長)
意見:事業管理は会計年度の3月31日までに事業が完了しなければならず、5月31日までは出納整備期間中だ。この問題は、かなり早くから分かっていたようだが、執行部からの報告が遅かった。また、工事が完了していないのを承知しながら、工事代金を支払ったという責任は、当然に取るべきだ。
議事進行
※写真は町報「やくしま」2021年10月号より