ほかの工区でも「うそ」 鹿児島県屋久島町・補助金申請うそ記載問題

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「うその工事完成日」、6~9工区でも

荒木町長「私にも責任はある」 町議会の一般質問で

 鹿児島県屋久島町が同町の水道整備工事で国に補助金を申請する際に、うその「工事完成日」を報告して厚生労働省から補助金を受け取った問題で、問題となった工区以外でも、実際には工事が終わっていないにもかかわらず、町がうその「工事完成日」を記載した書類を厚労省に提出していたことがわかった。12月9日にあった町議会の一般質問で担当の生活環境課長が明らかにした。荒木町長は複数の工区でうその「工事完成日」が記載された事実を知った後も、厚労省に報告していなかったことになり、町トップの責任は不可避な情勢になった。一方、荒木町長は同日の一般質問で、自らの具体的な責任の取り方については明言しなかった。
荒木町長答弁

補助金申請うそ記載問題について答弁する荒木耕治町長。左は日高豊副町長(2021年12月9日、屋久島町役場議会棟)

5工区以外の6~9工区でも「うそ」

 この水道整備工事を担当した生活環境課の矢野和好課長が答弁した。問題の水道整備工事は全部で9工区があり、そのなかの5工区でうその「工事完成日」が記載されていたことは、すでに屋久島ポストの取材で判明している。しかし、その5工区だけではなく、別の69工区でも工事が終わっておらず、厚労省に提出する書類にうその「工事完成日」が記載されていた。

 この日の一般質問で、矢野課長は「(浄水)機器の調整が終わったあと、水を通す通水作業ができないと最終的な工事ができなかった部分がありましたので、5工区以外にも若干(工事が)残っていたことが事実でございます」と答えた。

 町によると、実際の59工区の工事完成日は次の通りだ。年はいずれも2021年。 

5工区95(うその完成日:319日/業者への支払い日:528)=屋久島ポストの報道で発覚

6工区423(うその完成日:319日/業者への支払い日:42)

7工区423(うその完成日:223日/業者への支払い日:316)

8工区423(うその完成日:318日/業者への支払い日:42)

9工区423(うその完成日:318日/業者への支払い日:42) 

検査調書
新たにうその「工事完成日」が記載されたことが判明した工区の検査調書

荒木町長らトップ3が「前払い」決裁

 工事は「331日」までに終わらなければならなかった。厚労省によると、そうしないと補助金の交付が受けられない。

 問題は、工事が終わっていなかったにもかかわらず、荒木町長がうその「工事完成日」が申請の書類に記載された事実を「412日」の段階ですでに知ったということだ。厚労省に報告して手続きを変更すればすむところを、荒木町長は屋久島ポストの報道で問題が発覚するまでの7カ月間も放置し続けた。

 それだけではない。

 荒木町長は、上記の5工区については、工事が依然として終わっていなかったにもかかわらず、業者に対して工事請負代金を「前払い」する支出命令書にはんこを押して、決裁していたのだ。その命令書には、荒木町長だけでなく、日高豊副町長、総務課の鎌田勝嘉課長の印鑑もあった。町のトップ3が「前払い」にGOサインを出していた。

町長、「不適切な支出」「結果として誤り」

 また、この日の一般質問で、工事が終わっていないにもかかわらず、業者に工事請負代金を支払ったことの違法性を問われた荒木町長は、「地方自治法232条の4に違反する結果となったのは事実であり、不適切な支出だった」。さらに、国から前払いの形で補助金の交付を受けた点については、「結果として誤りで、この事実をいま重く受けている」と答弁した。

 一方、うその報告を国にした事実について、荒木町長は「私にも責任はある」と述べたが、具体的な責任の取り方について明言しなかった。加えて、この問題を調査する第三者委員会の設置については、「今は考えていない」と答弁した。


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