焼酎の贈答 215 万円の9割を特定の1店舗で集中購入 屋久島町長交際費問題

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優先販売する特定銘柄が理由

町「今後は町内の店舗から幅広く依頼する」

町役場と焼酎
【上】屋久島町役場
【下】荒木耕治町長が国会議員や鹿児島県知事らに贈答した焼酎


 屋久島町の荒木耕治町長が自身の裁量で支出できる交際費を使い、過去
5年間に多額の贈答品を贈っていた問題をめぐり、贈答した焼酎の約9割を町内にある特定の店舗で購入していたことがわかった。金額ベースでは総額約215万円のうち、約196万円分が1店舗に集中しており、入札などを伴わない地方自治体の発注としては、極めて偏った購入だ。町総務課はその店舗が優先的に販売する特定銘柄があることなどを理由にしているが、今後は「町内の商店を幅広く選んで依頼したい」としている。


A店で約196万円分を購入 次ぐB店は約15万円

 屋久島ポストが開示請求した交際費の支出記録によると、20172021年度の5年間で、荒木町長が焼酎を贈答したのは147件、933本で、総額は2154725円だった。そのうち、町内にあるA店からは127件、809本を贈り、購入額は1955839円。全体の約9割にあたる発注がA店に集中していた。そのほかでは、B店が13件、72本、153206円、C店が3件、26本、16400円などとなり、A店への発注が極端に多いことがわかる。

店舗別表

A店、特定銘柄を優先的に販売

 荒木町長は焼酎を送る際に、複数の人気銘柄をセットにして送るケースが多い。そのなかにはA店が優先的に販売している特定の銘柄が含まれており、全贈答数の933本のうち、その約2割にあたる186本を占める。一方、その特定の銘柄以外の贈答数は747本あり、特定銘柄の本数にかかわらずA店に注文が集中している。

三岳原酒
荒木耕治町長が国会議員らにまとめて贈っている焼酎「三岳原酒」。町内にある複数の店舗で購入可能だが、町はA店のみで購入している

町、注文の偏りを是正する方針

 A店における焼酎の購入実績が多い理由について、町総務課は取材に対し、特定銘柄の販売店であることを挙げたうえで、「商品代と地方発送(の費用)をまとめて請求してもらえるため」などと説明する。

 ただ、町内には焼酎を販売する店舗が多数ある。入札などを伴わない地方自治体の発注がA店に集中しているのは、平等性の観点からも問題があるとみられる。その点について、同課は「商品によっては、その商品を(町が直接)購入して、宅配業者に持ち込みを行っている」として、今後は町内の店舗から幅広く購入する方針だという。

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