取材後記

【取材後記】町長と議長、明暗を分けた虚偽発言 /編集委員会

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荒木町長は謝罪と撤回 石田尾議長は「対応しないのも一つの対応」と放置
取材後記20221204

屋久島町の荒木耕治町長(左)と同町議会の石田尾茂樹議長

 もし、子どもたちが嘘をついてしまい、あとでそれをみんなが知ることになったら、おとなたちはどう助け舟を出してあげればいいのか。

 「正直に本当のことを言って、その理由を話して、みんなにあやまろうね」

 そう言ってあげるのが、子どもたちを救うことになるだろう。わざとついた嘘でなくても、しっかり説明して謝るように促すことで、子どもたちは正しい道を踏み外すことはない。

荒木町長は謝罪と撤回で問題解決

 大のおとなには恐縮だが、その意味では、荒木耕治町長は救われた。

 森山裕衆院議員に多額の贈答をしていたにもかかわらず、その事実を伝えた屋久島ポストの報道を「想像でしかない」と議会で否定。だが、それが虚偽答弁だと指摘されると、「配慮を欠き申し訳ない」と謝罪して、答弁を撤回する意思を示した。

 屋久島ポストとしては、自身の報道が正しいと証明されれば、それ以上は何も求めることはなく、この問題はこれで一件落着となる。


石田尾議長は「悪いおとな」の典型

 その一方で、屋久島町議会トップの石田尾茂樹議長は最悪の道をたどっている。

 町幹部による一連の出張旅費不正精算をめぐり、旅行会社の元社員が意図的に虚偽領収書を発行したとする証言を強要されたと庇い、不正調査の百条委員会設置案に反対。だが、実際には元社員は虚偽領収書を乱発していて、証言の強要もなかったことが判明したのだが、自身の虚偽発言について謝罪することなく、そのまま放置しているのだ。

 さらに質が悪いのは、関係する町民から指摘を受けた石田尾議長が事情説明を拒否していることだ。町議会では「個人で対応する」と約束しておきながら、町民には「もう議事録は訂正できないから対応しない」「対応しないのも一つの対応だ」と強弁して、説明責任から逃げ回っている。

 「あんな、おとなになっちゃダメだよ」

 子どもたちにそう言って聞かせる、「悪いおとな」の典型である。そして、その反面教師を地で行くおとなが町議会の議長ともなれば、この町の将来を背負って立つ子どもたちに対して、計り知れない悪影響を与えることは明らかだ。

 ここまで悪質な嘘と比べると、潔く発言撤回の意思を示した荒木町長が「立派なおとな」に見えてくるから不思議である。

 ぜひ、石田尾議長にも町長を見習ってほしいところだが、どうなるだろうか。


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  1. 我が町の不幸

    人を評価する資格は私には無いかもしれないが、記事を見る限りでは、荒木町長は全くといいくらい、首長には不向きである。
    しかし、人間的には若干ではあるが、育ちの良さを感じる。
    一方、議長には性格の横着さが、そのまま出ているように感じる。
    こちらは、議会の長としては不向きであるというよりは、失格である。
    このようなトップをいただく我が町は不幸である。

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