町、業務委託➡雇用契約 変更後も長時間労働を放置 屋久島町営牧場 過重労働死問題

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元同僚「ほぼ年中無休の状態」
町「事実ではない」 地方公金災害補償基金「町は業務命令権者として勤務時間を管理していない」

過重労働による公務災害と認定

業務委託問題20230318⓶

 2019年8月に屋久島町営牧場で男性職員(当時49)が公務中に死亡し、その3年半後の今年2月に過重労働による公務災害と認定された問題――。

 公務災害が発生する数年前まで、職員と屋久島町の間では雇用契約が結ばれておらず、業務委託の形で牧場作業が行われていたことがわかった。

 だが、少なくとも亡くなる1年前には雇用契約に切り替わり、職員は「週40時間、週休2日」の労働条件で町と契約。その後も労務管理が不要な業務委託と同様の長時間労働が続いたが、町は予算や労働基準法の条件に合わせる形で、勤務記録の労働時間を167時間に改ざんするよう指示していたとみられる。

元同僚「町は勤務時間などを一切把握していない」

 公務災害を認定した地方公務員災害補償基金が遺族に開示した文書などによると、職員と一緒に働いていた元同僚は同基金の鹿児島県支部に陳述書を提出し、職員が亡くなる数年前までは町と業務委託契約を結んで牧場作業にあたり、「町は勤務時間などを一切把握しておらず、私達2人の自由裁量に任されていた」と説明。そして、20184月の段階では業務委託から雇用契約になっていたが、1日の労働時間は十数時間で、「ほぼ年中無休の状態が続いていた」と訴えた。

町、長時間労働が「常態であったとの認識は全くない」

 それに対し町は、長時間の労働について「事実ではない」と反論した。定期的に休暇が取れず、1日の労働時間が十数時間になることがあったかもしれないが、「それが常態であったとの認識は全くない」と主張。休暇を取っていることについては、「出勤簿等で確認している」とした。

遺族、産業振興課長が労働条件を改善しなかったと反論

町の反論を受け、職員の遺族は20224月、同基金の鹿児島県支部に意見書を提出。「休日の朝も出勤するのが常態化し、完全な休みはなかった」が、牧場を所管する町産業振興課の係長からの指示で、労働時間を「週40時間以下になるよう記録を調整していた」と反論した。

 さらに遺族は、職員が亡くなる約4カ月前の20194月に、職員の元同僚が産業振興課長と面談をして、労働条件の改善を求めたと説明。それに対し、課長は「正しい労働対価を支払うべきなので、対処する」「他の職員を派遣する等検討するが、休みは取ってくれ」と答えたが、いずれについても、その後に改善されることはなかったと主張した。

地方公務員災害補償基金「本人の業務負荷は相当程度に強度」

 遺族と元同僚の主張を踏まえて、同基金の鹿児島県支部は20232月、町の労務管理について、「時間外勤務が生じないことが所与の前提となっており、また、時間外勤務を含めた業務配分を現場の職員に任せ、そもそも業務命令権者として主体的に勤務時間を管理する体制になっていなかった」と判断。さらに、暑い夏の時期における連日の屋外作業で「本人の業務負荷は相当程度に強度であった」として、過重労働で心筋梗塞を発症したことによる公務災害と認定した。

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  1. 人の心を取り戻して下さい

    公務災害と認定されても尚自分達の非を認めようとしない、君たちには人間としての心は無いのかと質したい。
    明らかに荷重労働であつたことは、本人の勤務記録や、職員の増員を要請した事実からも明白である。
    我が身に置き換えて考えてみなさい。
    とても人間業では有りません。

  2. ほぼ

    人の命を守れなかったといえるような実態に、自分らの保身を謀る発言。
    遺族にどんな顔で詫びたのか。

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