【Key Word】被疑者の同意が必要な「略式起訴」 屋久島町議アパート廃材・投棄焼却事件

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検察、廃棄物処理法違反の罪で略式起訴 一方、岩山町議は「略式起訴に同意していない」
KY略式起訴
【左】屋久島町議会の石田尾茂樹議長【中】岩山鶴美町議が投棄した廃棄物(2020年9月14日、町民提供)【右】不法な投棄焼却についての取材を拒否する岩山鶴美町議(2022年1月25日)

 
屋久島町議会の岩山鶴美町議(66)が自身で経営する賃貸アパートのリフォーム廃材を不法に焼却したとして、廃棄物処理法違反の罪で略式起訴された問題をめぐり、岩山町議は81日、屋久島ポストの取材に対し、略式起訴には同意していないと答えた。

もし、この発言が事実であれば、岩山町議に略式命令で罰金が科せられることはなく、起訴されて刑事裁判に出廷しなくてはならない。なぜなら、検察官が略式起訴の判断をした際には、必ず被疑者の同意を得たうえで、同意書に署名と捺印をするように求めるからだ。

被疑者の同意、100万円以下の罰金で略式起訴が可能

 そこで、「略式起訴」をキーワードにして、通常の「起訴」との違いを調べてみたい。

 まず略式起訴は、検察官が罪の事実を認定したのちに、公開の刑事裁判を開かずに、書面の審理だけで処分すると判断した場合に決定される。要件としては、簡易裁判所が担当する事件で、100万円以下の罰金または科料が科せられるケースに限られる。

 そして、略式起訴を決定するうえで、最も重要なのは、検察官が被疑者の同意を得るということだ。被疑者は検察官から説明を受け、略式起訴の決定に納得した場合は、同意書に署名と捺印をする。略式起訴になれば、被疑者は公開の刑事裁判に出廷する必要はなく、書面の審理だけで簡裁から罰金の略式命令を受けることになる。

同意なければ起訴され刑事裁判に出廷

 その一方、もし略式起訴に同意が得られない場合は、検察官は被疑者を起訴して、公開の刑事裁判で処分を決定する。被疑者は被告人となって出廷し、無罪や情状酌量を訴えて、検察側と争うことになる。

 つまり、略式起訴と起訴の最も大きな違いは、被疑者の「同意」があるか否かということである。

事件に関する質問を排除する石田尾議長

 略式起訴に同意していない――

 岩山町議は取材にそう答えたが、果たして本当なのだろうか。これまでの屋久島ポストの取材で、岩山町議が略式起訴されことは明らかになっている。そして、近く屋久島簡裁から略式命令が出されれば、岩山町議に対する罰金の金額が判明する見込みだ。

 81日にあった全員協議会で、石田尾茂樹議長は複数の町議に対し、岩山町議に質問することを制止し、まだ「通知が来ていない」として、この不法投棄焼却事件を全協の議題にすることを認めなかった。だが石田尾議長は、岩山町議が検察の事情聴取を受けたことを把握しており、その内容を本人から聴き取れば、岩山町議が略式起訴に同意したのかどうかは、容易にわかるはずである。

 いずれにしろ、近く「通知」が届けば、事実が明らかになる。そして、もし罰金の略式命令が出たら、岩山町議が虚偽の説明をしたということになる。

●法律事務所の参考情報


●【動画】で検証 岩山鶴美町議の議会発言 犯罪性を認識

「不法投棄は犯罪に当たる」「世界に通じるきれいな屋久島を」… その1年後に廃棄し焼却
2022年3月10日配信



【動画】2019年9月の屋久島町議会の一般質問で、ごみのポイ捨てや不法投棄に罰金を科す条例制定の提案をした岩山鶴美町議



■岩山町議の不法投棄 関連記事一覧


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  1. 安房よかにせ

     私は、8月2日のコメントで「検察官が略式起訴してから14日以内に、裁判所が略式命令を発する流れになっています」と書きましたが、2週間から1か月前後で、裁判所から自宅に略式命令が届くと書いている弁護士事務所のサイトもありますので、ひょっとしたら岩山町議の自宅に略式命令に関する書類等が、まだ届いていない可能性もありますね……?
     
     ただし、同意書の署名・捺印については、岩山町議は、本当のことを言っていません。彼女が同意書に署名・捺印をしたからこそ、検察は、略式起訴の請求ができたのです。
     ところで、略式命令を受けた者は、刑事訴訟法第465条の規定により略式命令を受けた後でも正式裁判を受ける道が残されています。
    正式裁判申し立ての期限は、略式命令謄本を受け取った日の翌日から起算して14日間です。この期間、被告人・検察官が申し立てをしないか、申し立てを放棄、取り下げるなどした場合は判決が確定します。
    その日は、今月の第3週くらいになるのではないでしょうか。
     
     判決が確定したら、岩山町議は、略式命令に記載された金額を国(検察庁)に納付しなければなりません。

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