【取材後記】馬には申し訳ない石田尾議長の「馬耳東風」 屋久島町議アパート廃材・投棄焼却事件

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罰金50万円で有罪の現職町議に「何も対応しない」

コンプライアンス研修に聞く耳持たず
取材後記20230820

【中央】町議の発言を制止する石田尾茂樹議長【左】岩山鶴美町議が投棄した廃棄物(2020年9月14日、町民提供)【右】岩山町議が廃棄物を焼却した現場(2021年1月5日、同)

 馬耳東風、馬の耳に念仏――

 これらは、人からありがたい話を聞いても、まともに耳を傾ける気がなく、まったく効果がないことを例える表現だ。いささか馬には申し訳ないが、この例えを地で行くのは屋久島町議会の石田尾茂樹議長だろう。

 屋久島町議会の岩山鶴美町議(66)が自身で経営する賃貸アパートのリフォーム廃材を不法に焼却したとして、廃棄物処理法違反の罪で罰金50万円の略式命令を受けた事件をめぐり、石田尾議長は818日、岩山町議に対して議会としては何も対応しないことを明らかにした。そのつい半月前に受けた議員研修で、住民代表の議員が不祥事を起こしたら、議会のトップである議長が中心になり、議会の信用回復に努める必要があると聞いたばかりだったのに、一体どういうことなのか?

不祥事には「議長声明」「問責・辞職勧告決議」

 その議員研修「自治体議員に求められる『コンプライアンス』とは」は81日に町議会であり、岩山町議を含む全町議が参加した。研修会場の最前列には石田尾議長が座り、議員が不祥事を起こした際の対応として、次のことを学んだ。

・議員の不祥事が発覚したら、すみやかに議長声明を出すなどして、議会としての認識を表明する。

・続いて、特別委員会などで不祥事に対する調査と認定をして、問責決議や辞職勧告決議などを提案する。

・これら一連の対応では、議長のリーダシップが重要で、議長を中心に全議員が一体となって対処することで、議会の「自律権」が広く認められる。

有罪の町議を不問にする屋久島町議会

 それにもかかわらず、現職町議による不法投棄焼却事件に対して、なぜ石田尾議長は何も対応しないのか。817日に新聞で報道されたことを受けて、岩山町議から申し出があり、828日の全員協議会で事情説明をするというが、もし報道がなければ、おそらくその説明すらしなかったに違いない。

 つまり、屋久島町議会では、町議が不祥事を起こしても、すべてを不問にするということだ。今回は50万円の罰金命令が出て、岩山町議の有罪が確定しているのに、それでも見て見ぬふりをしているのである。

石田尾議長、虚偽の「許可」を理由に陳情を門前払い

 この事件を振り返ると、石田尾議長はなりふり構わず岩山町議を庇ってきた。

 20218月の町議会では、岩山町議に対する聴き取り調査を求める陳情書が町民から出されたが、町議会の議会運営員会はその陳情を門前払いして、町議会に提案することすらしなかった。その際、石田尾議長は岩山町議が「許可」を得ていたことを理由に、陳情書の却下を求めた。しかし、法律が禁じる廃棄物の投棄と焼却に対して、県や町から「許可」が出るわけがない。実際には、岩山町議は「許可をもらっていた」と虚偽の説明をしていたのだが、陳情書が却下されたのちに、その虚偽説明の事実が発覚しても、石田尾議長は何も対応せずに放置した。

「ごみポイ捨てに罰金を!」の議会動画は削除

 20223月には、岩山町議が不法投棄をする1年前の20199月の町議会一般質問で、ごみのポイ捨てにも罰金を科する条例を提案した際の議会動画について、屋久島ポストが報道公開したところ、石田尾議長は記事の削除を求めてきた。理由は「著作権法に違反している」だったが、屋久島町民の公費を使って撮影され、町の条例に従って開示された動画を報道目的で公開して、「違法」になるわけがない。

 ところが、岩山町議の動画を公開したすぐ後に、これまで記録されてきた議会動画について、そのすべてを議会事務局が削除してしまった。理由を聴くと「すでに議事録が作成されているので」というのだが、果たして本当なのか。削除された動画のなかには、201912月の町議会で、荒木耕治町長が初めて出張旅費の着服を指摘された時の記録も含まれていた。議会事務局の職員が自身の判断で削除するはずはなく、おそらく石田尾議長が削除の指示を出したのだと思われる。

岩山町議の代弁をして質問は排除

 そして、議員研修があった今年81日の全員協議会では、岩山町議に事情を聴こうとした複数の町議に対して、石田尾議長はその質問を認めずに排除した。理由は「(罰金命令の)通知が来ていない」だったが、その時点で岩山町議は略式起訴されており、罰金の略式命令を受けることに同意していた。そうであれば、岩山町議は自身の口から事情を説明するべきだが、検察の事情聴取を受けたことなどを石田尾議長が代わって報告し、岩山町議が矢面に立たないように守り切った。

 重ねて馬には申し訳ないが、これら一連の経緯を踏まえると、議員研修を受けた石田尾議長の振る舞いは、だれがどうみても「馬耳東風」そのものである。

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  1. 安房よかにせ

     屋久島ポストさん、読み応えのある記事をありがとうございます。
    石田尾茂樹議長は、若いころは旧上屋久町役場の職員でした。がしかし、おそらく役場職員時代に公僕の意味を深く考えたことはなかったのでしょうね……?
     参考までに、日本国憲法第15条第2項は、公務員について以下のように規定しています。
    「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」
     現在、公職についている方々には、一般職・特別職に関わらず、肝に銘じていてほしい条文です。
     その石田尾議長ですが、開かれた議会とは真逆の上から目線の議会運営は目に余るものがあります。
    どなたかもコメントしていましたが、町長と議長に近い数名の議員を守るために、議長権限を振り回しているのが手に取るようにわかります。これを「議会の私物化」と言わずして何をかいわんやです。
     このような現状を、主権者である我々町民は決して許すことはできません。即刻の議長職からの退陣を要求します。
     最後に、岩山鶴美町議ですが、議員辞職は考えていないようですね。8月25日に開会する議会定例会に、以下のような一般質問の通告をしています。
    http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/t_yakushima/wp-content/uploads/2023/08/f8f52c498a4543da1323e27ebebc356d.pdf

  2. 有権者1

    石田尾さんは議長どころか議員としても相応しくないと思います。
    議長議員本来の責務職務を完全に理解していない。
    個人的主観で岩山町議を擁護している(反面、町民に対しては門前払い)
    どんな気持ちで議長をされてるか存じませんが『人には分相応、適材適所』があるのです。
    公金着服横領、法令違反の前科者、町民からの陳情書却下…話になりません。
    安房よかにせ さん
        諺は理解できますが『馬と同等にしては馬に失礼』かと思います。

  3. 不正炎上火消し役

     石田尾議長は、一連の旅費不正問題を議会が独自に調査する百条委員会発議案をこれまで一貫して反対してきた。
     また、虚偽領収書を多数発行していた元旅行代理店店長の取材のあり方をめくって起こった告発原告団に(現職議員でありながら)名を連ねていた。 
     岩山議員の問題に関しても、初めから火消し役に徹しているように見える。
     せっかく、タイムリーなコンプライアンス遵守研修を受けていても、耳を傾ける訳がない。彼には不正や不祥事の火消し役ミッションがあるのだから。
     

  4. 間違いの多い議長と議員たち

    ある程度の予想はしていたが、ここまで無能で間違った形で議長権限を振り回すとは驚きである。
    もう一度、議員とは、議長職とはと、新人の時に返って勉強し直す必要がある。
    いつも思うことではあるが、今の首長が今度の選挙で他の3人の新人候補の誰かに代わったら、議会がどのような状態になるのか見極めたいものである。
    屋久島行政の正常化の為にも、新人候補者には頑張って欲しいものである。

  5. 有権者1さんへ

     ここは屋久島ポストのブログです。
    他人のコメントに、いちいちコメントするのはやめにしませんか。
    <安房よかにせ さん
    諺は理解できますが『馬と同等にしては馬に失礼』かと思います。>
    言っていることが、私には理解できません。
    「馬耳東風、馬の耳に念仏――。
     これらは、人からありがたい話を聞いても、まともに耳を傾ける気がなく、まったく効果がないことを例える表現だ。いささか馬には申し訳ないが、この例えを地で行くのは屋久島町議会の石田尾茂樹議長だろう。」
     この部分を指しているのであれば、私が書いたものではありませんので、念のため……

  6. 有権者1

    安房よかにせ さん
    大変失礼致しました。
    ブログ記事を勘違いしました。
    お許し下さい。

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