【取材後記】石田尾議長へ、それでも廃棄物を焼却した現職町議を擁護しますか? 屋久島町議アパート廃材・投棄焼却事件
屋久島町議会は岩山町議の略式起訴にどう対応するのか?
2021年8月、岩山町議「許可を得ていた」と虚偽説明 ➡ 石田尾議長ら、虚偽説明を鵜呑みにして調査求める町民の陳情書を門前払い
【左】屋久島町議会の石田尾茂樹議長
【右】不法な投棄焼却についての取材を拒否する岩山鶴美町議(2022年1月25日)
屋久島町議会の岩山鶴美町議(66)が7月21日、廃棄物処理法違反の罪で略式起訴された問題を受けて、同町議会の対応が注目される。
今回の事件は、単に現職町議が有罪となっただけではなく、岩山町議が廃棄物を不法投棄する1年前の町議会で、ごみのポイ捨てにも罰金を科する条例を荒木耕治町長に提案していたという経緯がある。岩山町議は、子どもを含めてペットボトルや空き缶などを捨てる町民が多いと批判したうえで、罰金を科する条例で町民の意識を高めて、「世界に通じるきれいな屋久島を、大人も子どもも目指していきましょう」と訴えていた。
屋久島町民に対する背信行為
それにもかかわらず、岩山町議は自身が経営する賃貸アパートのリフォーム廃材を不法に投棄して、焼却処分までしていた。<町議会での発言>と<自身の行い>がこれほど乖離しているようであれば、もはや町民の代表が務まるとは思えない。さらには、岩山町議は子どもも含めた屋久島町民を強く批判して、罰金つき条例の制定を求めている。今回の略式起訴は、岩山町議を町議会に送り出した屋久島町民に対する背信行為であり、すぐにでも議員辞職をするべき事件である。
【左】岩山鶴美町議が投棄した廃棄物(2020年9月14日、目撃町民提供)
【右】廃棄物が焼却された現場(2021年1月5日、同)
岩山町議を一方的に庇う議会運営委員会
一方、この岩山町議に対して、これまで屋久島町議会は擁護する対応を続けてきた。2021年8月の町議会には、この問題について、議会による聴き取り調査を求める陳情書が町民から提出されたが、議会運営委員会は陳情書を受け付けることすらせず、門前払いで却下をしている。
その先頭に立ち、岩山町議を全面的に擁護してきたのは、現議長の石田尾茂樹町議だ。
陳情書の取り扱いを協議した議運で、石田尾町議は「先ほど(岩山町議)本人が説明したが、(町から)許可を得ていたということで、厳重注意に終わったということであれば、この陳情を取り扱うことに賛成しがたい」と主張した。
それに続いて、元議長の日高好作町議も「一部燃やした行為は本人も認めているけれど、警察の捜査は受けたが、不法投棄に当たるのかどうかと思う。ちゃんと許可を得ていた点では、問題があるとは思わない」と、石田尾町議に同調した。
町生活環境課長「許可を出した事実はない」
ところが、実際には岩山町議は町から「許可」を受けていなかった。当時の取材で、屋久島ポストが町生活環境課長に確認したところ、「町として許可を出した事実はない」と否定した。つまり、岩山町議は議運で虚偽の説明をしていたということである。
それを受けて、石田尾議長は取材に「委員会の休憩中に岩山町議から『許可をもらっていた』と言われた。許可の内容まで説明された記憶はないが、許可を受けていること自体は、同僚議員の言っていることなので信じた」。さらに、日高町議は「どんな説明だったか、今では記憶が定かでない」と回答。石田尾町議と日高町議は、岩山町議の虚偽の説明を鵜呑みにして、町民からの陳情書を一方的に却下していたのである。
注目される石田尾議長の議会運営
そして今回、岩山町議は廃棄物処理法違反の罪で略式起訴され、近く裁判所は略式命令を出して、岩山町議に罰金の納付を求めることになる。罰金の金額が判明すれば、在鹿児島の報道各社は、世界自然遺産・屋久島の町議による廃棄物の不法焼却事件として、県内外に広くニュースを配信するとみられる。
次の町議会定例会は8月22日に開会する予定で、この不法投棄焼却事件は避けることができない案件となる。これまで岩山町議を庇い続けてきた石田尾議長がどのような議会運営をするのか、多くの町民が注目している。
●【動画】で検証 岩山鶴美町議の議会発言 犯罪性を認識
「不法投棄は犯罪に当たる」「世界に通じるきれいな屋久島を」… その1年後に廃棄し焼却
2022年3月10日配信
【動画】2019年9月の屋久島町議会の一般質問で、ごみのポイ捨てや不法投棄に罰金を科す条例制定の提案をした岩山鶴美町議
■岩山町議の不法投棄 関連記事一覧
岩山鶴美町議の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」違反問題について、私は、2022年2月18日屋久島ポストに、以下のようにコメントしました。
● 許可をもらっているは通用しない
岩山町議は、町生活環境課長から許可をもらったと言っているようですが、法律が廃棄物を捨てること及び焼却することを禁止しているわけですから、地方自治体である屋久島町に許可を出すなどの権限はないと考えるのが普通でしょう。そもそもこの事に関して、許可や不許可など存在しないのです。
屋久島町の公式ウェブサイトも野焼きの「許可」はできません、と書いていますのでご覧ください。
http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/living/dust/noyaki/
そこで、当時の議会運営委員会における石田尾茂樹委員(当時)、日高好作委員の「町から許可を受けていたから問題ない」発言ですが、この二人がいかに法令の勉強をしていないかを露呈した一コマですね。
当時、岩山鶴美議員もこの議会運営委員会のメンバーだったようですが、この会議に同席ししています。当事者が、この種の会議に出席することに問題はなかったのか、以下をご覧ください。
「委員長及び委員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、その議事に参与することができない。ただし、委員会の同意があったときは、会議に出席して、発言することができる。」(屋久島町議会委員会条例第16条)
公務員の仕事は、法令を執行することです。法令を知らないことには、町長の業務執行を監視するという議会にとって一番の役割は果たせませんよ。
所詮その程度の知識しか有りません。
こんな議員達がこの町の未来を決定して居ると思うと恐ろしくなります。