取材後記

【取材後記】うそを覆い隠す町長の発言/編集委員会

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杜撰な工事管理が招いた補助金申請うそ記載
取材後記

 補助金申請うそ記載問題を受けて、屋久島町の荒木耕治町長は202112月の町議会で、次のように述べました。

「口永良部島での実施で協力支援が受けにくい状況だったことに加え、新型コロナウイルス感染症の発生など予想できない事案が重なった」

 要するに、水道工事が終わってもいないのに、うその「工事完成日」を厚生労働省に報告したのには、「不可抗力」で「やむを得ない」事情があったというのです。
荒木耕治町長
補助金申請うそ記載問題で、町議会に報告する荒木耕治町長(2021年12月7日)

町の工事管理が杜撰だった

 ところが、この工事に関わった9業者が町に提出した「工事月報」を調べると、本当の理由は、町の杜撰な工事管理にあったことがわかりました。工事の進捗状況を月ごとに報告する月報の提出が途中で止まっていても、町は提出を催促することもなく、そのまま放置していたのです。工事の出来高を「100%」と報告した業者は1社もなく、なかには一度も月報を提出していない業者もありました。
メイン写真)5工区
問題となった5工区の業者が町に提出した「工事月報」。2020年11月分で工事出来高「12.00」%と報告したのが最後で、それ以降は提出がなく、実際に工事が終わったのは2021年9月だった

 工事月報は、税金を使った公共工事を適切に管理するため、町が各業者に提出を義務付けている文書です。町と業者が交わす工事請負契約にも明記されており、全国どこの公共工事でも、当然のごとく業者が提出し、それをもとに行政側が工事の管理をしています。

 つまり、その月報が適切に提出されていないのは、町の工事管理が不適切だったということになります。契約どおりに提出しない業者も問題ですが、提出を催促しない町の姿勢はもっと問題です。さらには、月報で工事管理ができていないのに、国へはうその「工事完成日」を記載した報告書を提出しているのですから、町の責任は甚大です。

このままでは「うそが許される町」に

 2年前、出張旅費の着服問題をめぐり、荒木町長は町議会で虚偽答弁をしたことを認めたうえで、次のように記者会見で述べています。

「自分も冷静さを欠いて、少し感情的になっていたことで、そういう答弁をしてしまったということは事実です」

 しかし、「冷静さを欠いて」「感情的になっていた」からといって、議会で虚偽答弁をしていいはずはありません。そもそも、どんな理由があっても、うそをつくことは許されないのであり、それが町長ともなれば、政治生命が終わるような問題です。
町長会見20191226

出張旅費の着服問題を受けて、町議会で虚偽答弁をした理由を説明する荒木耕治町長(2019年12月26日)

 そして、今回の補助金申請うそ記載問題でも、まったく同じことが言えます。離島で不便であろうと、コロナ禍であろうと、国にうそをついて補助金をもらってはいけないのです。

 町民の代表である荒木町長が、こんな言い訳を町議会や記者会見で続けているようでは、屋久島町は「うそが許される町」として、広く知られることになってしまいます。

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