石田尾議長、取材拒否から許可に一転した理由説明を避ける/屋久島ポスト
屋久島ポスト、議長裁量で約3年半にわたり議会取材から排除 → 4月18日に一転して許可も「コメントは差し控える」

議員席から取材を拒否する理由を問われた後、手を出して町議の発言を制止する屋久島町議会の石田尾茂樹議長=2021年12月7日、屋久島町役場議会棟
屋久島町民が運営する市民メディア「屋久島ポスト」は2021年11月の創刊以来、ずっと屋久島町議会(石田尾茂樹議長)から議場での取材を拒否されてきた。だが、石田尾議長は4月18日、一転して屋久島ポストの「議会取材許可申立書」に対して取材を許可。それを受けて、屋久島ポストは「拒否」から「許可」に判断が変わった理由について、石田尾議長にコメントを求めていた。
理由説明のコメントを渋る石田尾議長
その回答が4月21日に議会事務局を通じてあり、石田尾議長は次のようなコメントをメールで送ってきた。
「今回の申立書を受けて、議会の運営に関する件ですので、傍聴規則第9条の規定により、議長の判断で許可するという意向を議会運営委員会にて伝え、全会一致で許可するに至りました」
しかし、このコメントでは、石田尾議長の判断が一転した理由がわからない。そこで再度、屋久島ポストが議会事務局を通じて、判断が変わった理由を石田尾議長に問いただしたところ、次のコメントがメールで送られてきた。
「これ以上のコメントは差し控えさせていただきます」
つまり、「拒否」から「許可」に変わった理由は、「答えたくない」または「答えられない」ということである。
フリー記者やネットメディアを議会から排除
屋久島町議会傍聴規則では、原則として傍聴席での撮影と録音は禁止されているが、特に議長が認めた場合には許可されており、その規定に従ってマスコミ各社は傍聴席で撮影と録音をしてきた。だが、その一方で石田尾議長は、屋久島ポストも含めたフリーランスの記者や独立系のネットメディアなどの取材は拒否し続けてきた。
石田尾議長の判断は「憲法違反」
取材の可否を決めるのは議長の裁量であっても、その判断には明確な理由がなくてはならない。そして、「議会で取材をしたい」という屋久島町民の求めを約3年半にわたって拒否し続けたのであれば、その判断には法的な根拠が必要になる。
石田尾議長による取材拒否は、「法の下の平等」と「表現の自由」を保障した憲法に反するものだと、屋久島ポストは考えている。それを踏まえ、屋久島ポストは今後も石田尾議長に対して、「拒否」から「許可」に判断が変わった理由について、文書などで問いただしていく。