【取材後記】報道しない「報道機関」に取材を許可する石田尾議長/編集委員会
報道する「屋久島ポスト」だけ、恣意的な根拠で取材拒否
いま開会中の鹿児島県屋久島町議会で、摩訶不思議な状況が続いています。石田尾茂樹議長が「議長権限」だとして調査報道メディア「屋久島ポスト」の議会取材を拒否する一方で、同町議会のニュースを報道しない「報道機関」に取材を認めているのです。
【動画】屋久島ポストの取材を拒否する屋久島町議会の石田尾茂樹議長(2021年12月7日、屋久島町議会)
南日本新聞とMBCだけに取材を許可
同町議会が開会した3月8日、議場の傍聴席には南日本新聞とMBC南日本放送、そして屋久島ポストの記者が取材のために座っていました。ところが、石田尾議長は「日本新聞協会などの加盟社以外は取材を認めない」という個人的な見解で、屋久島ポストのカメラを議場から排除。それに対し、私たちは「憲法21条が保障する知る権利を侵害している」と抗議したうえで、議場外に設置された議会中継のモニター画面の前で取材を続けました。
そして、その後も石田尾議長の取材拒否は続いていますが、屋久島ポストは3月9日~13日の間に以下5本の記事を配信しました。
①鹿児島県屋久島町が補助金返還に応じる方針 補助金申請うそ記載問題
②鹿児島県屋久島町が検討委員会設置 荒木町長「申し開きができないこと」
補助金申請うそ記載問題
③検討委員会の第三者性に疑問指摘 町議会一般質問 補助金申請うそ記載問題
④発覚から2年3カ月 出張旅費不正の監査終了 代表監査委員「3月中に報告予定」
⑤鹿児島県屋久島町、公務出張でのマイル加算を禁止へ
マスコミ2社は何も報道せず
その一方、石田尾議長から取材を許された南日本新聞とMBCは、3月議会について何もニュースを報じていません。ニュースを配信するかどうかは、報道機関の独自の判断になりますが、マスコミ2社が何も報じないなかで、屋久島ポストは計5本の記事を島内外の読者に配信しました。
つまり、マスコミ2社だけに議会取材を許可した石田尾議長は、結果的に屋久島町議会のニュースを広く知らせないという判断をしたことになります。そして、もし屋久島ポストが議会中継のモニター画面の前で取材を続けていなければ、上記5本の記事に盛り込まれた情報は誰にも知られないまま月日が流れ、数カ月も後に出される議会議事録や議会だよりにだけに記録されることになります。
恣意的な根拠で取材拒否
屋久島ポストが配信した5本の記事は、どれも荒木町長ら屋久島町幹部による不祥事や不正などに関わるものです。町役場を監視する町議会の取材ですから、それは当然のことなのですが、なにゆえに石田尾議長は私たちの取材を拒否するのでしょう?
これまで何度も書いてきましたが、「日本新聞協会などの加盟社以外は取材を認めない」というルールは、屋久島町議会傍聴規則には存在しません。つまり、石田尾議長は「議長権限」だけを振りかざして、恣意的な根拠で屋久島ポストの取材を拒否しているのです。
■屋久島町議会傍聴規則(抜粋)
第9条 傍聴人は、傍聴席において写真、映画等を撮影し、又は録音等をしてはならない。ただし、特に議長の許可を得た場合は、この限りでない。
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取材拒否は問題です。
理由を尋ねる議員へ明確な説明も出来ず、恣意的に開会をする姿は滑稽です。
議長にはすべての議会での権限が与えられていると勘違いしているようです。
まるで私物化しています。
就任挨拶での「中立公平の議会運営」は嘘になります。
6月議会での、取材傍聴の規則の制定にも圧力をかけているとの事、容認できることでは有りません。
言うまでもなく、議会は公開が原則のはず、住民の知る権利を阻害してはなりません。
議長以外にも15名の議員がいます。正しい判断で、住民が納得できる「取材、傍聴規則」を作っていただくことを望みます。