石田尾議長、独断で全員協議会の一般傍聴を排除 屋久島町議会取材拒否問題
「傍聴者がいると、議員が自由に意見を言えない」
町議から批判「町民の前で意見が言えなければ、町議は務まらない」
【音声】屋久島町議会の全員協議会が開会するのを前に、一般傍聴の排除を通告する石田尾茂樹議長(2022年1月25日)
フリージャーナリストや独立メディアなどの議会取材を拒否している屋久島町議会の石田尾茂樹議長が今年
1月にあった町議会の全員協議会で、一般傍聴者や報道機関を議場から排除する決定を独断で決めていたことがわかった。関係者によると、議会運営委員会や各町議との協議はなかったという。石田尾議長は、傍聴を求める町民の抗議を受けて、町民の「排除決定」は撤回したものの、独立メディアの屋久島ポストと「マスコミ」の南日本新聞の排除は撤回せず、取材を妨害した。屋久島ポストはその場で「プレスの自由を侵害する行為だ」と、石田尾議長に抗議した。石田尾議長は「議長権限」を利用し、「開かれた議会」から「密室議会」へと強権的に舵を切り始めている──。取材拒否の石田尾議長、一般傍聴の排除も通告
問題となった全員協議会は2022年1月25日に開かれ、政策推進課を「企画広報課」に変更するなどの組織変更案について、町総務課の担当者が全町議に説明することになっていた。ところが、会議が始まる直前、石田尾議長が屋久島ポストの取材を拒否し、さらに一般傍聴も認めないと通告。町民側から説明を求められた石田尾議長は、組織変更案は各町議の意見を踏まえて変わる可能性があるとしたうえで、「傍聴者がいると(町議が)自由闊達に意見が言えない」と主張した。
それに対し、町民側は「議会は公開が原則で、傍聴は認めるべきだ」と抗議。石田尾議長は「議長の判断で決めた」との主張を続けたが、町民側と話し合いを続けた結果、一般傍聴については許可した。一方、南日本新聞と屋久島ポストが取材で撮影と録音することは認めなかったため、記者たちは一般町民として傍聴した。
町議「議運に相談なく、独断で決めるのはおかしい」
その後、一般傍聴を排除しようとした経緯について、屋久島ポストが複数の町議に取材したところ、石田尾議長が議運や各町議と協議することなく、「議長権限」のみで決めていたことが判明。町議からは「町民のプライバシーに関わる議題でもないので、一般傍聴を排除する必要はない」「議運にも一切相談がなく、独断で決めるのはおかしい」「町民の前で自由に意見が言えなければ、町議は務まらない」などと、石田尾議長の判断に批判的な意見が出た。
議会条例「全員協議会等全ての会議を原則公開」と規定
全員協議会は、町政の諸問題を協議するために全町議が集まる会議。法令に基づく会議ではないため、議案の審議は行われないが、町執行部が提出前の議案について詳細な説明をするなど、円滑な議会運営のために開かれている。
 屋久島町議会基本条例の4条2項では、「議会は、本会議、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会、全員協議会等全ての会議を原則公開するとともに、町民が議会の活動に関心を持ちいつでも参加できるような運営に努める」と規定。また、同町議会全員協議会規程の7条2項では、「議長は、必要があると認めるときは、傍聴者の退場を命じることができる」とされているが、これまで同町議会は本会議などと同様に全員協議会も公開し、一般傍聴と報道取材を認めている。
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