屋久島ポストの取材拒否を継続 屋久島町議会取材拒否問題
石田尾議長、法令違反の可能性を無視して排除
屋久島ポスト「取材の自由を阻害する行為」と抗議
フリージャーナリストなどの取材拒否を続ける石田尾茂樹議長(2022年6月15日、屋久島町議会、議会中継のモニター画面を撮影)
フリージャーナリストや独立メディアなどの議会取材を排除している屋久島町議会の石田尾茂樹議長は6月15日、屋久島ポストに対して取材拒否の継続を通告した。同議会の傍聴規則をめぐっては、議会運営委員会が「表現の自由」などを保障する憲法21条や、法令に反する規則の制定を禁止する地方自治法15条に違反する可能性を指摘。石田尾議長はその指摘を無視する形で、取材拒否を決めたことになり、排除に固執する議長の姿勢が浮き彫りになった。屋久島ポストはプレスの自由(Press Freedom)の根幹をなす「取材の自由」を阻害する行為だとして、石田尾議長に抗議を続けている。
この日あった同町議会の一般質問が始まるのを前に、屋久島ポストの鹿島幹男共同代表が議員控室にいた石田尾議長を訪問し、議会取材の許可を求めた。それに対し、石田尾議長は「(取材を禁止してきた)従来通りの対応になる」と取材拒否を通告。今後の対応については、議運での協議を踏まえて決定するとした。
議運で法令違反の疑い指摘、排除ルールは再検討へ
同町議会の傍聴規則をめぐっては、5月24日に開かれた議会運営委員会(日高好作委員長)で、日本新聞協会などに加盟する新聞社やテレビ局だけに取材の便宜を与える排除ルールを賛成多数で決定した。だが、再び開かれた6月7日の議運で、真辺真紀委員が「表現の自由」や「知る権利」を保障する憲法21条や、法令に反する規則の制定を禁止する地方自治法15条に違反する可能性を指摘。法律の専門家から意見を聴いて再検討するため、6月定例会からの排除ルールの適用は延期されていた。
今回の取材拒否は、排除ルールが憲法や地方自治法に違反する疑いが指摘されるなかで通告されており、石田尾議長は法令違反の可能性を知りながら、それを無視して、屋久島ポストを議場から排除したことになる。
フリーや独立メディアの排除、石田尾議長が主導
屋久島ポストに対する取材拒否は、2021年の12月議会から続いている。石田尾議長は撮影や録音の許可は「議長権限」だとして、取材を認めるのは「日本新聞協会などの加盟社に限る」と主張。一方、同町議会の傍聴規則には、取材に関する明文化されたルールがないため、石田尾議長は「6月定例会までにはルールを決めたい」としていた。
一方、新しい傍聴規則を決める過程では、議長の諮問機関である議運に石田尾議長が介入し、フリージャーナリストや独立メディアなどを排除する方向で議論を誘導している。2月にあった議運では、当初、議場での撮影と録音について「誰でも自由に認める」案と「日本新聞協会などの加盟社に限定」する案が用意され、この2案をたたき台として協議する予定だった。しかし、議運の直前に石田尾議長が自由に認める案を除外するように指示し、それを日高委員長が了承していた。

 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											 
																											