町政への一般質問、5割の頻度で「権利放棄」 屋久島町議会
質問率5割以下の町議は16人のうち8人
内田・小脇両町議は質問ゼロ
屋久島町民の代表として町議会の議場に立つ16人の町議たち(顔写真は町報「やくしま」2021年10月号より)
屋久島町政について報告や説明を求める町議会の一般質問をめぐり、各町議に与えられた質問回数の約5割が実施されずに放棄されていることが屋久島ポストのまとめでわかった。町議16人中8人は質問率が5割以下で、そのうち1回も質問していないのは2人。一般質問は町政を監視するために町議に認められた「権利」だが、その半数近くが無駄に放棄されていることになる。
町議は一般質問で町政を監視
一般質問は、町長ら町執行部に対し、町政全般にわたって事務の執行状況や今後の方針などについて質問したり、報告や説明を求めたりするもので、全町議にその機会が認められている。年4回開かれる定例会前に質問内容を通告すると、各町議に1時間の持ち時間が与えられる。
16人中5人は3割以下 質問ゼロは2人
前々回の改選があった2017年9月以降に開かれた19回の定例会について、屋久島ポストが現職町議を対象に一般質問の実施状況を調べたところ、事前通告をせずに質問の機会を放棄した頻度は約46%だった。また、全町議16人中8人は質問率が5割以下で、そのうち5人は3割以下。さらに当選後、1回も一般質問をしていないのは、内田正喜町議と小脇淳智郎町議の2人だった。
議長を含めると、さらに多くの頻度で権利放棄
同町議会では慣例で議長は一般質問をしないため、今回の調査では議長が質問しなかったケースは含めなかった。ただ、議長も通告すれば質問は可能なので、議長が質問しなかった回数を含めると、さらに多くの頻度で一般質問の機会が放棄されていることになる。
質問率100%は真辺真紀、渡辺博之の両町議
一方、積極的に一般質問に立った町議は4人。真辺真紀町議は出席した19回すべての定例会で質問したほか、渡辺博之町議も3回中3回で質問に立った。また、中馬慎一郎町議は8回中7回、石田尾茂樹町議は議長を務めた3回を除く16回中14回でそれぞれ質問した。
各町議の一般質問の頻度は以下のとおり(敬称略)。
※質問率は定例会への出席数に対する数値(質問回数/出席数=質問率、議長を務めた定例会は除く)
真辺 真紀 19/19=100%
渡辺 博之 3/3=100%
中馬慎一郎 7/8=87.5%
石田尾茂樹 14/16=87.5%
岩山 鶴美 15/19=78.9%
大角 利成 15/19=78.9%
榎 光 徳 14/19=73.6%
岩川 卓誉 2/3=66.6%
高橋 義友 6/12=50%
渡辺 千護 9/19=47.3%
日高 好作 6/19=31.5%
緒方 健太 2/8=25.0%
相良健一郎 4/19=21.0%
岩川 俊広 2/10=20.0%
内田 正喜 0/3=0%
小脇淳智郎 0/3=0%
各町議の一般質問の内容(※2021年12月以降分、議席番号順、敬称略)
①岩川卓誉
2/3=66.6%
・職員の働き方について
・若者が住みよい、移住しやすい環境づくりについて
・津波災害時の避難体制について
・財政状況の評価と、新型コロナウイルスへの対応策について
②内田正喜
0/3=0%
発言なし
発言なし
・教育施策について
・成人式について
・業務の管理体制について
・町道荒川線・淀川線の安全管理について
・益救参道の整備について
・コンプライアンス遵守の対策の取り組みについて
・新型コロナウイルス対策の今後の取り組みについて
・旅費精算不正調査について
・口永良部島簡易水道施設工事に係る補助金虚偽申請について
・旅費精算不正調査について
・新型コロナウイルスに関する対応について
・航空機出張の際に取得するマイルについて
・口永良部水道施設整備事業について
・旅費精算不正調査について
・児童デイサービスの運営について
・暮らし体験住宅等について
・栗生・中間間の町道野平線について
・旧安房支所利活用計画について
・城下分校跡地について
・里のエコツアーの活用について
・学校水道水の塩素濃度について
・シルバー人材センターの導入について
・離島割引カードについて
・新型コロナウイルス感染症が流行した際の教育現
・口永良部島簡易水道工事に係る虚偽申請について
・新型コロナウイルス感染症が流行した際の対応について
・旧宮之浦支所周辺の跡地利用計画について
・町道等のインフラ整備について
・里のエコツアーの推進策について
・コロナ禍における教育行政の推進について
・屋久島空港整備について
・本町における防災及び避難対策等の現状と課題について
発言なし(※2021年12月以降)
・廃校後の一湊中学校の現状と今後について
・社会体育施設の整備について
・防災対応について
・職員の職務遂行について
発言なし(※2021年12月以降)
・学校教育の充実について
・馬毛島の軍事基地化に対する基本的姿勢について
・住民生活を守る政治について
・生活環境の整備について
・非正規職員の問題について
・屋久島高校について
・危機管理について
・馬毛島の軍事基地化について
・危機管理の充実について
・町営住宅の環境整備について
・児童生徒の学校教育について
・公共工事について
・恵まれた自然資源と屋久島の価値を生かした町づくりについて
・屋久島町の更なるPRについて
・尾之間中央公民館の改修について
・議事進行(※2021年12月以降)
※写真は町報「やくしま」2021年10月号より
3か月に一度の議会開催です。
議員としての職務を真面目に全うしていたら、必ず行政の問題点は見えてきます。
質問がないということは、日頃から議員活動をしていない証です。
住民に対して恥ずかしい限りです。
内田議員、小脇議員はしっかりしなさい。
門前の小僧習わぬ経を読む、という諺もあります。
議員になってから3度も議会は開かれました、、、