町民の怒り「爆発」:【検証 屋久島町政】(13) 出張旅費不正問題

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住民団体などが荒木町長に辞任勧告

荒木町長は無言で町民と対話せず

 (この検証シリーズは今月から随時掲載となります)

 2019年の屋久島町は、荒木耕治町長らによる出張旅費の着服問題を抱えたまま年が暮れました。多くの町民にとって、町のトップである荒木町長が虚偽答弁で着服の事実を隠そうとした衝撃はとても大きいものでした。新たな年を迎えても、その衝撃が弱まることはなく、多くの町民が大きな不満を抱えていました。
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住民団体の代表から辞任勧告書を示される荒木耕治町長=右から2人目(2020年1月10日、屋久島町議会)


 そして、2020110日、その不満が「爆発」します。新年早々に開かれた臨時議会を前に、大勢の町民が荒木町長に詰め寄り、辞任勧告書を突きつけたのです。

 その臨時議会は、荒木町長と同様に、シルバー割引を悪用して旅費を着服した岩川俊広議長(当時)が辞任し、その後任を決めるために開かれました。本来なら、議長選挙を粛々と終えて、新たな体制で屋久島町議会が再出発するはずでした。ところが、荒木町長が議場に入ろうとしたところで、「着服町長は辞任せよ!」と書かれた横断幕を掲げた町民たちに制止されます。

 町民の代表たちは荒木町長と対峙して、辞任勧告書を読み上げました。

「貴殿が行った行為は、断じて許すことはできません」

「再三再四にわたる虚偽答弁、虚偽の発言も許すことはできません」

 そして、最後に「よって、早急に辞任されることを住民として勧告します!」と告げると、横断幕を持った町民たちから「そうだあ!」と声が上がり、長い廊下に重く響きわりました。

 その後、荒木は無言で辞任勧告書を受け取り、ひとり議場へと姿を消していきましたが、これから先に待ち受ける数々の苦境は想像もしていなかったでしょう。

今回のポイント

2019年末に荒木町長が出張旅費不正を認めて記者会見で謝罪

・不正を隠蔽する町長の虚偽答弁で、町民の不満が高まる

2020年早々に町民が抗議活動を始め、町長に辞任勧告

今回は、2020111日に掲載した記事「【動画】荒木町長に住民が辞任勧告」をみてみましょう。

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【動画】町民から辞任勧告を受ける荒木耕治町長(2020年1月10日)

 屋久島町の荒木耕治町長が出張旅費を不正に着服し、虚偽の議会答弁で着服を隠蔽しようとしたとして、一部の町議が110日、荒木町長の不信任決議案を臨時議会で提案した。

 開会前、議場近くには多くの住民が集まり、「着服町長は辞任せよ!」と書かれた横断幕を掲げ、荒木町長に辞任勧告書を手渡した。

 荒木町長と同様に出張旅費を着服した町議会の岩川俊広議長は、自身の進退を明言しないまま議場に入った。

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今回の教訓:住民と対話しない首長に将来なし

 現職の町長を取り囲み、大勢の町民が辞任勧告書を手渡すという事態は、合併前の旧2町の時代も含め、おそらく初めてのことだったと思われます。狭い離島ならではのしがらみも多く、町長に強い不満があっても、そこまではしないというのが、これまでの屋久島でした。
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大勢の町民に囲まれて辞任勧告される荒木耕治町長=中央(2020年1月10日、屋久島町議会)


 ところが今回、多くの町民が荒木町長の旅費不正や虚偽答弁に怒り、初めて直接的な抗議活動に出ました。それも、長さ5メートルもある横断幕に「着服町長は辞任せよ!」とまで書いたのですから、町民の怒りはそれほど大きかったのでしょう。

 一方、荒木町長はこの町民の怒りをどう感じていたのでしょう。前年末の記者会見で謝罪はしましたが、横断幕を掲げた町民に取り囲まれても、謝罪はおろか、何一つ口を開くことはありませんでした。

 一連の出張旅費不正は、その後に副町長や一般職員にも広がり、最終的に荒木町長のリコール(解職請求)運動に発展していきます。もし、このときに町民としっかり向き合って対話をしていれば、もっと穏やかな解決方法があったのではないと思います。

■【検証 屋久島町政】記事一覧

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