【取材後記】事実を排して嘘を守る屋久島の町議たち/編集委員会
町長らの嘘、追及の取材者を排除する愚かさ
森山裕衆院議員への贈答について答弁する荒木耕治町長=中央。前列左は町長交際費の支出を決裁する日高豊副町長(2022年12月9日、屋久島町議会、町役場内の議会中継モニター画面より)
12月9日、屋久島町議会を議場の外に設置されたモニター画面で傍聴していて、この議会の愚かさを感じずにはいられなかった。
森山裕衆院議員に公費で多額の贈答が行われていると報じた屋久島ポストに対し、荒木耕治町長が9月議会で「それは想像でしかない」と否定した問題をめぐり、荒木町長が「報道は事実だった」と謝罪しているのに、その相手となる屋久島ポストは議場取材から締め出されているのだ。
排除の理由は「日本新聞協会などに加盟していない」からで、議会のなかには「事実無根の記事で誹謗中傷される恐れがある」と主張する町議もいる。これでは、私たち屋久島ポストが「嘘つき集団」だと、町議会からレッテルを貼られているようなものだ。
だが、町長交際費をめぐる問題で、実際に嘘をついていたのは荒木町長だった。私たちが今年8月に取材した際に、荒木町長は森山衆院議員に多数の焼酎などを贈答していることを認めたのに、その問題が9月に町議会の一般質問で指摘されると、一転して「(報道は)想像でしかない」と一蹴したのだ。
その虚偽発言に対し、屋久島ポストは抗議を続けた。当初、荒木町長は「取材に対する社会的信用を損なうことを意図したものではない」と釈明して、早々に幕引きをしようとした。だが、私たちが町長への取材記録を詳細に示すうちに、報道を否定した発言の撤回と謝罪を引き出すことができた。
もし粘り強く抗議しなかったら、荒木町長の虚偽発言が「事実」として、そのまま町議会でまかり通っていたことになる。そう思うと、荒木町長に加えて、屋久島の町議たちがこの町の舵取りをしていることに大きな不安を感じずにはいられない。
屋久島町は「嘘の町」なのか?
一連の出張旅費不正問題もそうだが、ここまでくると、屋久島町は「嘘の町」である。
実費より高額の航空券代が記載された虚偽領収書の存在が発覚しても、岩川浩一副町長(当時)は「見積もり段階で受け取った領収書だ」と釈明。さらに、岩川俊広町議は「予約した時にもらった」と主張したが、見積もりや予約で領収書が発行されることはなく、二人の説明が嘘であることは明らかだ。
しかし、屋久島町議会は不正を調査する百条委員会設置案を5回も否決し、それらの嘘を不問にしてしまった。これでは、町の不正を監視する立場の町議たちがその責務を放棄して、町幹部らの嘘を隠すために存在しているようである。
事実を伝える取材者を議場から排除する一方で、虚偽の発言をする町長や副町長、議長らをひたすら擁護する町議会。これが本当に屋久島町の民意なのだろうか。
その答えは、来年の町長選、そして3年後の町議選で明らかになるだろう。
【動画】森山裕衆院議員への贈答を認める屋久島町の荒木耕治町長(2022年12月9日、屋久島町議会、町役場内の議会中継モニター画面より)
■関係記事
「見積り領収書」なんて年間新語大賞に選ばれても可笑しく無い程のヒット作だと当時呆れたのを思い出しました。
屋久島町は、執行部、議会、嘘、の三位一体です。
来年の町長選、3年後の町議選で住民の意識が変わる事を祈るばかりです。
ポストの責任は重大です。覚醒させて下さい。