石田尾議長がまた取材妨害 屋久島ポストは抗議 鹿児島県屋久島町・補助金申請うそ記載問題
「議長の判断です。退出してください」
取材禁止の具体的な理由は語らず
南日本新聞とKTS鹿児島テレビは傍観
鹿児島県屋久島町が、同町の水道整備工事で国に補助金を申請する際に、うその「工事完成日」を報告して補助金を受け取った問題などが取り上げられた12月7日の町議会本会議で、石田尾茂樹議長が屋久島ポストの議場での撮影取材を再び禁止した。屋久島ポストは「町民の知る権利を奪う行為だ」と主張したが、石田尾議長は抗議を受け入れず、議場から私たちを退出させた。屋久島ポストは、度重なる石田尾議長による取材妨害に対して、厳重に抗議するとともに、対応を協議している。
議員席から取材禁止の理由などを問われた後、手を出して発言を制止する石田尾茂樹議長(2021年12月7日、屋久島町役場議会棟)
広く取材の自由を認める方向には言及
この日の町議会では、問題となった工事について、決算の認定案件が採決される予定だった。私たちは午前9時30分過ぎには傍聴席に三脚を立て、南日本新聞とKTS鹿児島テレビと一緒に議会取材に臨む態勢を整えていた。
ところが、開会直前の午前9時58分、荒木耕治町長ら町執行部と全町議が集まった議場で、石田尾議長が私たちに向けて口を開いた。
「取材は許可しません。議長の判断です。退出してください」
現在の傍聴規則は、議長の権限で議場取材を制限できる仕組みになっている。この規則を盾にして、石田尾議長は新聞やテレビなどの「マスコミ」に対しては、特別に取材を許可して議場での撮影取材を認め、それ以外の取材者は排除している。
取材が認められた11月26日の全員協議会と同様に、この日の取材も認めるべきだと、私たちは主張した。しかし、石田尾議長の回答は「あれは全員協議会で、これは本会議です」と言って、明確な理由を示さなかった。
石田尾議長は、来年3月までに傍聴規則を見直すことを表明している。石田尾議長は屋久島ポストに対して、フリーランスの取材者も含め、広く取材の自由を認める方向で検討すると話している。
町議からは議長対応を疑問視する声
議員席からは「理由は何ですか」と石田尾議長の対応を疑問視する質問も出た。
それに対し、石田尾議長は「傍聴規則です。議長判断です」。続けて「メディアの区別はどうしているのか」と問われたが、それには答えず、石田尾議長は右手を前に出して、それ以上の発言を制止した。
議長はシーンと静まり返った。
私たちは「報道の自由を行使します。知る権利です」と主張した。だが、石田尾議長は「傍聴規則です。議長の判断です」と同じ言葉を繰り返すばかり。
最後まで、取材を禁止する明確な理由を説明しないまま、石田尾議長は私たちを議場から排除した。
議場から退出させられた後、屋久島ポストは町役場内に設置されてモニターを視聴して、町議会の取材を続けた(2021年12月8日、屋久島町役場)
便宜を受けた「マスコミ」は沈黙
こうしたやりとりを、南日本新聞とKTSの記者は傍観した。ジャーナリズムを担う者なら、所属組織を問わず、プレスの自由を侵害する行為には一緒に抗議するところだが、南日本新聞とKTSの記者は沈黙して、私たちのやりとりを眺めているばかりだった。
私たちは南日本新聞の地元記者に「一緒に声を上げてください」と言ったが、その記者は「傍聴規則があるから・・・・・・」と言葉を濁した。
しかし、その記者がいう傍聴規則には、屋久島ポストやフリーランスを排除する文言などは、どこにもない。議長の判断で、南日本新聞とKTSには議場での撮影取材を認めてもらっているだけだ。
「マスコミ」として便宜を受け、補助金申請うそ記載問題を報じ続けている屋久島ポストの排除は傍観する。南日本新聞とKTSの記者は、どこを向いてジャーナリズム活動をしているのだろう。あるいは、そもそもジャーナリズム活動をやっているつもりはないのか・・・・・・。
私たちは取材をやめるわけにはいかない。町役場内のフォーラム棟に移動し、議会中継を映し出すモニターにビデオカメラを向けて取材を続けた。