【6月セレクト】「閉鎖議会」へと向かう屋久島町議会の自己矛盾/議会取材拒否問題
石田尾議長、憲法や地方自治法に反する可能性でも取材拒否
議員席から取材拒否の理由を問われた後、手を出して発言を制止する石田尾茂樹議長(2021年12月7日、屋久島町役場議会棟)
屋久島町議会(石田尾茂樹議長)が大きな自己矛盾に陥っています。
「開かれた議会」を標榜して6月から議会動画のユーチューブ配信を始めたのに、その一方では、フリージャーナリストや独立メディアなどの議会取材を拒み続けているのです。みずから「屋久島町の最高機関」と自負する同町議会を取材できるのは、日本新聞協会などに加盟する新聞社やテレビ局だけで、それ以外は「モラル」や「取材倫理」に問題があるとして、議場から排除されています。
そんな自己矛盾を抱えたまま、屋久島町議会は「閉鎖議会」への道を歩み続けるのか――。
排除ルール、法的な検証を踏まえ再検討へ
フリー排除の勢いが加速するなか、6月7日にあった議会運営委員会(日高好作委員長)で、その流れが少しだけ変わりました。マスコミだけに取材許可を出すのは、「表現の自由」などを保障する憲法21条や、法令に反する規則の制定を禁止する地方自治法15条に違反する可能性があると、一部の委員が指摘。法律の専門家から意見をもらったうえで、フリーに対する排除ルールを再検討することになったのです。
法令無視で取材拒否する「屋久島町の最高機関」
それならば、6月議会の取材は許可されるかもしれない。そう思い、屋久島ポストは石田尾議長に取材許可を求めたところ、やはり「従来どおりの対応」と言われ、あっさりと拒絶されてしまいました。
法令に反する可能性があるのに、それでも頑なに取材拒否を続ける石田尾議長。これが「屋久島町の最高機関」の判断なのかと首を傾げながら、6月議会も町役場内にある議会中継のモニター画面を前に取材をしました。
6月に報じた議会取材拒否問題の主な記事をお届けします。
●屋久島町議会がフリージャーナリストや独立メディアを排除 「閉ざされた議会」を選択 議会取材拒否問題(6月6日)
●誰が何を言った? フリーと独立メディアを排除する屋久島町議の発言録 議会取材拒否問題(6月7日)
●フリーや独立メディアの排除ルールに待った 屋久島町議会取材拒否問題(6月8日)
●【取材後記】取材の「モラル」と「倫理」はマスコミにしかないのか?/編集委員会(6月12日)
●屋久島ポストの取材拒否を継続 屋久島町議会取材拒否問題(6月16日)
●【取材後記】二枚舌で議論する若手町議たち/編集委員会(6月19日)