荒木町長に寄り添う町議:【検証 屋久島町政】(15) 出張旅費不正問題
岩山町議「虚偽答弁」を「間違い」と言い換え、不信任決議案に反対
不正告発した町民には「名乗り出られるのか」と一蹴
(この検証シリーズは随時掲載しています)
【動画】荒木耕治町長の不信任決議案に対して、反対討論をする岩山鶴美町議(2020年1月10日、屋久島町議会)
出張旅費の不正問題を受けて、2020年1月10日の臨時議会で出された荒木耕治町長の不信任決議案。発議した真辺真紀町議は提案理由を述べたあと、各町議にこう呼びかけて、決議案への賛同を求めました。
「議員は町長を擁護するために存在するのか、町民のために存在するのか。ごくごく当たり前の常識が問われています」
荒木耕治町長の不信任決議案に対して、反対討論をする岩山鶴美町議(2020年1月10日、屋久島町議会)
虚偽答弁の荒木町長に寄り添う発言
荒木町長は航空会社のシルバー割引を利用し、普通運賃との差額を着服していたにもかかわらず、町議会で虚偽の答弁をして、その事実を隠蔽しようとしました。公金の着服だけでなく、不正の事実を隠すために、町民の代表が集まる町議会で嘘までついてしまったのですから、荒木町長には厳しい意見が出ると思われました。
ところが、決議案への反対討論になると、厳しいどころか、むしろ荒木町長に寄り添うようかのような発言が続きました。
荒木耕治町長の不信任決議案への賛同を求める真辺真紀町議(2020年1月10日、屋久島町議会)
事実を顧みない岩山町議
なかでも、岩山鶴美町議の反対討論は際立っていました。つい1カ月前には、荒木町長の着服疑惑を告発した町民に「名乗り出られるのか」と迫り、証言に「信憑性がない」と主張。町民ではなく荒木町長を信用して、不正を調査する百条委員会の設置に反対していたのに、今度は手のひらを返したように嘘をついた町長を擁護したのです。
荒木耕治町長の不信任決議案に対して、反対討論をする岩山鶴美町議(2020年1月10日、屋久島町議会)
その岩山町議の反対討論は、それまでの事実や経緯を顧みない内容で始まります。
「荒木町長は12月議会において旅費の件で完全否定をした後に、間違いであったと訂正し謝罪をされています」
まず、旅費着服の疑惑を「完全否定」したのは「間違い」ではなく、虚偽答弁です。さらに、荒木町長は記者会見で「訂正」はしておらず、「そういう(虚偽の)答弁をしてしまったということは事実」と述べ、自ら虚偽の答弁であったことを認めて謝罪しています。
出張旅費の着服問題を受けて、町議会で虚偽答弁をした理由を説明する荒木耕治町長(2019年12月26日)
「旅費に関する条例に問題がある」と責任転嫁
続いて、旅費不正が起きた要因として、次のように述べています。
「旅費に関する条例については、第11条の2、3の精算規定の見直しが必要です。本町だけではなく、県内の離島の自治体15市町村でも、出張後に搭乗券や利用料金証明書の提出がなされていないことがほとんどであることからもわかるように、今後しっかりと見直し、改正していく対策をとる必要があると思います」
これでは、旅費に関する条例が悪いから「町長が旅費を着服してしまった」と、責任転嫁をしているようなものです。問題なのは条例ではなく、その条例に荒木町長が違反したことです。第16条では「航空賃の額は、現に支払った旅客運賃による」と定められており、結果的に約200万円もの差額を着服していたのですから、すべての責任は荒木町長にあると言えます。
荒木耕治町長の不信任決議案に対して、反対討論をする岩山鶴美町議(2020年1月10日、屋久島町議会)
傍聴席の町民からは憤りの声
ここから語気を強めて、岩山町議は持論を展開します。
「今回の件は、やめれば済むという問題ではありません。そんな短絡的な選択をしていいはずがありません。むしろ、それこそが無責任であります」
約200万円の旅費を着服し、その事実を虚偽の議会答弁で隠蔽しようとした町長です。傍聴席の町民からは「ふざけんなよ」という憤りの声が飛びました。
そして最後にこう言って、反対討論を結びます。
「屋久島町のために身を粉にして働くことが責任を果たすことだと思います」
1万2000人が暮らす町のトップなのですから、「身を粉にして働く」のは当たり前のことです。それより、約200万円もの旅費を着服したり、議会や報道取材で嘘をついたりする荒木町長に対し「その資質を欠いている」として、この不信任決議案は提案されたのです。
岩山町議は「町長を擁護するために存在するのか」、それとも「町民のために存在するのか」――。
岩山町議は、旅費不正を告発した町民を一蹴し、その不正を虚偽答弁で隠蔽しようとした荒木町長に寄り添う発言を続けているのですから、自ずとその答えはわかるでしょう。
▶今回のポイント
・荒木町長の不信任決議案で問われたのは、町議の存在意義は「町長の擁護」か、それとも「町民のため」か?
・岩山鶴美町議は事実や経緯を顧みない反対討論を展開
・傍聴席の町民からは「ふざけるなよ」と憤りの声
今回は、2020年1月11日に掲載した記事「【動画】屋久島町長の不信任決議案に対する反対討論/岩山鶴美町議」をみてみましょう。
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【動画】荒木耕治町長の不信任決議案に対して、反対討論をする岩山鶴美町議(2020年1月10日、屋久島町議会)
荒木町長は、12月議会において旅費の件で完全否定をした後に、間違いであったと訂正し謝罪をされています。もちろんそのことは深く反省をしなければなりません。今回のことに対してどのような行動で反省を示すのか、町長みずからの口から表明し、町民に対して誠意を示す必要があると思います。
旅費に関する条例については、第11条の2、3の精算規定の見直しが必要です。本町だけではなく、県内の離島の自治体15市町村でも、出張後に搭乗券や利用料金証明書の提出がなされていないことがほとんどであることからもわかるように、今後しっかりと見直し、改正していく対策をとる必要があると思います。
今回の件は、やめれば済むという問題ではありません。そんな短絡的な選択をしていいはずがありません。むしろそれこそが無責任であります。(「ふざけんなよ」と発言する者あり)
町長には、残された離島政策などをしっかりと解決して成果を上げることで、責任を果たしてほしいと望む町民の声が、私のもとにも数多く寄せられております。屋久島町のために身を粉にして働くことが責任を果たすことだと思います。よって、不信任決議案には反対いたします。
▶今回の教訓:町議は「町長のため」ではなく「町民のため」に存在する
荒木町長の不信任決議案を提案した真辺町議は、この発議で町議の存在意義を問いかけました。町議は「町長や町役場のため」に存在するのか、それとも「町民のため」に存在するのか?
いま議場に座っている16人の町議は、屋久島町の有権者が選挙で選んだ代表です。そうであれば、すべての町議は町民の代表であり、その活動は「町民のため」でなくてはなりません。
それなのに、岩山町議は不正を告発した町民を疑い、議会に「名乗り出ろ」とまで言って、荒木町長を一方的に信じました。そして今度は、荒木町長が嘘で不正を隠そうとしたことがわかっても、「虚偽答弁」を「間違い」と言い換えるなどして、町長に寄り添う発言を続けました。
2019年12月17日と2020年1月10日の議事録には、岩山町議の発言記録がしっかり刻まれています。それらを読めば、岩山町議が「町長」と「町民」のどちらを向いて活動しているのかがわかります。
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