【やくしま無責任語録】(6) 恐怖で町民が黙る町議の放言/岩山鶴美町議

yakushima-post

町長リコール署名審査の戸別訪問で町民「怖かった」「実に屋久島らしい町民の気持ちに配慮した行動」「むしろ称賛にあたる」

半年後には町長の旅費着服を証言した町民を疑い「名乗り出られるのか」

(この連載は随時掲載しています)

岩山町議4

 補助金不正請求や出張旅費着服などの問題が絶えない屋久島町。数々の不正や不祥事が起こっても、町幹部や町議らが説明責任を果たさない状況は、この町が地方自治体の体をなしていないことを物語っている。この連載では、屋久島町政を歪める数々の発言を【やくしま無責任語録】と題して配信。

 6回目は、2016年にあった町長リコール(解職請求)をめぐり、屋久島町選挙管理委員会が署名者の自宅を戸別訪問して、町民に恐怖心を与えた署名審査を称賛した岩山鶴美町議の無責任な発言を紹介する。

   *

専門家、戸別訪問を「請願権」「思想及び良心の自由」を脅かす行為と批判

 2016年にあった荒木耕治町長に対するリコールの署名審査で、屋久島町選管が実施した署名者への戸別訪問は町民に恐怖心を与える結果となり、政治の専門家は、憲法で保障された「請願権」や「思想及び良心の自由」を脅かす行為だと強く批判した。それゆえ、2019年の6月議会には、選管委員の罷免を求める決議案が出された。

 だが、屋久島町議会は決議案を反対多数で否決し、町民の権利を侵害したと批判された戸別訪問を容認。決議案への反対討論では、あの町議の放言が飛び出した。

「全国で初めて、実に屋久島らしい町民の気持ちに配慮した選挙管理委員会の行動であったと、私はむしろ称賛にあたるとも思っています」

町民の恐怖心を無視して放言を連発

 その半年後の12月議会で、荒木町長の虚偽答弁を信じ、町長の出張旅費着服を証言した町民に疑いを向けて、議会に「名乗り出られるのか」と迫ることになる岩山鶴美町議の発言である。

 署名審査の戸別訪問では、実際に町民から被害の声が出て、専門家が強く批判しているのに、それらに対して耳を傾ける姿勢は微塵もない。それどころか、「町民の気持ちに配慮した」「むしろ称賛にあたる」などと、恐怖を感じた町民の思いを無視して、よくもこんな放言を議会で口にできたものである。
岩山町議
屋久島町議会で発言する岩山鶴美町議

屋久島町が唯一無二、異例の戸別訪問

 これまでにあった全国のリコールで、署名者を戸別訪問までして署名審査をしたのは、屋久島町が唯一無二である。ほかの自治体が戸別訪問をしないのは、「強制的な取り調べ」のようになることに加え、選管委員が戸別訪問することで、その家の住民がリコールの署名をしたことが周囲に知られ、プライバシーの侵害になることを危惧するからだ。

 それにもかかわらず、岩山町議が「実に屋久島らしい」戸別訪問だったとまで言うのであれば、こんな恐ろしい島には、誰も移り住みたいと思わなくなり、移住の相談を受けても勧めることは到底できない。
署名簿
荒木耕治町長に対する1回目のリコールで提出された署名簿の表紙

町民不在の恐ろしい政治

 その後の12月議会でも同じだが、岩山町議の発言は町民への配慮や社会への悪影響を顧みない、実に無責任な発言である。

 勇気を振り絞って町長の旅費着服を証言したのに、町議に「名乗り出られるのか」と迫られれば、その町民は恐怖に感じて、もう二度と不正の証言をしないであろう。署名審査で戸別訪問を受けた町民も同じで、突然の訪問で恐ろしい思いをしたのに、町議から「称賛にあたる」行為だったと言われれば、その後は決して署名はできまい。

 つまり、岩山町議の発言が恐怖心を植え付け、その結果、町民が黙るようになり、署名などで意思表示をしなくなるのだ。まさに、町民不在の恐ろしい政治である。

【動画】荒木耕治町長の出張旅費着服問題などについて調査する百条委員会の設置案に対して、反対討論する岩山鶴美町議(2019年12月17日、屋久島町議会)

2回目のリコールで町民「選管が自宅に来るなら署名できない」

 かくして時は流れて20214月、出張旅費の着服問題や入山協力金3000万円の横領事件などをめぐる町の杜撰な対応を受けて、荒木町長に対する2回目のリコール運動が起きた。だが、町民からは「選管が自宅に来るなら署名できない」「縦覧で名前がさらされるのが怖い」といった声が続出。結局、有効署名数が成立要件(有権者数の3分の1以上)45人足りない見通しとなり、リコールは不成立になった。

 屋久島町選管が1回目の町長リコールで強行し、岩山町議が称賛した戸別訪問。その「効果」は絶大で、またしても荒木町長はリコールを乗り切った。だが、その陰では、多くの町民が恐怖で沈黙していることを忘れてはならない。

■岩山鶴美町議 不法投棄事件・関連記事

■やくしま無責任語録・記事一覧

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  1. 恐ろしい議員

    屋久島町民を代表する議員の発言かと思うと、ぞっとします。
    この岩山議員は倫理や道徳の欠片もないようです。
    2期目の選挙、首の皮一枚で当選したのを思い出します。
    相当苦しい選挙だと挨拶に回っていました。
    議員として、まっとうな仕事もせず、住民を敵に見立てたような発言を繰り返しています。
    旅費不正問題のとき、勇気を持って情報提供した住民に対しても「名乗り出て来られるのか」など、脅しのような発言をしたのですよね。
    議会での議員の発言とは思えません。
    議会は町の監視役なのに、不正をしている町側の人物を徹底的に擁護する。
    この異様な議会、議員をどうにか一掃できないものでしょうか。

  2. 寧ろかわいそう

    この議員の発言を聞いていると、自分の知識の中での考えが社会全体の常識だと思い込んでいるのか、その程度の知識しかないのか、滑稽さを禁じ得ません。
    議員を志して、辛うじて当選したとはいえ、もう一度原点に帰り、勉強して下さい。
    今後も何も変わらないようであれば、議員としてではなく、人としてかわいそうです。

  3. 有権者1

    岩山鶴美さんですか?
    一言
    こんな発言をしているようでは、議員になってはいけません。

  4. 黙ってなさい

    ご自分の知識がないという恥をさらしてまで、町民に敵対して発言しなければならない理由がありますか?
    黙って議員席に座ってなさい。
    次は立候補してはいけません。

関連記事
これらの記事も読まれています
記事URLをコピーしました