取材後記

【取材後記】動画が証明する荒木町長の「二枚舌」/編集委員会

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高額贈答、事前取材で「森山事務所に贈った」➡ 町議会で一転、報道は「屋久島ポストの想像」と否定


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 自分自身の口で説明したことを、手の平を返すかのように、これほど見事に否定されるとは思わなかった。それも屋久島町民の代表が集まる町議会の議場で。


森山事務所「(町長の)個人からの贈り物という認識だった」

 屋久島町民の公金から、自民党の森山裕衆院議員(鹿児島4)に過去5年間で少なくとも50万円分の贈答品が贈られていた問題をめぐり、森山事務所は取材に「(町長)個人からの贈り物という認識だった」と答え、屋久島ポストは9月1日にそれを報じた。ところが、その贈答をした荒木耕治町長は913日の町議会一般質問で、「それは屋久島ポストの想像でしかない」と答弁し、私たちの記事を否定した。理由は、町が贈答先の個人名を黒塗りで非開示にしており、森山衆院議員を特定できないからだという。

荒木町長、事前取材で森山事務所への贈答を明言

 しかし、少なくとも50万円分の贈答先が森山衆院議員であることを取材で認めたのは、ほかの誰でもない荒木町長、本人である。82日午前10時半に町長室を訪ねると、取材に応じた荒木町長は、贈答先が東京・永田町の議員会館にある森山事務所だと、はっきりと明言した。この記事を書くにあたり、荒木町長の許可を取って録音した取材記録を再び確認したが、やはり贈答先が森山事務所だと、荒木町長は言っている。

三岳原酒
荒木耕治町長が森山裕衆院議員の事務所に贈った焼酎「三岳原酒」。過去5年間に約140本を森山事務所に送付していた

屋久島ポスト、森山事務所の取材を踏まえて報道

 荒木町長が森山事務所に贈ったことを認めれば、それを取材した側としては、森山事務所に確認するのは当然である。そして森山事務所からの回答を踏まえて、「(町長)個人からの贈り物という認識でした」というコメントを報じているのだ。それにもかかわらず、私たちの報道を「想像でしかない」と町議会で言い切るところが、彼が町長の資質に欠けると言われる所以なのだろう。

【動画】屋久島町議会の一般質問で、屋久島ポストの報道を否定する荒木耕治町長(2022年9月13日)=前半(屋久島町議会YouTubeチャンネルより)。事前取材で森山衆院議員への贈答を認める荒木耕治町長=後半

200万円の出張旅費着服、当初は虚偽答弁で否定

 荒木町長がついた嘘といえば、やはり2019年末に発覚した出張旅費の着服疑惑を否定する議会答弁だ。

 「出張で普通運賃の航空券を払い戻し、格安のシルバー割引で買い直して、その差額を着服したことはあるか?」

 町議から一般質問で問われた荒木町長は「ありません」と言って、3回にわたってシルバー割引の利用を否定。2019年12月11日に掲載された地元紙には、荒木町長の「屋久島空港ではプライベートでも普通運賃券をシルバー割引に切り替えたことはない」という発言が、しっかりと掲載された。

南日本新聞2019年12月11日付
シルバー割引の利用を否定する荒木耕治町長の発言を掲載した2019年12月11日付の南日本新聞の記事。実際にはシルバー割引を利用しており、取材に嘘をつく結果となった

 ところが、実際には荒木町長はシルバー割引を利用して旅費の着服を繰り返していた。

当初、荒木町長は町議会では完全否定を続け、取材には「誰から聞いたんだ」と強気だった。だが、報道に追及され続けるうちに「いま記憶を掘り起こしている」と弱り始めた。そして、年の瀬に緊急の記者会見を開き、それまでの完全否定から一転して謝罪し、町議会での虚偽答弁も認めた。

 結局、荒木町長が着服したのは、累計で約200万円。そんな大金を町民の公金などから自分の財布に入れておきながら、よくも町議会や地元紙の取材で否定できたものである。

【動画】出張旅費不正について、町議会で否定した後、記者会見で虚偽答弁を認めて謝罪する荒木耕治町長(2019年12月)

虚偽答弁から3年、何も学ばず反省せず

 その出張旅費着服問題が発覚して3年近くになるが、あの虚偽答弁をした失敗から、荒木町長は何も学ばず、反省すらしていないのであろう。森山事務所に多額の贈答をしたことを自ら取材で認めたのであれば、それを報じた記事を「想像でしかない」と町議会で切り捨てることは、とてもできるはずがない。

 読者の皆さまには、この記事に掲載した動画をしっかりご覧いただきたい。そこには荒木町長の「二枚舌」がしっかりと記録されている。

■荒木耕治町長インタビュー記事

■屋久島町長交際費問題の記事一覧

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  1. 屋久島ポストさん

    取材しながら
    空いた口が塞がらない状態に何度もなっただろうなと想像できます。
    小中学生より酷くないですか?
    この町長がいまだに町長の椅子に座れているのが不思議でなりません。
    取り巻き達は甘い汁吸うため、今までの悪行がバレない為に、これからも荒木町長をガードしていくのでしょう。

  2. 認知症か大嘘つきか?

    荒木町長、全く信じられないです。
    この方が本当に屋久島町のトップなのでしょうか。
    子どもでもこんなに分かりやすい嘘はつきません。
    どこから特定したのかわからない、にも驚きを隠せないのは私だけでしょうか。
    贈答品を送った相手先を黒塗りにして、情報を開示する必要が何故あるのか理解できません。
    もしかすると、酷い認知症を患われているのかも知れませんから、お近くで見ていらっしゃる方は検査を勧めて差し上げたほうが良いのではないかと思います。

  3. 茶番劇の劇場?

    議場は茶番劇の劇場でしょうか?
    お芝居をしているのであれば場所を間違えてませんか?
    ネタバレのお芝居、二転三転していて面白味もないです。
    いい加減お芝居を止めて、辞職されてはいかがですか。

  4. 是是非人

    森山裕衆院議員に贈答品を送ったことを取材で認めながら、議会では一転して「屋久島ポストの想像だ」と強弁した。
    この裏に何があるのか。
    聞くところによると、[法務専門員]の指導ではないか、と言われている。
    屋久島町に、日高前町長の時代からこのポストが置かれている。
    仕事は弁護士に代わって法律相談を請け負うことである。
    裁判における弁護は、人権を守ることを優先して、あの手この手を使って弁護をすると考えられるが、町や雇う法務専門員は、住民の立場と行政の立場を公正中立に判断して助言をするべきではないのか。
    町長に忖度して、町政を間違った方向に導くようなことがあってはならない。
    この役職が必要なのか、大いに疑問だ。
    鹿児島県町村会には顧問弁護士がいるし、独自に町が顧問弁護士を依頼しても、月額5万円から8万円が相場だと聞いている。
    わかり切った強弁や嘘は、この町長にとっては、いつものことであるから、森山衆院議員に関する議会答弁は事実ではないのだろう。
    知見のない副町長や議長、職員に取り囲まれている町長なので、どうか町民のための町政を行うよう、真の法務専門員として職務を果たすべきと考える。

  5. 小脇清保

    是是非人さんのおっしゃる通り、町村自治体には負担金を出し合って、顧問弁護士がいます。
    屋久島町はさらに法務専門員を置いています。
    年間の報酬は約150万です。無駄な支出だと思っています。
    これだけ突っ込まれる事ばかりであれば、無理もないと同情もいたますが、お粗末な行政執行の結果です。
    かなりの部分で助けられているようです。
    住民監査請求の回答書はほとんど、法務専門員の手によるものと推察できます。
    二元代表制であるべき議会まで、町の法務専門のアドバイスを受けて、事に当たっている節も見受けられます。
    事ほどさように、他に例のない出鱈目な行政です。
    こんな状態をいつまでも放置する訳には行きません。
    何としても4選だけは阻止しましょう。

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