【Key Word】過疎法:多額の贈答品で「町益」を確保 屋久島町長交際費問題

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贈答で国会議員と「信頼関係」➡ 過疎法の対象地域になる「大きなメリット」

過疎法)キーワード

屋久島町長の交際費問題について答弁する荒木耕治町長(左)と日高豊副町長(2022年9月13日、屋久島町議会)


 屋久島町民の公金で、国会議員に焼酎や魚介類などを贈答するのは、なぜなのか?

 その理由の一つとして、屋久島町の荒木耕治町長と日高豊副町長が挙げているのが、有利な交付金や地方債の恩恵が受けられる過疎地域持続的発展支援特措法(過疎法)などの対象に、屋久島町を加えてもらう必要があるということだ。

 この過疎法に関して、日高副町長は913日の町議会一般質問で、次のように答弁している。

「例えば(過疎法の対象となる)過疎地域から(屋久島町が)外れていたとすれば、令和3年度(2021年度)は8億円ほど過疎債を起債している。これが外れたとしたら、私たちの町は財政的に行き詰まったのではないかと、私は率直に思っている」

国会議員のお陰で過疎債8億円を予算計上

 日高副町長の説明によると、20214月に同法が施行されるにあたり、屋久島町が同法の対象から外れそうになったが、国会議員に働きかけたお陰で過疎地域となり、過疎債で8億円の予算が確保できたことで、財政的に救われたという。そして、それは日ごろから国会議員に贈り物をして「信頼関係」を築いている成果であり、「町益」を確保するためには贈答が必要だということだ。


【動画】屋久島町長の交際費について町議会で答弁する日高豊副町長(2022年9月13日、同町議会YouTubeチャンネルより)

「借金」の7割を国が負担する過疎債

 それでは、町が多額の贈答を続けてまで、その対象となりたい過疎法とは、どんな法律なのか。

 過疎法は人口減少が進む地方自治体を国が財政面で支援することを目的に、1970年に初めて施行された。既存の法律では対処できない緊急事態などに対応するために制定される特別措置法(特措法)の一つで、要件や対象地域などが10年ごとに見直されている。

 人口の減少率と財政状況を踏まえ、その要件を満たした地方自治体は、道路などの整備から産業振興まで幅広く使える過疎対策事業債(過疎債)を発行できる。いわゆる町の「借金」にあたり、その7割の金額を国が交付税措置で負担するため、地方自治体は過疎債で計上した予算の3割を支出すればいいことになる。

 日高副町長の議会答弁では、屋久島町が2021年度に起債した過疎債は8億円だったという。そのうちの56000万円を国が負担し、自身で支出するのが24000万円となれば、財政難に苦しむ町にとっては、とてもありがたい借金である。

国会議員への贈答t
荒木耕治町長が国会議員に贈っていた焼酎やイセエビ、アサヒガニ

過疎法、国会議員が議員立法で制定

 だが、国の法律なのに、その対象地域に選ばれる過程で、どうして国会議員に頼らなくてはならないのか。

 実は、この過疎法は国会議員が発議する「議員立法」で制定される法律で、要件や対象地域は国会議員によって協議される。自民党には過疎対策特別委員会が設けられ、同党に所属する国会議員が法案の内容を検討することになる。

自民党本部
東京・永田町にある自民党本部(Wikimedia Commons より)

国会議員に働きかけて過疎地域に指定?

 それが理由なのだろうか。日高副町長は913日の町議会で、こうも答弁している。

「過疎法の改定にあたっても、当初、屋久島町は過疎地域から外れるという情報もあった」

「そういう情報をいち早くキャッチして、それに対して、どう対処していくのかというのは、町の大きな問題解決のためには、必要なことではないかと思う」

 つまり、過疎法の対象から屋久島町が外れそうだという情報を得て、それを懇意にしている自民党の国会議員に働きかけて、対象地域に指定してもらったということである。

 だが、自民党の国会議員が議員立法で制定する過疎法の対象地域を決めるにあたり、懇意にしている同党の国会議員を通じて、その結果を左右するような交渉ができるのだろうか。さらには、多額な贈答によって国会議員と「信頼関係」を築いたことで、過疎法の協議結果を変えることが可能なのであろうか。

荒木町長議会答弁
屋久島町長の交際費問題について答弁する荒木耕治町長(2022年9月13日、屋久島町議会)

荒木町長、贈答で「町に大きなメリット」「賄賂」の可能性

 913日の町議会では、荒木町長も答弁に立ち、屋久島町が国会議員の尽力で過疎法の対象になったことなどで、「(多額の交付金や地方債で)町に大きなメリットがあり、そのお礼として、そういうこと(贈答)をしたと理解している」と説明している。

 過去5年間に荒木町長が国会議員に贈った焼酎は約400本で、その他に贈答した魚介類や果物などを含めると、総額は約122万円。もし、それらの贈答によって、屋久島町が過疎法の対象地域になったとすれば、これは単なる贈答でなく、いわゆる「賄賂」にあたる可能性がある。

■屋久島町長交際費問題の記事一覧

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  1. zen

    議員の介入で変更は可能だと思います。
    それが現実です。
    そういう世の中を肯定はしませんが・・・

  2. 賄賂ですね

    屋久島の人口は減少傾向にあります(昭和の一時期から半数にまで)
    少子高齢化も進む中、もちろん税収も減少
    過疎化の一途であるにも関わらず、過疎法から外される要因はないと思うのですが、そこに国会議員の裁量で外されるとは、ある意味脅し? 何が目的で?
    地元選出の森山議員には踏ん張ってもらわねばならない場面に、貢ぎ物(賄賂)で取り持ってもらったという事ですか?
    賄賂がないと地元のために働かないという事ですね。

  3. 賄賂、認めてますね。

    賄賂でしたと公に認めてますね。
    島まで届かない情報を何処から知り得たのですか?
    噂だけで不確かな情報に賄賂で対応してもらったのですか?
    しどろもどろの答弁が滑稽です。

  4. 謝ってください

    屋久島町は過疎債(3割負担)より有利な辺地債(2割負担)を使える地域でもあります。
    にも拘わらず過疎法の除外指定を受けそうになったものを、国会議員の力で外してもらったなどという、子供だましな説明は通用しませんよ、副町長さん!
    「除外されていたら、わが町は財政的に生き詰まっていたと思われます。」
    冗談を言わないでください。町の運営は普通交付金で十分賄うことはできます。
    財政が行き詰まるとすれば、身の丈に合わない事業のせいです。
    新庁舎24億円、フェリー太陽Ⅱ(500トン)に18億円、口永良部の光ファイバー海底敷設20億円、まもなくごみ処理施設には多額の資金の投入が計画されている。
    これらの事業を縮小するなど、身の丈に合わせていれば済む話です。
    近い将来わが町の公債費比率は県下でワースト5に入っています。
    議会答弁が、貴方の信じていることであれば、副町長として町政を預けることはできません。
    老婆心ながら、事が大きくならない前に国会議員の先生には謝りに出向いた方がよくありませんか?
    併せてご自分も身を引いてください。

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