【取材後記】住民訴訟に不正調査を丸投げする屋久島町/編集委員会
町、業者に責任転嫁 お手盛り調査で幕引き図る無責任
補助金不正の請求について説明する荒木耕治町長(右)。左は日高豊副町長(2021年11月26日、屋久島町議会)
屋久島町が2020年度に口永良部島で実施した水道工事で、国に虚偽の報告をして補助金を受給した補助金不正請求事件。町の杜撰な工事管理が浮き彫りになった不正だが、発覚から間もなく1年を迎えるのを前に、事件は大きな転機を迎えている。
不正請求をめぐる住民訴訟が11月2日から鹿児島地裁で始まるのだ。
住民訴訟、荒木町長らに1668万円を賠償請求
この補助金を申請する際に町は、同年度内に工事が終わっていないにもかかわらず、「すべての工事が終わった」とする虚偽の報告書を国に提出。その虚偽報告が発覚したため、町は国から補助金の返還命令を受けて、今年3月に約1668万円を返納した。
住民訴訟は、その返還命令を踏まえて町民が提起し、荒木耕治町長や日高豊副町長ら町幹部3人に対して、国に返還した約1668万円の賠償を請求。それに対し、屋久島町は補助金返還の原因は工事の遅延を招いた業者側にあり、町に法的責任は一切ないと主張して、請求の棄却を求めるとみられる。
国への虚偽報告、意図的か否かが争点
そこで大きな争点になるのが、町が意図的に虚偽報告をしたのか否かだ。
屋久島町が主張するように、単に工事が遅れたことが補助金返還の原因であれば、町に法的責任はない。そして、返還した約1668万円の賠償責任は業者側が負うことになる。
その一方、町が工事の未完成を知りながら、虚偽の報告を国にしていたとすれば、町が負う法的責任は極めて重くなる。補助金適正化法の第29条で、虚偽報告をして補助金を受けた場合の罰則として、「5年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金」と規定されているからだ。
町、業者側の主張を公表せずに責任転嫁
この罰則規定を意識してのことだろうか。これまでの町の内部調査では、虚偽報告はなかったとの前提に立って、すべての報告が出されている。関係する町職員からの聴き取り結果として、年度内の工事終了を「業者と約束した」とする証言を明らかにする一方で、業者側の証言や主張はまったく公表されていない。
法的な責任の所在については、町と業者の間で主張に争いがあることが、これまでの取材でわかっている。町側の言い分だけを積極的に公表して、業者側の主張を封じたまま国や町議会に報告するのは、公正中立であるべき地方自治体として許されることはではない。
屋久島町が国に提出した虚偽の工事検査調書。2021年3月26日の検査で工事完成で「合格」と記載されたが、実際には全工事の15%ほどしか完成しておらず、工事が終わったのは同年9月になってからだった
住民訴訟を理由に調査記録の開示を拒否
その状況を受けて、屋久島ポストは情報公開制度を利用して、これまでの調査や協議で業者側がどのような証言や主張をしているのか、その記録文書の開示を町に求めてきた。だが、すべての請求に対して、屋久島町は「公文書不開示通知決定書」を出し、記録文書の公開を頑なに拒み続けている。
そこで、工事を担当した町生活環境課の計屋正人課長に理由を尋ねてみたが、「住民訴訟が提起されているため」と言うばかりだった。せめて、各業者がどのような主張をしているのかは報告すべきだが、取り付く島がまったくない。そして、最後に「すべては裁判で明らかにするということですね」と確認すると、計屋課長は「そうなります」と言った。
つまり、法的責任の所在について、それが町側にあるのか、それとも業者側にあるのか、すべての判断を司法に丸投げするということである。一方、荒木町長は町議会で求められた不正調査の第三者委員会の設置を拒否し、身内だけの「お手盛り調査」で、早々に幕引きをしようとしている。それも、一方的に法的責任を業者側に押し付けた形で。
荒木町長と日高副町長は法廷へ
なんとも身勝手で、自浄能力の欠片もない、無責任な町役場である。
だが、これは今に始まったことではない。荒木町長の旅費200万円着服に端を発した出張旅費不正問題でも、町役場や町議会は不正調査を拒み続け、すべてが刑事事件に発展。最終的に起訴猶予処分となり、検察で詐欺などの容疑事実が認められている。
司法の力を借りなくては、不正や不祥事を解決できない屋久島町。残念なことだが、荒木町長や日高副町長には法廷に立ってもらい、司法の裁きを受けてもらうしかない。
■補助金不正請求事件の記事一覧
行政を預かるとはどういう事か、その責任の重さをこの町長、副町長の二人は何にも感じていない事がこの町の不幸です。
行政への住民訴訟は、過去の例を見るとかなり厳しいものがあるが、今回の場合は、余りにも町の杜撰さが目立ちます。
認められるでしよう。
町政の未来、現状の認識が出来ないのと同様、議会での発言によって、どのような波紋が広がっていくか、展開していくか、全く判断ができない。
だから無責任な発言を繰り返して窮地に陥っていく。
取り巻きは毒饅頭を食わされてヨイショしかできない。
進言すべき副町長は不勉強のうえ、身の丈に合わない地位をもらって有頂天の様子。
職員は[触らぬ神に祟り無し]で、真剣に町民のために働こうとしない。
議員は一部の議員を除いて[烏合の衆]審議の場ではなく、手続きの場と化して自らの[権能]放棄。
裁判の結果は、明らか。
工事遅れの責任と虚偽報告は別問題。
ミソもクソもごちゃ混ぜにして、業者への責任転嫁は政権の末期症状。
こんな事態がまだ一年続くことは許されない。