議会での虚偽発言 「司法の判断には従う」と主張し説明拒否 石田尾議長 虚偽発言問題
自身も認めた虚偽発言の事情説明 「答える必要ない」➡「対応しないのも一つの対応」➡「個人の問題」・・・
屋久島町議会 全員協議会
屋久島町議会の議長席に座り、議員の発言を制止する石田尾茂樹議長
屋久島町幹部らによる出張旅費不正精算の調査に対する議会討論で、石田尾茂樹議長が事実とは違う虚偽の発言をして、不正精算に使われた虚偽領収書の発行に関わった前副町長や旅行会社の元社員を擁護した問題――。
石田尾議長が自身の虚偽発言について、議会や関係者への事情説明を拒否し、「司法の判断には従う」と町議会で発言したことがわかった。議員からは「議会での発言は司法ではなく、議会で議論すべきだ」と指摘されたが、石田尾議長は「個人の問題」だと反論し、説明拒否の姿勢を貫いている。
前副町長と元社員の不正 虚偽発言で擁護
石田尾議長の虚偽発言は、2020年の9月議会で提案された出張旅費不正精算の調査をする百条委員会設置案に対する反対討論であった。
岩川浩一副町長(当時)らが不正精算に使った虚偽領収書について、意図的に発行されたとする提案理由に対し、石田尾議長は、虚偽領収書の発行が「意図的だった」と報じた新聞記者が「『副町長が書けと言ったんだろう』ということで(旅行会社の社員に取材で)迫っている」と発言。さらに、「(社員は)『それは違う』というふうに言ったのに、『言え』ということで強要されている」などと述べて、百条委設置案に反対した。
だが、実際には記者が証言を強要した事実はなく、虚偽領収書の発行は意図的だった。同年10月に鹿児島地検は、岩川前副町長の詐欺容疑、元社員の詐欺ほう助容疑をそれぞれ認めたうえで、2人が社会的制裁を受けているとして、起訴猶予の不起訴処分にした。
虚偽領収書などの出張旅費不正精算について調査する百条委員会設置案について、反対討論する石田尾茂樹町議(2020年9月25日、屋久島町議会)
真辺町議「議員は言論人、司法ではなく議会で議論すべき」
今年1月27日にあった町議会全員協議会の議事録によると、この虚偽発言問題について、石田尾議長は「私は司法の判断には従う」と発言。それに対し、真辺真紀町議が「私たちは言論人なので、司法の判断ではなく、議会で議論するべきだ」と指摘して、「発言が間違えていたら訂正して謝罪するのが当然必要だ」と主張した。だが、石田尾議長は「個人の問題」だと反論して、それ以上の議論には応じなかった。
「議事録が訂正できない」と説明拒否
この問題をめぐっては、石田尾議長は2022年8月の全員協議会で虚偽発言だったことを認めて、発言した経緯などを関係者に事情説明することを約束した。だが、その後に関係者に文書を送り、議会規則などで閉会後は議事録の訂正ができないことを理由に「お答えする必要がない」と説明を拒否。さらに、同年11月には議会事務局を通じて「対応しないのも一つの対応だ」と関係者に伝え、事情説明を拒み続けている。
石田尾茂樹議長が関係者に送付した文書では、虚偽発言について「お答えする必要がない」と主張している
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