【検証】着服200万円の法外な使い道 屋久島町長選2023

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「タクシーで国会から羽田空港へ」「屋久島出身者や国会議員らと会食」

乗車料金で200万円?? 町民の公費で接待??

【動画】シルバー割引の利用で着服した差額の使い道について、記者会見で説明する荒木耕治町長(2020年4月2日、屋久島町宮之浦)

 今年10月に迫る屋久島町長選で4選をめざす「あらきこうじ後援会」は、荒木耕治町長に端を発した出張旅費不正問題などについて、「いつまでもその過ちを持ち出すことはどうなのか」と主張し、「討議資料」と称するチラシを戸別配布して、多くの町民に支持を求めている。

 だが、荒木町長は約200万円もの公金を着服したうえ、その事実を町議会や取材で嘘の説明をして隠蔽しようとした。どんな場面でも、地方自治体の首長が嘘をつくことは決して許されず、住民の代表が集う議会で虚偽答弁をしたとなると、首長を務められるのか否かの資質を問われることになる。

 その意味で、荒木町長は12000人の屋久島町民を裏切ったことになり、町民の暮らしを守る町役場のトップを務める資質に欠けると言わざるを得ない。

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代理人弁護士(右)を伴って記者会見する荒木耕治町長(2020年4月2日、屋久島町宮之浦)

 町長選を目前に控え、荒木町長の後援会は、こんな「不都合な事実」を町民に忘れてほしいのだろう。だが、202042日に荒木町長が開いた謝罪会見を振り返ると、とても忘れることができない発言が続いた。

 そのなかでも、特に際立って記憶に残るのは、着服した約200万円の使い道についての説明だ。記者から「何に使ったのか?」と問われ、荒木町長はこう答えている。

「ほとんど(の出張は)東京なので、例えば要望や陳情などで国会や各省庁へ行く。指定の時間まで、ぎりぎりまで時間がずれることもある。例えば、国会から羽田空港へタクシーで行かなければ、時間的に間に合わないこともある」

 おそらく、公務でタクシーに乗ったと言って、使い道として問題はないと主張したいのであろう。

 しかし、荒木町長が航空運賃のシルバー割引を悪用して、普通運賃とその差額を着服していた期間にあった東京出張は45回で、そのすべてで国会周辺から羽田空港にタクシーで行ったとしても、乗車料金の総額は34万円ほどにしかならない。さらに往復ともタクシーを利用したとしても、70万円弱となり、残りの130万円は荒木町長の財布に残る計算だ。

 その他の使い道としては、荒木町長はこうも説明した。

「それと東京には(屋久島の)出郷者がたくさんいる。出郷者の方と会うときには、会食もしたりすることもある。国会議員との会食もある。いま全国離島振興協議会の会長として、職員も十数名、東京にいる。そういう方たちと、そういうもの(会食)に使った」

 つまり、屋久島出身者や国会議員、全国離島振興協議会の職員に食事をご馳走したということだが、どうして、その接待費を屋久島町民が負担しなくてはならないのか。もし本当に接待したのであれば、それは荒木町長が私費で負担すべきである。町民の公費で接待しておきながら、「荒木町長、ご馳走さまでした」と礼を言われていたとすれば、それこそ、とんでもないことだ。

 着服した約200万円について、荒木町長はその全額を町などに返還したが、それは町議会でシルバー割引の悪用を指摘され、地元紙などが不正の事実を報道したからだ。もし、町議会や取材で何も追及されていなければ、荒木町長はいま現在でもシルバー割引を利用して、普通運賃との差額を着服していたと思われる。

 屋久島ポストが配信した連載記事「【検証 屋久島町政】出張旅費不正問題」を再録するシリーズの8回目では、202042日の記者会見で、荒木町長が着服した約200万円の使い道を説明した経緯を振り返る。

●公金200万円 「会食とタクシー」で使う町長:【検証 屋久島町政】(24)

2022715日配信

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