町議会 取材拒否問題

「なぜ、取材拒否するの?」に対し屋久島町議会議長、具体的な理由説明を避ける/屋久島ポスト

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屋久島ポスト、具体的な拒否の理由と法的根拠を尋ねる質問状 → 石田尾議長、傍聴規則によって「不許可及び許可の決定を行っている」とだけ説明

【背景】議員席から取材を拒否する理由を問われた後、手を出して町議の発言を制止する屋久島町議会の石田尾茂樹議長=2021年12月7日、屋久島町役場議会棟【手前】屋久島町議会の石田尾茂樹議長が2025年5月7日に屋久島ポストに送った回答文

 屋久島町議会(石田尾茂樹議長)が市民メディア「屋久島ポスト」の議会取材を拒否してきた問題をめぐり、石田尾議長は5月7日、取材拒否の理由などを尋ねる屋久島ポストの質問状に対してメールで回答した。だが、回答文には議長権限で取材を拒んだ具体的な理由説明はなく、町議会傍聴規則の規定によって「不許可及び許可の決定を行っております」と回答するだけの内容だった。

石田尾議長、約3年半にわたり取材拒否
 屋久島ポストは2021年11月の創刊以来、約3年半にわたって傍聴席での撮影と録音を禁止されてきた。それを踏まえ、屋久島ポストが4月15日に「議会取材許可申立書」を出したところ、石田尾議長は一転して取材を許可。それに対し、屋久島ポストは4月18日に「議会取材に関する質問状」を出し、次の質問を石田尾議長に投げかけた。

<約3年半にわたって屋久島ポストの取材(撮影と録音)を禁止してきた具体的な理由、およびその法的な根拠をお示しください>

<屋久島ポストが2025年4月15日付で送付した「議会取材許可申立書」に対して、貴殿は同年4月18日付で出した回答書で、取材を許可する旨を伝えてきました。これまで禁止していた取材を、なぜ一転して許可したのか、その理由を具体的にご説明ください>

 この質問状に対し、石田尾議長は5月7日に回答文を議会事務局を通じて屋久島ポストに送り、次のように説明した。

<傍聴席からの撮影・録音等については、屋久島町議会傍聴規則第9条の規定により、議長の許可要件であることから、この規定により不許可及び許可の決定を行っております>

 回答文に具体的な理由説明がないことから、屋久島ポストは同日、議会事務局に電話で事情を問い合わせたが、「石田尾議長はこれ以上の回答をするつもりはないと言っている」と説明された。

屋久島町議会の石田尾茂樹議長が2025年5月7日に屋久島ポストに送った回答文

理由や法的根拠を示さずマスコミだけ取材許可
 屋久島町議会傍聴規則の第9条では、「傍聴人は、傍聴席において写真、映画等を撮影し、又は録音等をしてはならない。ただし、特に議長の許可を得た場合は、この限りでない」と定められている。この規定を踏まえて、石田尾議長はマスコミ各社には取材を許可する一方、独立系ネットメディアやフリーランス記者の取材を拒否。それに対し屋久島ポストは、憲法が保障する「法の下の平等」や「表現の自由」に反する判断だと主張してきたが、これまで石田尾議長が取材拒否の理由や法的根拠を具体的に説明することはなかった。

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