意図的に無効入札 町ルールが機能不全に 屋久島町新ごみ処理施設

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「入札者が2人に達しないときは、入札を中止する」はずなのに…

価格競争のない入札 建設費が高止まり

町ルール機能不全②
屋久島町が公開した新ごみ処理施設の完成イメージ図(町報やくしま2月号より)

 屋久島町の新ごみ処理施設の建設業者を決める入札で、参加2社のうち1社が事前公表された予定価格を約15億円上回る無効な入札をした問題をめぐり、入札のルールとして定められた「屋久島町建設工事の予定価格の事前公表に関する要領」が機能不全に陥る事態となっている。

 同要領は予定価格が事前公表された入札について、業者間の競争性を高めるために「入札者が2人に達しないときは、入札を中止する」と規定。だが、今回の入札では2社のうち1社に落札する意思は一切なく、実質的に1社のみが参加した「1社応札」の状態だったからだ。

 予定価格は246100万円で、それとほぼ同額の244870万円(落札率995)で建設業者が決定。価格競争がない入札によって、屋久島町民の公金から支出する建設費が高止まりして、業者側により多くの利益が生まれる結果となった。

川崎技研、意図的に無効な金額で入札

 新ごみ処理施設の入札は昨年11月に実施され、川崎技研(本社・福岡市)テスコ(本社・東京都)2社が参加した。川崎技研は予定価格を超える入札は無効になることを知りながら、それを約15億円上回る395000万円を提示して、意図的に競争を放棄。それに対し、テスコは予定価格ぎりぎりの244870万円で入札し、価格競争をすることなく建設業者に決まった。

総合評価
新ごみ処理施設建設の総合評価方式一般競争入札の評価点。川崎技研は技術面ではテスコより高評価を得ていたが、価格評価で「失格」とされた(入札審査講評より)


予定価格 事前公表なのに「1社応札」状態

 今回の入札は、表向きは2社が参加した格好だが、テスコと競合するはずだった川崎技研は自ら無効な入札額を提示し、1社のみが参加する「1社応札」と同じ状態だった。

 事後に予定価格が公表される一般競争入札では、「1社応札」でも価格競争があったとみなされ、「不戦勝」による落札であっても入札自体は成立する。だが、今回のように予定価格が事前に公表された場合は、1社だけの参加では競争性が低くなるため、2社以上の参加を入札実施の要件にしている地方自治体は少なくない。

 屋久島の近隣では、種子島の中種子町南種子町、そのほかでは宮城県富谷市北海道上ノ国町などが同様のルールを定めている。

町民の負担軽減のため 入札は2社以上と規定

 屋久島町もその一つで、屋久島町建設工事の予定価格の事前公表に関する要領の第6条では、「入札者が2人に達しないときは、入札を中止する」と規定。「1社応札」になると、予定価格と同じ金額での落札が可能になるので、屋久島町民の負担を少しでも軽くするため、業者側に2社以上で価格競争することを求めている。

 ところが今回の入札で、川崎技研は落札する意思がないにもかかわらず、わざわざ入札に参加して、予定価格を超える無効な金額で入札。その結果、最低でも2社という頭数だけはそろったため、無事に入札は成立して、予定価格ぎりぎりの金額で落札したテスコが建設業者に選定された。

入札チャート
一般競争入札について説明する一般社団法人GBL研究所のウェブサイト画面。予定価格に対して、複数社から提示された入札額のなかで、最も低い金額を提示した社が落札業者に選ばれる

骨抜きにされた町の入札ルール

 この価格競争のない入札について、屋久島町は法令に違反していないとの認識だ。しかし、川崎技研が意図的に無効な入札をしたことによって、より競争性を高めるために規定された町の入札ルールは骨抜きにされ、機能不全に陥ったことになる。

 なぜ、川崎技研は意図的に無効な入札をしたのか?

 屋久島町民の公金で新ごみ処理施設を建設する町執行部には、その理由を川崎技研に聴く責任がある。

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