【取材後記】あの入札は「無気力」か? それとも「八百長」か? 屋久島町新ごみ処理施設
入札制度を骨抜きにする意図的な無効入札
屋久島町が公開した新ごみ処理施設の完成イメージ図(町報やくしま2月号より)
プロボクシングなど1対1で争う格闘技の試合で、もし片方の選手がわざと負けたとしたら、どうなるのか。
観戦チケットを買った観客は怒り出し、返金を求めて会場の窓口に殺到。主催者は選手2人に事情を聴いて調査し、観客や関係者に説明と謝罪をしなくてはならない。
そして、片方の選手が自分だけの判断で負けたとしたら「無気力試合」となり、協会などから処分を受けるだろう。一方、あらかじめ選手間でどちらが勝つのかを示し合わせていたら、それは「八百長試合」で大問題となり、対戦した2人の選手生命は断たれるに違いない。
これを公共工事の一般競争入札に置き換えて、入札に参加したのが2業者の場合は、こうなるだろう。
片方の業者が自分だけの判断で負けたとしたら「無気力入札」となり、国や地方自治体から入札参加停止などの処分を受けるかもしれない。一方、あらかじめ業者間でどちらが落札するのかを示し合わせていたら、それは「談合」で独占禁止法違反となり、関係者が逮捕される可能性がある。
なぜ入札を辞退せず、あえて参加し無効入札?
屋久島町の新ごみ処理施設の建設業者を決める入札では、参加2社のうち1社が事前公表された予定価格を約15億円上回る無効な入札をして、意図的に競争を放棄したことがわかっている。そもそも落札する気がないのなら、入札を辞退するのが自然だが、その業者はあえて無駄な出張経費などを使って参加し、無効な金額を提示。入札を実施した屋久島町が事情を聴いていないため、その真意は不明なままとなっている。
入札は経済的で良質な公共事業を実施するために、とても重要な役割を果たす制度だ。公金の支出を節約して、より多くの事業に予算を振り分けるためにも、入札での価格競争は必要不可欠なものである。
その意味で、今回の意図的な無効入札は、入札制度の根幹を骨抜きにする行為であり、決して看過してはならない。ぜひ屋久島町には事情を聴いてもらい、なぜ、その業者が入札を辞退せずに、あえて無効な入札をしたのか、その理由を明らかにしてもらう必要がある。
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およそ落札率99.5%が証明しています。
一社が失格した時点で、入札不調が常識だと考えます。正しい競争は働いていません。
これで良しとする町の行政執行は町民の利益など何にも考えていない証拠です。
公約違反です。