素直に反省すれば避けられた交際費の住民訴訟【訴訟の町⑤】屋久島町長選2023
荒木町長、取材に「今後の贈答は金額や頻度を改めたい」➡ 町議会では一転「妥当な贈答」
贈答1件100万円でも「町長裁量」
【左】屋久島町の荒木耕治町長【右】荒木町長が贈答したイセエビ(左上)、屋久杉箱入り焼酎(右上)、屋久島産の焼酎(下)、屋久杉万年筆(右端)
なぜ屋久島町では、訴訟騒ぎが続いているのか――。
荒木耕治町長が治めた3期12年の間に提起された訴訟は計6件。すでに4件は裁判が終わり、そのうちの3件については、町に一定の責任があったという司法判断が下されている。
そして残りの2件は、杜撰な町政運営を問題視した町民が提起した住民訴訟だ。
国から補助金を不正請求した問題をめぐる訴訟は9月6日に判決が言い渡され、荒木町長ら町幹部に責任の一部があると認定されたが、町は一審判決を不服として控訴を決定。高額な贈答で支出した町長交際費の返還を求める訴訟では、荒木町長が国会議員らに続けた贈答について裁判官が、金額や頻度が「多いという印象」との認識を示すなど、「苦戦」が続いている。
今年11月に荒木町長が任期満了を迎えるのを前に、現町政で続いた訴訟について振り返り、その問題を連載で検証する。5回目は、荒木町長が国会議員らへの高額贈答で支出した町長交際費200万円の返還を求めた住民訴訟を取り上げる。
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取材に「私の政治は情の部分が多かった」と反省
「これまで続けてきた一部の高額な贈答を見直して、今後は金額や頻度を改めたい」
もし、2022年9月の町議会一般質問で、荒木町長がそんな答弁をしていたら、町長交際費をめぐる住民訴訟は提起されていなかっただろう。なぜなら、その1カ月前に屋久島ポストが取材した際に、荒木町長はこう答えていたからだ。
「私の政治は情の部分が多かったかもしれないと反省している。今後は金額や頻度を改めていきたい」
9月議会でも、それと同じような答弁があると思われていたが、いざ荒木町長が口を開くと、その予想は大きく裏切られた。1回に焼酎36本を贈り、約10万円を支出するなどした一連の高額贈答について、町議から「予算の執行上、妥当な金額と思うか」と問われると、荒木町長は短くこう答えたのだ。
「妥当だと思っている」
つまり、贈答額の基準として「社会通念上妥当と認められる額」と定めた町のルールに照らして、1回に10万円分の贈答であっても、まったく問題ないということである。その主張の根拠として、交際費の支出は町長の裁量権に委ねられていることを挙げたが、そうなると、1回に100万円や200万円分の贈答をしても、それもすべて荒木町長の裁量の範囲内ということになる。
荒木町長が決める「社会通念」
この答弁で判明したのは、町長交際費で贈答できる金額を定めたルールが、「実質的には存在しない」ということだ。一般社会の共通概念である社会通念と大きくかけ離れていても、荒木町長ただ一人が認めれば、それがこの町の「社会通念」になるということである。
荒木町長が続けていた高額贈答(1件1万円以上)で、特に問題なのは自民党の森山裕衆院議員と知人の社長に対する贈り物だ。
森山衆院議員には2017~2021年度の5年間で、焼酎180本や魚介類などを贈り、約60万円を支出。知人社長には2019~2021年の3年間で、焼酎121本や魚介類、屋久杉万年筆などを贈って約38万円を支出しており、これらの贈答額を「社会通念上妥当と認められる額」と言われて、納得する人は誰もいないであろう。
裁判官も疑問視する高額贈答
これ以上、こんなに法外な高額贈答を許してはいけない。そんな思いで住民訴訟が提起されたわけだが、鹿児島地裁に証拠提出された一連の贈答記録を見て、どうやら裁判官も納得できなかったようだ。
これまで開かれた口頭弁論で裁判官は、森山衆院議員への贈答額と頻度について「多いという印象」だと指摘。さらに、知人社長へ高額な贈答を続ける理由の説明や、黒塗りしている贈答先の国会議員たちの氏名を開示することを求めるなど、町としては「分が悪い格好」で審理が続いている。
法務事務専門員の指南で答弁、そして訴訟
屋久島町山海留学の体罰訴訟などと同様に、荒木町長が適切な判断をしていれば、この町長交際費をめぐる住民訴訟も避けることができたはずだ。そして、ここでも町の法務事務専門員が議会答弁や訴訟の方針を決めているようだが、果たして司法はどのような判断を下すのか。
ここで、ただ一つ明確に言えるのは、2022年9月の町議会一般質問で、荒木町長が「今後は金額や頻度を改めたい」と素直に反省していれば、町長交際費をめぐる住民訴訟はなかったということである。
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次回の口頭弁論では大方結論が出そうですね。
経過をみる限り、町の方が遥かに不利な状況で、訴訟の勝利が見えた気がします。
これ等の、次々に起こる訴訟やこれ迄の行政運営の杜撰さなどをみれば、ほぼ再選はあり得無いことが決まったようです。
残りの三人の新人候補者から誰を選択するか、確かな眼力が必要です。
二人の若い新人では、屋久島町の喫緊の課題である、町の正常化は荷が思い感じで、マニフェストにも謳っていない有り様です。
年齢のことを挙げれば本人に失礼極まりないが、その一点を除けば、健康で元気なようです。
思い切った、後のない改革を断行して、正常化した町を後進に委ねる。
この方法がベストではないでしょうか?
暮れぐれも、現職の再選は屋久島町の未来に禍根を残すことを忘れてはなりません。
この町にとっての課題は山積してますが、先ず改革です。
不正擁護派の古参議員達や縦社会の上層部に臆す事無く対峙出来る人材を望みます。
ご意見番さん!仰っしゃるとおり!
現職がとか、若手二人がとか、まったく論外ですよ。
まずは立て直して、それから若手です。決めましょう。