控訴審の争点「なぜ加算金の損害が発生したのか?」 屋久島町補助金不正受給・住民訴訟

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住民「虚偽報告の事実を放置して加算金が膨れ上がった」➡ 町、加算金は行政処分「原因がどこにあれ、違法となる余地はない」

裁判官、同様な訴訟の判例を示し主張の補充を指示
加算金
【左上】控訴審が行われている福岡高裁宮崎支部(裁判所ウェブサイトより)【左下】屋久島町が国に提出した虚偽の検査調書【右】屋久島町の荒木耕治町長

 屋久島町が水道工事で補助金を受給する際に虚偽の「工事完成日」などを報告し、国から補助金の返還命令を受けたのは町幹部の責任だとして、同町の住民が町を相手取り、荒木耕治町長ら幹部3人に約1668万円を賠償請求するように求めた住民訴訟――。

 鹿児島地裁が約135万円の賠償責任を認めた一審判決を不服として、町が申し立てた控訴審の口頭弁論が131日、福岡高裁宮崎支部であった。

住民監査「請求可能な1年」めぐる争いも

 町は住民訴訟の前提要件となる住民監査が、問題となった補助金を受給した財務会計上の行為があった2021422日から、法的に認められた1年以内を経過して請求されたなどと主張し、損害賠償請求の棄却を求めた。それに対し住民は、町が同日に補助金を受け取った時点では、国に虚偽報告をした事実は知り得なかったなどとして、住民監査請求は適法だったと反論した。

住民「補助金を受給しただけでは加算金は発生しない」

 また、この日の審理で大きな争点となったのは、町が補助金を受給したのちに、その一部を国に返還するまでの約11カ月間に発生した加算金(年率10.95%)の損害に対する賠償責任の有無だ。住民は、補助金を受給しただけでは加算金は発生せず、荒木町長らが虚偽報告の事実を国に報告しないまま、長期間にわたって放置したことで損害額が膨れ上がったと主張。一方で町は、加算金の納付は国の行政処分に基づくもので、「当該納付のそもそもの原因がどこにあれ、当該支出自体が違法となる余地はまったくない」と反論した。

最高裁判例、違約金はいつ発生したのか?

 訴訟関係者によると、裁判官は住民と町に対し、今回と同様の争点があった住民訴訟の判例を二つ示し、その内容を踏まえて、次回までに主張を補充するように指示したという。

 裁判官が示した判例は次のとおり。

神奈川県茅ケ崎市による土地転売で発生した違約金をめぐる住民訴訟の最高裁判決(1997128日・第三小法廷)

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/555/052555_hanrei.pdf


■京都市が領収書等を受け取ることなく支出した同和対策費をめぐる住民訴訟の最高裁判決(2003912日・第一小法廷
)

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/037/057037_hanrei.pdf

 次回の口頭弁論は513日に開かれる。

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