裁判所から町に〝宿題〟「虚偽報告の事実、なぜ国に伝えなかったのか?」 屋久島町補助金不正請求・住民訴訟
原告住民「速やかな報告で補助金返還の必要なかった」 被告町、工事未完成が原因で「業者に法的責任」
鹿児島地裁、町に求釈明「反論があれば補充して主張されたい」
【左】屋久島町が国に提出した虚偽の検査調書【右】屋久島町の荒木耕治町長
屋久島町が水道工事で補助金を申請する際に虚偽の「工事完成日」などを報告し、国から補助金の返還命令を受けたのは町幹部の責任だとして、同町の住民が町を相手取り、荒木耕治町長ら幹部3人に約1668万円を賠償請求するように求めた住民訴訟――。
鹿児島地裁は5月23日付で被告の町に文書を送付し、荒木町長ら幹部3人が虚偽報告の事実を知ったあとに、適切な不正調査を怠り、約7カ月間にわたって国に報告しなかったとする原告住民の訴えに対し、反論があれば主張するように求めた。住民は荒木町長らが虚偽報告の事実を速やかに国に伝えていれば、補助金を返還する必要はなかったと主張。それに対し、町が明確な反論をしていないため、同地裁から〝宿題〟を出された格好だ。
住民「虚偽報告を国に伝えず返還命令で町に損害」
訴状などによると、町の担当職員は2021年3月に工事の完成検査を実施し、工事が終わっていないにもかかわらず、すべての工事が完成したとする虚偽の実績報告書を国に提出。荒木町長や日高豊副町長ら幹部3人は同年4月に虚偽報告の事実を知ったあとに補助金を受け取ったうえで、工事に関係した職員や業者に事情聴取するなどの適切な調査をすることなく、同年11月まで約7カ月間にわたって虚偽報告の事実を国に伝えなかった。
そして住民は、その結果として、町は国から補助金の返還命令を受け、補助金と加算金を合わせた約1668万円を返納し、町の財政に損害を与えたと主張している。
町「もともと貰えなかったものを返還した」
それに対し町は、国が補助金の返還命令を出したのは、町が補助金を「虚偽の事業実績報告書を使用して取得した」一方で、その後に工事未完成の事実が発覚したことが原因で、工期内に工事を終えられなかった業者側に法的責任があると主張。さらに「もともと貰えなかったものを返還した」に過ぎないとしたうえで、「町には何らの損害も生じていない」として、荒木町長らに賠償責任はないと反論している。
地裁、審理再開で町に釈明求める
これら両者の主張を踏まえ、同地裁は5月23日付で町と住民に送った「事務連絡」とする文書で、住民が主張する「請求原因」に対して、「被告の十分な防御の機会が与えられていない」と説明。荒木町長や日高副町長ら幹部3人が虚偽報告の事実を知ったのち、速やかにその事実を国に報告していれば、町は補助金と加算金を合わせた約1668万円を支出する必要はなかったとする住民の主張に対し、「反論があれば補充して主張されたい」と町に釈明を求めた。
この住民訴訟は今年2月に結審し、5月17日に判決が言い渡される予定だった。だが、同地裁は「再度、裁判所の方で検討すべき事項を発見した」との理由で審理を再開し、6月28日に第4回口頭弁論を開くことを決めている。
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裁判所の判断に喝采です。
詭弁を弄して町に責任が無いような主張を繰り返していたが、さあーどうするか、法務相談員の腕の見せどころです。
訴訟の住民の代表さん、町民の為に頑張って下さい。