【取材後記】虚偽領収書、刑事告発の方が真実を知られない?/編集委員会

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石田尾町議「刑事告発すればいい」の真意を推察

起訴猶予で裁判回避なら、公開の百条委より好都合なのか

取材後記20220724

 屋久島町役場と町議会をめぐる一連の出張旅費不正問題を振り返るなかで、強く目に焼きつき、その言動が忘れられない議会動画があります。

「刑事告発してくださいよ。やればいいじゃないですか」

 2020年3月、虚偽領収書で不正精算した副町長の減給案について、反対の意見を述べた同僚町議に対し、現議長の石田尾茂樹町議が発した言葉です。語気を強めて挑発するように告発を促す様は、その場が言論の府であることを忘れさせるほど、強烈な印象として残りました。

 それでは、なぜ石田尾町議は議論を尽くさず、すべてを司法の場に投げつけるような発言をしたのか。


【動画】岩川浩一副町長(当時)の減給案に賛成討論する石田尾茂樹町議(2020年3月23日、屋久島町議会)

起訴猶予なら裁判もなく「不起訴でした」と報告できる

 これまで、町議会は4回にわたって旅費不正を調査する百条委員会の設置案を否決していますが、何がなんでも反対する町議たちの発言を議事録で読むうちに、推察ではありますが、自分なりの答えが思い浮かびました。

 ひょっとすると、刑事告発された方がいいのではないか――。たとえ警察や検察の捜査で容疑の事実が認められたとしても、不正を認めて反省の意を示せば、起訴猶予の不起訴処分になる。そして、裁判を開くことがなければ、実際にどんな不正があったのかは公に知られず、その一方で、刑事的な責任は「不起訴でした」と町内で報告できる。

百条委の調査なら町民に公開

 こうなれば、町民に公開される百条委員会で調べられるよりも、ずっとましかもしれません。百条委には強い調査権があり、もし調査で虚偽の証言をすれば、それ自体が罪になる可能性があるので、事実を正直に話さなくてはなりません。そして、虚偽領収書を誰からどうやってもらったのかなど、詳細な経緯が報道でもされたら、さらに信用を失うことになるでしょう。

「刑事事件として決着」と口実にも

 虚偽領収書に関しては、これまで4人が検察で起訴猶予の不起訴処分になっていますが、処分の決定後、誰一人として詳細な経緯を説明していません。現職の岩川俊広町議もその一人ですが、詳細な説明を求める陳情書が町民から出されても、町議会は「刑事事件として決着している」といった口実をつけて、陳情を門前払いで却下しています。

 つまり、虚偽領収書に関する真実を広く知られないためには、百条委よりも、起訴猶予の不起訴処分の方が好都合なのです。

またもや、同じ轍を踏むのか?

 石田尾町議の真意はわかりませんが、過去の経緯を振り返ると、そんな推察が思い浮かびます。そしていま、現職議員としては、日高好作町議にも虚偽領収書などの問題が浮上していますが、町議会は6月に百条委設置案をあっさりと否決し、町議本人も詳細な説明をする気はないようです。

 そうなると、これまでと同じ轍を踏むことになる可能性があります。でも、さすがに今回ばかりは、自主的に百条委員会を設けて、自分たちの力で問題を解決してほしいものです。

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  1. 小脇清保

    改めて見ると、何と挑戦的な発言かと驚かされます。
    まるで追及されている本人が、反発している様に錯覚します。
    とても正義を追及する議会議員の発言とは思えません。
    町長と、副町長を守る事が使命なのではないかとさえ思わされます。
    何かあるんでしようか?

  2. 石田尾議員の真意

    これは決して偶然ではない
    石田尾議長は、この問題のキーマンでもある虚偽領収書を乱発行していた元旅行代理店所長への取材のやり方を問う、告発原告団にしっかり名を連ねていた。
    彼は町民の味方なのか?
    それとも、不正追及の追手から追及される側を逃がす「指南役」として議会にいるのか?
    理解に苦しむ。

  3. だから、今がある?

    <町民の味方>どころか、明らかに執行部の味方です。
    今の議長という地位もその為に勝ち取った、いわば論功行賞でしょう。
    荒木町長ほど、議会を掌握して、思うがままに動かしている首長も珍しい限りです。
    二元代表制どころか、議会は一部の良識派を除けば、あってなきがごとくの状態でしょう。
    この状態がいつまで続くのか、屋久島町の未来は暗い。

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