過労死直前 全職員2人が体調不良で受診 屋久島町営牧場 過重労働死問題

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急性肝炎など病気でも応援なく 2人交代で作業継続 町「応援の依頼はなかった」

直前に体調不良②

 20198月に屋久島町営長峰牧場で非正規雇用の男性職員(当時49)が公務中に死亡し、その3年半後の今年2月に過重労働による公務災害と認定された問題――。

 職員が亡くなるまでの1週間に、同牧場で作業する全職員2人が相次いで体調不良を訴え、病院で医師の診察を受けていたことがわかった。職員側は体の不調について上司に伝え、交互で休みながら作業を続けたが、町側から応援要員が送られることはなかったという。それに対し町は、「応援(要員派遣)の依頼はなかった」としている。

元同僚、長時間労働が続くなかで急性肝炎

 公務災害を認定した地方公務員災害補償基金に対し、職員と一緒に作業をしていた元同僚が提出した陳述書などによると、長時間労働が続く状況のなかで、元同僚は201982日に体調を崩し、病院で医師の診察を受けたところ、急性肝炎と診断された。

 その後、職員は1人で作業を続けていたが、85日には職員も体調を崩したため、元同僚は肝炎が完治していなかったが、無理をして作業に復帰。一方、職員は休みを取って病院に行き、医師から「胃腸炎」との診断を受けて、2日間の休みを取った。その間、元同僚は1人で作業をしたが、急性肝炎が完治しておらず、体調不良を押して作業を続けていた。

上司に窮状説明も「特に気に掛ける様子もなく」

 それを踏まえ、職員側は同じく町営の旭牧場で働く上司の牧場長に窮状を説明したが、「(牧場長は)特に気に掛ける様子もなく」、牧場を所管する町産業振興課や旭牧場から応援要員が送られることはなかったという。

体調不良を押して出勤し死亡

 そのため、88日には職員が作業に復帰し、午前6時~8時の間に元同僚は成牛の放牧と給餌、職員は仔牛の給餌などをそれぞれ担当したのち、元同僚は静養するために休みを取り、牧場を離れた。その後、職員は1人で作業を続けていたが、同日正午ごろから連絡が取れなくなったため、元同僚が職場に戻って捜したところ、同日夜に職員が亡くなった状態で発見された。

町「最低限の作業でいいと伝えた」

 この陳述書に対し、町が同基金に提出した文書によると、牧場長は「本人(死亡した職員)からは夏風邪で休むと聞いた。最低限の作業でいいからと伝えた」と町に説明。さらに長峰牧場への応援要員について、牧場長は「作業ができなければ応援を送る旨伝えたが、依頼なかった」と説明しているという。

地方公務員災害補償基金、過重労働による公務災害と認定

 職員の公務災害をめぐっては、同基金の鹿児島県支部は当初、町が提出した勤務記録の労働時間が短いことを理由に公務災害には当たらないと判断した。それに対し、遺族は勤務記録の労働時間が「週40時間以下になるように改ざんを求められていた」と訴え、実際の労働時間を記録した文書を提出。その結果、同支部は「時間外勤務を含めた業務配分を現場の職員に任せ、そもそも業務命令権者として主体的に勤務時間を管理する体制になっていなかった」などと判断し、今年214日に過重労働で心筋梗塞を発症したことによる公務災害と認定した。


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  1. 人間の心を、、、、

    地方公務員災害補償基金が公務災害と認定したにも関わらず、言い訳が過ぎませんか?
    君たちに人間の心は無いのかと、叫びたくなる。
    「因果応報」やがては、自分の身に降りかかる。
    人間の心を取り戻して下さい。

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