海底清掃問題

総事業費2000万円、2023年度も大半を海底清掃費 以外に支出 屋久島町・環境保全プロジェクト

yakushima-post

「主任研究員」「経理担当職員」など人件費に308万円 「PR費」には300万円

作業ダイバー人件費含め「海底・海岸清掃費」は451万円
令和5年度見積書
2023年度の海底清掃事業の支出内訳が記載された見積書(黒塗りは屋久島町が非開示とした部分、モザイクは屋久島ポストが加工)

 ふるさと納税で「屋久島の自然を守って欲しい」と寄付された1700万円を活用して、屋久島町が2022年度に実施した海底清掃を主体とする環境保全事業で、総事業費の大半が海底清掃そのものではなく、清掃活動を広報する動画と観光パンフレットの制作費に支出された問題――。

 同事業の2年目となる2023年度の事業費をめぐり、その総額である約2000万円(税込み)の内訳が330日、屋久島ポストの取材でわかった。「海底・海岸清掃費」に451万円(税抜き)が使われた一方、「主任研究員」や「経理担当職員」などの人件費に308万円()、広報費にあたる「PR費」に300万円()など、2022年度と同じく清掃活動以外に対する支出が大半を占めた。

ダイビング業者「オーシャナ」が海底清掃を担当

 問題となっているのは、海底清掃を主体とする環境保全事業「海・川・山の繋がりで豊かな屋久島の自然を守るプロジェクト」だ。旅行大手JTBの出版部門を担う関連会社「JTBパブリッシング」(本社・東京)が企画を提案し、海底清掃はダイビング業務などを専門とする「オーシャナ」(本社・東京)が担当。町は複数の業者による競争入札を行わず、2022年度はJTBパブリッシング、2023年度はオーシャナと特命随意契約を結んで事業を実施した。

海底清掃活動

2022年度の事業で海底ごみを回収するダイバーたち(屋久島町YouTubeチャンネルの動画「海・山・川の繋がりで豊かな屋久島の自然を守るプロジェクト」より)


「作業ダイバー人件費」156万円 「船舶借上費」130万円

 屋久島ポストが町の情報公開制度で入手した同事業の記録文書によると、2023年度の総事業費は1991万円(税込み)で、前年度より300万円ほど増額された。そのうち、事業の主目的である「海底・海岸清掃費」には451万円(税抜き)を支出。内訳は「作業ダイバー人件費」に156万円()、「船舶借上費」に130万円()、「産業廃棄物処理費」に165万円()だった。
海底・海岸清掃費
見積書に記載された「海底・海岸清掃費」の内訳

「主任研究員」日給7万円 「経理担当職員」日給5万円

 その一方で総事業費の7割以上が、事業の主目的である「海底・海岸清掃費」以外に使われた。

 まず、「人件費(謝金含む)」には308万円(税抜き)が支出された。内訳は「主任研究員」が日給7万円で20日分の140万円()、「研究員」が日給3万円で36日分の108万円()、「経理担当職員」が日給5万円で12日分の60万円()だった。
人件費
見積書に記載された作業ダイバーを除く「人件費」の内訳(黒塗りは町が非開示とした部分)

プレスリリース費100万円 ネット記事配信60万円

 続いて、広報費にあたる「PR費」は300万円(税抜き)だった。内訳は「メディア露出費」として、「プレスリリース配信」に100万円()、「『ocean+α』記事配信」に60万円()。また「サイト制作費」として、「特設サイト『海の屋久島』」に140万円()をそれぞれ支出した。
PR費
見積書に記載された広報費にあたる「PR費」の内訳

PDF版「環境啓発冊子制作費」200万円 「プログラム開発支援費」200万円

 加えて、「環境教育プログラム作成費」には4595000(税抜き)が使われた。内訳は「企画コーディネート費」として、「プログラム開発支援費」に200万円()。「教育・啓発用冊子制作費」として、「『山・川・海』環境啓発冊子制作費」(8ページ・PDFデータ納品)200万円()。「事業者教育」として、環境に配慮したダイビングショップの評価と認定をする「グリーンフィンズ導入」に595000()をそれぞれ支出した。
環境教育費
見積書に記載された「環境教育プログラム作成費」の内訳

詳細な経路や宿泊数なく「旅費交通費」は232万円

 最後に「旅費交通費」は232万円(税抜き)で、詳細な経路や宿泊数などを示すことなく、「各地-屋久島+現地宿泊費」と記載。また、人件費と事業費の合計に対して、その5%を「一般管理費」として875250()を支出。そして、総事業費にかかる消費税は181万円だった。
旅費交通費など
見積書に記載された「旅費交通費」などの内訳

人件費、担当課長「詳しい仕事内容はわからない」

 以上の内訳を踏まえ、屋久島ポストは町の担当課に取材し、海底・海岸清掃の「作業ダイバー人件費」156万円(税抜き)に加えて、308万円の「人件費(謝金含む)」が支出された「主任研究員」「研究員」「経理担当職員」の詳細な役割や仕事内容を質問。それに対し、観光まちづくり課の泊光秀課長は「詳しい仕事内容などはわからない」としたうえで、2023年度中にオーシャナが提出する実施報告書で確認するとした。

オーシャナ記事、2023年度は「海底清掃8回でトン袋4.9個分」

 一方、業務を請け負ったオーシャナは329日、同社のウェブサイトに記事を配信。2023年度の活動実績として、「回収したごみの総量は、海底清掃8回でトン袋4.9個分、海岸清掃3回で19.2個分」と報告した。

2022年度、ごみの量と廃棄実費は未報告のまま

 2022年度の海底清掃をめぐっては、実際に回収されたごみの量や廃棄実費が未報告であることを受けて、一部の町議が311日の町議会で問題を指摘。それに対し荒木耕治町長は、事業を委託したJTBパブリッシングに確認したうえで、実際にかかった費用などを報告する方針を明らかにしたが、330日までに同社から回答は得られていない。

 同事業については、2022年度の総事業費1700万円のうち、その約7割にあたる約1165万円が海底清掃そのものではなく、清掃活動を広報する動画と観光パンフレットの制作に支出されていたことが判明。また、海底で清掃した潜水時間が計2時間だったことなどがわかっている。
観光案内ページ②
海底清掃の関連事業として屋久島町が制作した観光パンフレット「るるぶ 特別編集 屋久島」の一部

■2023年度の総事業費内訳

【1】人件費 308万円

・主任研究員 日給7万円
20140万円

・研究員 日給3万円
36108万円

・経理担当職員 日給5万円
1260万円

【2】事業費 1442万5000円

海底・海岸清掃費 451万円

・作業ダイバー人件費 3万円
52156万円

・船舶借上費 10万円
13130万円

・産業廃棄物処理費 15万円 11165万円

環境教育プログラム作成費 4595000

・企画コーディネート「プログラム開発支援費」200万円

・教育・啓発「山・川・海」環境啓発冊子制作費 200万円

・事業者教育「グリーンフィンズ」導入 595000

③PR300万円

・メディア露出費

 プレスリリース配信 100万円

 リリース執筆

   画像素材手配

   メディア選定

   PR times 実装配信

   メディア対応等

oceana+α」記事配信 60万円

・サイト制作費 140万円

 特設サイト「海の屋久島」水遊びや海でのマナーなどが中心


④旅費交通費 232万円

 各地-屋久島+現地宿泊費


【3】その他

・一般管理費(【1】人件費+【2】事業費の5%) 875250

・調整 -280250

・消費税 181万円

【4】総事業費 1991万円


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  1. 安房よかにせ

     この事業は、2022(令和4)年度だけの単年度事業ではなかったのですね……。
     
     記事中に、<観光まちづくり課の泊光秀課長は「詳しい仕事内容などはわからない」としたうえで、2023年度中にオーシャナが提出する実施報告書で確認するとした>とありますが、2023(令和5)年度の年度末は、今日2024(令和6)年3月31日です。おまけに今年の3月30・31日は、土日に当たっています。
    契約書の実施報告書提出期限日がいつになっているのかはわかりませんが、担当課は、提出期限日は厳守させるべきです。
     次に、総事業費(1991万円)の財源内訳はどうなっているのでしょうか?
    2022(令和4)年度と同じように、全国から寄せられた「ふるさと納税」寄付金を財源充当しているのであれば、下記「屋久島町だいすき寄附条例施行規則」第5条に基づく寄附者への報告はしているのでしょうね……。
    (寄附者への報告)
    第5条 町長は、条例第8条に規定する基金の処分を行った場合は、当該基金の事業への充当結果を寄附者に報告しなければならない。
    <参考>
    屋久島町だいすき寄附条例
    (処分)
    第8条 基金は、その設置の目的を達成するため、第2条に規定する事業に要する費用に充てる場合に限り、その全部又は一部を処分することができる。↓
    https://en3-jg.d1-law.com/yakushima/d1w_reiki/H420901010029/H420901010029.html
     法令の執行者であるべき公務員が、町条例及び規則違反が疑われるようなことをしてはいけません。地方公務員法第32条の規定「法令等及び上司の職務上の命令に従う義務」を、もう一度読み直してください。

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