研究しない「主任研究員」に日給7万7000円の20日間で154万円!? 屋久島町・海底清掃事業
町、主任研究員らの業務内容を確認せずに人件費340万円を支出
経理担当職員には日給5万5000円の12日間で66万円!?
【上】海底清掃事業を委託された株式会社「オーシャナ」のロゴ(同社ウェブサイトより)【中】「主任研究員」らの人件費が記載された見積書の一部(※金額は税抜き)【下】屋久島町役場
ふるさと納税で「屋久島の自然を守って欲しい」と寄付された約1700万円を活用して、屋久島町が2022年度に実施した海底清掃を主体とする環境保全事業で、総事業費の大半が海底清掃そのものではなく、屋久島の観光情報などを伝える冊子や動画の制作費に支出された問題――。
同事業の2年目となる2023年度の事業費をめぐり、総事業費である約2000万円のうち、「主任研究員」「研究員」などとして支出された約340万円の人件費について町が、実際にどのような活動をして研究したのかを確認しないまま町の公金から支出していたことが、屋久島ポストの取材でわかった。主任研究員には日給7万7000円、20日間で計154万円が支払われたが、町に提出された事業完了報告書には、具体的な研究の成果は記載されていなかった。(※事業費の金額はすべて税込み)
町、潜水業者「オーシャナ」と特命随意契約
2023年度の事業で町は、潜水業務などを専門とする株式会社「オーシャナ」(本社・東京都中央区)に海底清掃などの業務を委託。複数の業者が参加する競争入札を実施することなく、同社と約2000万円の総事業費で特命随意契約を結んだ。
オーシャナのウェブサイト画面
直接的な事業経費は1650万円
総事業費のうち、海底・海岸清掃費には496万1000円を計上。内訳は作業ダイバーが日給3万3000円の延べ52人分で171万6000円、船舶借上費が1日11万円の延べ13隻で143万円、廃棄物管理処理費が単価16万5000円の11回分で181万5000円だった。
また、同事業の企画コーディネート費は220万円。その他はメディア露出費や宿泊交通費などの約936万円で、これらの合計である約1650万円が直接的な事業経費だった。
2023年度の海底清掃事業の支出内訳が記載された見積書(黒塗りは屋久島町が非開示とした部分、モザイクは屋久島ポストが加工)
直接的な事業経費とは別に人件費340万円
その一方、直接的な事業経費とは別に、町は「人件費(謝金を含む)」として338万8000円を支出し、内訳は以下のとおりだった。
・主任研究員:日給7万7000円、実働20日間、計154万円
・研究員:日給3万3000円、実働36日間、計118万8000円
・経理担当職員:日給5万5000円、実働12日間、計66万円
事業が終了したのち、業務を請け負ったオーシャナは2024年7月4日に事業完了報告書を提出し、海底・海岸清掃の実績などを町に報告。だが、合計で約340万円の人件費が支払われた「主任研究員」や「研究員」らによる研究成果や業務実績については、何も報告がなかった。
見積書に記載された作業ダイバーを除く「人件費」の内訳(黒塗りは町が非開示とした部分、※金額は税抜き)
主任研究員の仕事は「計画立案と進行管理」
そこで屋久島ポストは、担当の観光まちづくり課に対して、主任研究員と研究員が作成した研究報告書の開示を請求。さらに、経理担当職員の日給が5万5000円と、一般的な給与水準と比べて高額なため、具体的な業務実績について確認を求めた。
それを受けて、同課はオーシャナに問い合わせをしたが、実際には主任研究員と研究員は研究活動を行っておらず、研究報告書が作成されていないことが判明。さらに、オーシャナは具体的な業務実績について説明することなく、それぞれの仕事内容について、以下の内容を伝えてきたという。
・主任研究員:プロジェクト全体の計画立案および進行管理。
・研究員:主任研究員の指示で、具体的な現地とのやり取りや手配、活動の記録を実施。
・経理担当職員:経費の計算と積算処理。
2022年度の事業で海底ごみを回収するダイバーたち(屋久島町YouTubeチャンネルの動画「海・山・川の繋がりで豊かな屋久島の自然を守るプロジェクト」より)
企画コーディネート費220万円に加えて「主任研究員」の計画立案などに154万円
以上の回答を踏まえ、屋久島ポストは再び同課に取材をして、「企画コーディネート費を220万円も支出しているにもかかわらず、それに加えて主任研究員に計画立案や進行管理で154万円を支払うのは問題ではないか」などと指摘。主任研究員と研究員、経理担当職員の具体的な業務実績の説明を求めた。
町「オーシャナに業務日報を求める」
それに対し、同課の有馬寿二・統括係長は「業務委託契約では詳細な業務報告を求めることになってはいないが、再度、オーシャナに問い合わせをして、業務日報のような形で報告を求める」としている。
おい、おい、誰のお金で事業を委託していると思っているのか、職員にその自覚がない。
業者の言いなりで事業結果の検証もしないのは職務怠慢と同時に能力の無さを露呈している。
この業者は他の自治体でも、同じ手法の事業展開の可能性を感じる。
幸い我が町は渡辺議員が住民訴訟を提起していると聞いています。
頑張って貰いましょう。
よくこんなんで事業費出したな、地元の事業には予算が無いと言いつつ出し渋りしながらこれか!議員も役場も問題だらけだろ!