未回収の補助金1330万円、損害賠償請求訴訟は来年1月以降に延期/屋久島ポスト

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町、補助金返還は「工事遅延を招いた業者の責任」→ 弁護士選任や訴訟方針の検討で9月から来年1月以降に提訴を延期

国庫補助金不正請求事件

【左】屋久島町が国に提出した水道工事の検査調書。工事が未完成だったにもかかわらず、「契約図書に基づき良好に施工されている.(合格)」と記載されている【右】鹿児島地裁=2025年8月、屋久島ポスト撮影

 屋久島町が水道工事の国庫補助金を請求する際に虚偽の工事完成日を報告し、国から約1668万円の返還命令を受けた事件で、町が「補助金返還の責任は工事遅延を招いた工事業者にある」として、業者側に損害賠償請求した金額のうち、約1330万円が未回収となっている問題――。

 この損害を回復するため、町が業者に対して今年9月にも予定していた民事訴訟の提起が、早くても来年1月以降に延期されることが、町総務課への取材でわかった。代理人弁護士の選任や訴訟方針の検討などに時間がかかっているためで、町は12月に開かれる町議会定例会に訴訟提起の議案を提出し、承認されれば年明けにも提訴する。

損害賠償、6業者のうち1社だけ応じず
 未回収となっているのは、国に返還した約1668万円(補助金と加算金)のうち、5業者が賠償した約203万円と、住民訴訟の判決に従って荒木耕治町長が賠償した約135万円(加算金)を差し引いた約1330万円(補助金)。

 町は、補助金返還の法的責任は「工事遅延を招いた工事業者にある」として、6業者に賠償請求をしたが、1業者だけが応じなかったため、約1465万円が未回収となった。その後、荒木町長らの管理責任を問う住民訴訟が提起され、国に納付した加算金の約135万円については、荒木町長に賠償責任があることが判決で認められたため、いま現在は約1330万円が未回収となっている。

町、9月の屋久島町議選にも配慮
 町総務課によると、町は業者を相手取り、今年9月にも損害賠償請求訴訟を提起する予定で準備を進めていた。だが、代理人弁護士の選任や訴訟方針の検討などに時間がかかっているほか、9月21日にある屋久島町議選にも配慮して、いま開催中の定例会では訴訟提起に関する議案の提案を見送り、12月の定例会に延期したという。

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